2015.09.07
秋の夜長はしっぽりと 風情を味わう月見酒
旧暦8月15日は「中秋の名月」、いわゆる十五夜です。2015年の場合は9月27日。この日に見える月は、一年でもっとも美しいといわれ、月を鑑賞する月見の風習が中国で生まれました。日本で庶民の間に広まったのは、江戸時代の頃。また、あまり知られていませんが、十五夜の1ヵ月後にあたる旧暦9月15日は「後の月」と呼ばれ、この日も月見を楽しむ習慣があります。「月見酒」という言葉もあるように、夜空を眺めながら、おいしい日本酒をこだわりの酒器でちびちびといただく…。今回は、そんな大人の月見スタイルを提案します。
夜空に月……ラベルや酒器のデザインにこだわる
せっかくの月見なら、月や夜空をキーワードにアイテムをセレクトすれば、雰囲気もいっそう盛り上がります。深いブルーに星のような金箔がきらめく酒器は、千葉県の八千代窯のもの。職人さんの手作業で作られたグラスは、温かみのある形も美しい味わいになります。
日本酒は、ぽっかりと浮かぶ満月を彷彿とさせるラベルが印象的な「Nippon IRO SAKE Project」の「雪の茅舎 山廃純米吟醸 支子色風」。これは日本の伝統色からイメージして作られた伊勢丹オリジナルの日本酒で、日本酒担当の河西さんによると、「穏やかなうまみとさわやかな酸味が特徴で、キレもいい」とのこと。
その豊かな香りを味わえるよう、グラスは口の広がったラッパ型をセレクト。「グラスに口をつけたとき鼻まで覆うので、香りがしっかりと感じられます。香りを楽しみながら、日本酒のおいしさをじっくり味わってください」と、三越伊勢丹の和食器アシスタントバイヤーの仲谷ちひろさんが教えてくれました。
ちびちび呑みたい、九谷焼の酒器とともに
ひと目見た瞬間、思わず「かわいい!」と歓声を上げてしまいそうなグラスは、江戸硝子と九谷焼という2つの伝統工芸がコラボレーションした酒器。
こちらでいただくのは、有機米が原料の純米大吟醸「花垣」。100年の歴史を持つ福井県の酒蔵で作られており、河西さんいわく「ふくよかな香りが特徴で、コクのある豊かな味わいながらも、後味はキリッとしています。常温〜ぬる燗がおすすめで、食中酒にもぴったり。秋の味覚のサツマイモやサトイモ、脂ののったサンマとも相性がいいですよ」とのこと。
下部がふくらんだグラスは「口径が狭い分スッキリといただけるので、キリッとした味わいをより楽しめます。ちびちび呑みながらゆっくりと楽しみたい月見酒にもぴったりです」と仲谷さんは話します。グラスの形や絵柄は、多数あるバリエーションの中から組み合わせてセミオーダーすることも可能なので、好きなお酒に合わせて選ぶのも◎。
日本の伝統行事の中でも、生活に取り入れやすいのが月見。脂ののった魚や松茸など、酒の肴に秋の味覚をつまむのもいいですし、お酒を飲みながらただただ月を眺めるのも風流な過ごし方です。美しい満月に心も癒される、秋の酒宴をぜひ楽しんでみてください。
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