2015.09.27
どう使う? 話題の「ココナッツオイル」の意外な使い方
トップモデルや、健康を気遣う女性たちの間で人気に火が点き、「ミラクルフード」として注目を集める「ココナッツオイル」。
飛びついてみたものの、「余っている」「独特の香りが気になる」「正直、ちょっと高い」……。などなど、使いこなせていない人も多いのではないでしょうか。
今回は、ココナッツオイルに夢中なひとりでもある食のスペシャリスト・高橋善郎さんに、プロの目から見た魅力を教えていただきます。
そもそも「ココナッツオイル」ってなに?
ココナッツオイルはその名の通り、ココナッツの実から搾り取ったオイルのこと。その利点はさまざまですが、高橋さんが特に気に入っているのは、意外にも「使い勝手の良さ」なのだとか。
「料理人の立場から実感するココナッツオイルの魅力のひとつとして、まず『劣化しにくい』という点が挙げられます。180度以上の高温にならないと酸化しないため、オリーブオイルやごま油よりもずっと持ちがいいんです。一度開けてから、常温でも清潔な状態を保てば1年は新鮮なまま保存できますよ」
液体にも、ペーストにもなる不思議なオイル
ココナッツオイルは、25度から液状になり、それ以下の低温ではペーストになるという特徴があります。
「でも、形状が変化しても栄養や風味はそのまま。ペースト状に固まったオイルは、バターのようにパンに塗って食べてもおいしいですね。まさに万能なオイルなんです」
和食にココナッツオイル!? 意外なおいしさ
和食店に生まれ育ち、和の基本を徹底的に勉強した高橋さん。ココナッツオイルにはまったきっかけは、ちょっと意外です。
「実は、使ってみる前にはココナッツオイルに苦手意識があったんです。『独特の甘い風味がちょっと……』と思っていました。そんな時、ある食のイベントでココナッツオイルメーカーの方と知り合う機会があり、試してみたら目からウロコ! そのやさしい味わいや、オイルとしての利点にすっかり惹かれてしまい、ぜひ自分も使いたいと思うようになりました」
「香味野菜」「発酵食品」との相性◎!
和食がルーツの高橋さんが提案するココナッツオイルのレシピは、日本人なら誰でも食べたことがあるような、家庭的なお惣菜がメイン。
「ココナッツオイルは独特の風味があるので、香味野菜や発酵食品など、香りを持った食材との相性がいいんです。たとえばゴマだれの隠し味に少量効かせたり、梅肉や大葉を使った和え物に加えたり。また、味噌や塩麹といった発酵食品との相性もいいんですよ。豆乳の味噌スープのコク出しや、魚の塩麹焼きなどの焼き油に使うのもおすすめですね」
どれがいい? おすすめのオイルを聞きました!
ココナッツオイルは日本でもさまざまなメーカーから販売されていますが、高橋さんのおすすめは、フレッシュな実を圧搾して作られた「エキストラバージン」タイプなのだとか。
「最近は、ココナッツオイルもさまざまな種類のものが売られていますが、商品によっては保存料などの添加物が入っていたり、加熱処理によって香りが失われているものがあるのも事実。カラダに良いオイルを選ぶからには、ぜひ混じりけのないエキストラバージンオイルをおすすめしますね。香りもワンランク高く、食材との馴染み方も違いますよ」
食べ続けるなら、良いものを
最後に、気になるコストパフォーマンスについて。
「油はどうしても酸化して古くなってしまう性質があるので、おいしいまま長期間保存できるという点では決してココナッツオイルは高くないと思いますね。また、お手持ちのオイルにブレンドして使うといったアレンジもできるので、意外と長持ちするんです。何より、毎日食べ続けることを考えたら、いいものを摂りたいですよね」
カラダに向き合うという意味でも、長い付き合いになりそうなココナッツオイル。髙橋さんのお話をお聞きしていると、決して高いものではないと思えてきます。
料理研究家 高橋善郎
料理研究家。和食店に生まれ育ち、料理の基本を学ぶ。食品メーカー勤務後、料理研究家として独立。確かな腕前と、それを的確に伝えるスキルを併せ持った期待の料理家として人気急上昇中。ココナッツオイルのレシピを多数掲載した「魔法のココナッツオイルレシピ」が宝島社より発売中。
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