2015.09.20
ノスタルジックな昭和の味、再訪。「懐かしの外国料理」を召し上がれ
『暮しの手帖』は、戦後の1948年に創刊されて以来、現在も読者から愛され続けている生活総合誌。そんな同社から1972年に発刊され、現在も重版がかかり続けているレシピ本があるのをご存じでしょうか。 そのレシピ本の名は『おそうざいふう外国料理』。
この、18刷にまでなっている、超がつくほどのロングセラーの世界をちょっとのぞいてみませんか?
高度経済成長期、食卓を賑わせた外国料理
約280ページもある本書に収録されているのは、88品の「西洋ふう」と、77品の「中国ふう」メニュー。今では当たり前となった洋食や中国料理ですが、当時はずいぶんと食卓事情が違ったようです。
三越伊勢丹の和洋惣菜担当・大澤邦英さんによれば、 「東京オリンピックが開催された1964年から大阪万博開催の1970年ごろが、日本の高度経済成長期。当時、多くの外国人からさまざまな文化が持ち込まれましたが、本格的な外国料理はホテルや専門店でしか食べられませんでした。だからこそ、日本人の口に合う外国料理をご家庭で食べてほしい……。そんな思いから、『おそうざいふう外国料理』が誕生したそうです」
その『おそうざいふう外国料理』を見ると、魚のムニエルやミラノふうひと口かつ、かにのピラフ、すぶた、かにたまといった、今では一般的となった家庭料理が多数掲載されています。しかし、当時はどれも新鮮なメニューであり、ひとびとは目を輝かせながら料理の味を想像したことでしょう。
懐かしい当時のレシピを現代風にアレンジ
そんな、家庭料理における原点とも言える 『おそうざいふう外国料理』のレシピを再現した惣菜が、9月16日(水)~29日(火)の期間中、日本橋三越本店、銀座三越、伊勢丹新宿店に登場。現代向けにアレンジされたメニューの数々は、当時の人には懐かしく、若い世代にとっては新鮮味を感じる料理に仕上がっています。
「本書が作られた1970年代は労働者が多く、油やバターをたくさん摂ろうという風潮があったそうです。そのため、レシピではバターをたっぷり使っているものも多い。例えば、キエフふうチキンフライも、本来のレシピではモモ肉にバターを合わせますが、「まい泉」のアレンジメニューではさっぱりとしたむね肉を使い、現代風にアレンジをしております」と大澤さん。
結果、鶏肉のうまみとバターのコク、そしてパセリ、ニンニク、レモン汁の風味が融合した鶏料理が完成。おかずとしても、酒の肴としてもよく合うのが特徴です。また、とんかつ専門店の「まい泉」が、新たに鶏料理に取り組んでいる点など、名店のアレンジの妙にも注目です。
そんな、期間中に楽しめる懐かしの「外国料理」の中から、ここではその一部をご紹介します。
おそうざいふう外国料理「花しゅうまい」
大きめの焼売の上に、卵、ハム、椎茸、小松菜を彩りよく飾ってアレンジした、かわいらしい「花しゅうまい」。中国では正月などのお祝いの際に食べられているひと品です。
懐かしいけど新しい「なすのむしもの」
蒸した茄子に、にんにくを効かせた醤油をたっぷりかけてねぎをのせました。しっかりと味が染みた茄子が絶妙な味わいです。
どの時代も愛される「一口とんかつ」
一口サイズのかつにチーズをサンド。ご家庭で温めなおしていただくと、かつの中から出てくるチーズのとろみを楽しめます。
香りが食欲を刺激する「ごはんのグラタン」
ブイヨンで炒めたごはんに、海老入りホワイトソースをのせてこんがりと焼き上げました。とろりと溶けたチーズの香りがたまりません。
「当時のレシピは、有名ホテルの名だたる料理人が監修したとあって、どれも味付けや盛りつけが華やか。ですから、おもてなしやお祝いごとにもぴったりです。ほかにも、素敵な『昭和の外国料理』が、日本橋三越本店、銀座三越、伊勢丹新宿店にて25種類紹介されているので、懐かしさと、料理の味の両方を堪能してください」
2020年の東京オリンピック開催も追い風となり、訪日外国人が増えている昨今。オリンピックや万博で賑わいを見せた昭和の時代と重ね合わせながら古きよき料理を味わえば、おいしさも倍増するはずです。
【トピック】
「朝ドラ」の愛称でおなじみのNHK連続テレビ小説。2016年の4月からは、暮しの手帖社の創業者・大橋鎭子さんをモチーフにした「とと姉ちゃん」が放送されます。
今後話題が高まりそうな『おそうざいふう外国料理』のレシピ、ぜひチェックしてみてください。
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