2015.08.25
ランボソ、ミスジ、ヒレ! 松阪牛の熟成専門店で、希少部位を食べ比べ
数年前からブームの「熟成肉」。うまみが濃い、あっさりしていると肉好きの間で支持され、現在では多くの飲食店で見かけるように。しかし、ブームよりも8~9年前にいち早く「熟成肉」を取り扱っていたショップをご存じでしょうか。それは、伊勢丹新宿店地下1階食品フロアの奥にある「麻布日進」。知る人ぞ知る、松阪牛専門店です。
松阪牛といえば、高級ブランド肉のキング! なかでもA5ランクのみのバラエティ豊かな部位を取り扱い、すべて熟成させているのがこのお店の特徴。しかも、部位ごとに熟成の期間を変えているというから驚きです。
今回は、そんな熟成松阪牛の「部位別食べ比べ」に挑戦! 普段はなかなかお目にかかれない希少部位まで、熟成によって引き出されたおいしさを徹底解剖します。
熟成肉=赤身じゃないの? 松阪牛を熟成させる理由
松阪牛の特徴といえば、やっぱり最初に思い浮かぶのはサシ。麻布日進のケースに並ぶ肉も、細やかなサシの美しさに目を奪われます。熟成肉というと赤身をイメージしてしまいますが、なぜ松阪牛を熟成させるようになったんでしょうか。
「サシがあるということは、もともとうまみがあるということ。しかし、熟成させることでさらにうまみが引き出せるんです。ただしやりすぎると脂が酸化したり、うまみが飛んだりするため、大体2週間程度、専用の保管庫で温度と湿度を管理して熟成させています」
こちらで行っている熟成は、一定の温度で風を当てながら水分を飛ばしていくドライエイジングとも、日本にもともとある熟成技術「枝枯らし」とも違う方法。部位別に冷蔵庫の中に吊るし、職人が水分量を管理してタイミングを見極めているといいます。
ハイコストな方法ゆえ、他店には真似できない
肉の色が変色したりしていないので、ケースに並ぶ肉を見る限りでは熟成だとは気づきません。
「店頭にある看板を見て初めて気づくお客さまもいらっしゃいます。変色した部分は切り落とさないといけませんし、その分食べられる量が減るのでコストはかかりますね」。ハイコストゆえ、同じ松阪牛専門店でも、熟成を施すのはこちらのお店だけだと言います。そんな貴重なお肉を、いよいよ試食してみることに。
食べ比べるのは、ランボソ、ミスジ、ヒレの3部位
普段は店頭での試食は行っていませんが、今回特別に店長おすすめの3種を用意してもらいました。モモ肉の一部である「ランボソ」、ウデの部位の中で一番サシが入る「ミスジ」、そして人気の高い「ヒレ」です。希少部位であるランボソ、ミスジはどちらも1頭の半身から1kg程度しか取れないとのこと。「さっと焼いて、そのまま食べてください。うまみが強いので、味付けなしでも大丈夫です」
「ランボソ」は信じられないほど、脂がさっぱり!
ランボソは腰からお尻にかけての「ランプ」のすぐ横にある肉。モモ肉の中でもとくにやわらかく、ほどよくサシが入っているお店の人気商品だそう。
焼きたてを口に入れると、確かにやわらかい~。肉質がきめ細やかでほどよい歯触りがあります。そして何より、後味のすっきり感がスゴイ! 洗練された脂のおいしさにびっくりです。
「ミスジ」は脂の甘みと、肉のうまみで心まで満たされる……
ウデ肉の中で一番霜降りになる部分だけあって、焼いているうちに脂がじわじわ溶け出てきます。
中心にあるスジが気になる方もいるそうですが、食べてみると全然気になりません。むしろ、きめ細やかな繊維は噛んでいて心地いい。「これが松阪牛の実力か!」といったところです。ランボソに比べるとこってりとして、脂の甘みとうまみが食べ応えたっぷりです。
「ヒレ」はふわっふわの食感と、忘れられないうまみの濃さ
最後は一番人気、「ヒレ」です。個人的にも大好きな部位なので、かなり期待が高まります。
口に含むと、これまで食べたことのない、ふわっふわの食感! この見た目でこの食感はかなり意外で、思わず目を見開きました。
噛むほどに肉のうまみが広がりますが、すっきりとしているので何枚でも食べられそう……。
部位ごとに食感、脂の量、繊維の入り方など味わいに違いがあるので、複数購入したら、食べ比べがかなり楽しいと思います。また、いずれの肉にも共通していたのが、「洗練された後味」。 食べ応えがありながらもあくまで上品なおいしさ。それが、熟成松阪牛の魅力なんですね。
何ものにも代えがたいこの幸福感……ぜひ一度味わってみてはいかがでしょうか。
商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=松阪牛専門 麻布日進にてお取り扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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