2023.11.29
【専門店が解説】オリーブオイルの種類、エキストラバージンとピュアの違い、値段差の理由は? おすすめも紹介!
いまや日本の食卓にも欠かせない存在となったオリーブオイルですが、お店に行くと種類が多く、どれを買ったらいいのか迷ってしまうことはありませんか? 実はひと口にオリーブオイルといっても、その個性は多種多様! 用途や好みによって、選ぶべき1本は変わってくるんです。
そこで今回は、エキストラ(エクストラ)バージンオリーブオイルとピュアオリーブオイルの違い、値段差の理由、味わいの種類など、オリーブオイル選びに役立つポイントを、伊勢丹新宿店 本館地下1階のシェフズセレクションにあるオリーブオイル専門店<オリオテカ>で教えていただきました。
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オリーブオイルの基礎知識。エキストラバージンオリーブオイルとピュアオリーブオイルの違いとは?
まずはオリーブオイルの歴史や作り方、エキストラバージンオリーブオイルとピュアオリーブオイルの違いなどの基礎知識を押さえておきましょう。
【オリーブオイルの歴史とは?】
オリーブオイルの起源には諸説ありますが、紀元前4,000年から3,000年前にまで遡るといわれています。中東のシリアや黒海、エーゲ海、地中海に面した小アジア地方(=トルコ共和国のアジア部分にあたる半島。アナトリア)で、原料となるオリーブの栽培がスタートし、海外貿易によってギリシャや地中海地方に拡大。現在では南半球や、日本を含むアジア各地でも栽培されています。
ちなみに日本に最初にオリーブオイルが伝えられたのは、約400年前の安土桃山時代。日本を訪れたポルトガル人の宣教師が持ち込んだそうです。
【オリーブオイルの製造方法とは?】
収穫 → 葉などを取り除く → 洗浄 → 粉砕 → 練り込み → 油分抽出 →(濾過)→ 保管/澱引き → 瓶詰め
オリーブオイルは、オリーブの実の果肉から油を搾って作られます。オリーブの実は摘まれた瞬間から酸化がはじまるため、収穫後にはできるだけ早く搾ることが重要だとされています。
【オリーブオイルの分類】エキストラバージンオリーブオイルとピュアオリーブオイルの違いとは?
オリーブオイルは大きく分けて、オリーブの実から搾られた「オリーブオイル」と、その搾りかすから作られた「オリーブポマースオイル」に分類されます。私たちの食卓でなじみがあるのは「オリーブオイル」です。
オリーブオイルは、国際オリーブ協会(International Olive Council)によってさらに細かく等級分けされています。なかでも日本のお店でよく見かけるのは、「エキストラバージンオリーブオイル」と「ピュアオリーブオイル」の2種類ではないでしょうか。
「エキストラバージンオリーブオイル」とは官能検査(=人の五感を使って品質を判定する方法)や化学分析による基準をクリアしたバージンオリーブオイルの中でも最高品質のオイルです。
「ピュアオリーブオイル」とは、官能検査や化学分析でバージンオリーブオイルの基準には満たないものの食用できるオイルを精製し、エキストラバージンオリーブオイルやバージンオリーブオイルで風味づけしたオイルです。
【オリーブオイルの味わいと価格の違いとは?】
オリーブオイルの味わいは、オリーブの実の種類(品種)や収穫時期、搾油方法、栽培する土地の土壌や気候などによって、香味やスパイシーさなどの個性が表れます。
また、年間収穫量や搾油量、製法の違い(種を抜いて搾油するデノッチョラート製法など)、ブランド価値などが価格差につながっています。
優れたオリーブオイル店を見極める5つのポイント
オリーブの品種だけでもゆうに1,000種類を超えるといわれる、広くて深いオリーブオイルの世界。これぞという1本と巡り合うためには、信頼のおけるお店選びが重要です。下記の5つのポイントを参考に、あなたのオリーブオイル選びをサポートしてくれるパートナーを見つけましょう。
【見極めポイント①】オリーブオイルの陳列棚が照らされていないこと
オリーブオイルはワインと同じく、光の影響で劣化します。オリーブオイルの陳列棚が太陽光や照明などの強い光に照らされたお店では購入を避けましょう。とくにエキストラバージンオリーブオイルは光や熱に弱いため、より注意が必要です。
【見極めポイント②】オリーブオイルを遮光容器で販売していること
オリーブオイルの天敵ともいえる紫外線を通さない、遮光ガラス製の瓶や缶に入ったオリーブオイルを選びましょう。透明のガラス瓶やプラスチックボトルのものは、光や空気を通しやすいためNGです。
ただし、透明のガラス瓶であっても遮光性のある専用箱に入っていればOK。ノヴェッロ(初しぼり)では色味を見せるため、あえて透明のガラス瓶を使用することがあります。
【見極めポイント③】フレッシュな商品を取り揃えていること
どんなに素晴らしいオリーブオイルでも、時間の経過とともに風味が落ちてしまいます。販売員に、産地、生産年度、賞味期限などを確認したうえでお選びください。ちなみに開封後は3か月以内を目安に使い切りましょう。
【見極めポイント④】販売員がオリーブオイルに精通していること
オリーブオイルの知識が豊富な販売員がいるお店を選びましょう。ワイン選びをソムリエに相談するように、オリーブオイル選びもプロに頼れると心強いですよね。用途や好みにあわせて、親身にサポートしてくれるはずです。
【見極めポイント⑤】オリーブオイルのテイスティングができること
可能であれば、気になるオリーブオイルを試食できるお店がベストです。オリーブオイルの風味は想像以上に個性豊かなので、実際に味わってみると安心です。複数のオリーブオイルを比較して、自分好みの1本を選びましょう。
オリーブオイルの味わいの違いは、大きく分けて3種類ある
オリーブオイル専門店の<オリオテカ>では、オリーブオイルの味わいを「マイルド」「ストロング」「グリーン」の3つのタイプに分類してご紹介しています。
【味わい① マイルド】
オリーブの風味が優しく繊細な味わい。ライトな香味。花やフルーツ、ナッツなどをイメージさせることや、リンゴなど果物の甘みを感じることも。
比較的クセが少ないので、お子さまからご年配の方まで抵抗なくお使いいただけます。リグーリア州やヴェネト州など、北イタリア産のオリーブオイルに多く見られるタイプです。
マイルドタイプのおすすめ料理:魚料理・野菜料理・卵料理、和食・中華。食材や料理の邪魔をせず、コクや栄養価をプラスできます。「飲むオリーブオイル」としてもおすすめです。
【味わい② ストロング】
オリーブの風味が強く、オリーブの葉、アーティチョーク、ルッコラなどをイメージさせるやや強めの香味が持ち味です。オイルの中に含まれる微量成分、ポリフェノールに由来する苦み・辛みもしっかりと感じられます。
個性が強く、ややクセがあるので、オリーブオイルの世界に興味のある方、オリーブオイル好きの方におすすめです。トスカーナ州やウンブリア州など、イタリア中部に多く見られるタイプです。
ストロングタイプのおすすめ料理:肉料理・野菜料理・豆料理などの穀物、イタリアン。食材に負けず、薬味やスパイスのように美味しさの相乗効果を出したいときに活躍します。
【味わい③ グリーン】
刈り立ての青草を連想させる「青くさい」香りを持つオリーブオイルです。「青くさい」と聞くと、クセが強いように思われがちですが、フレッシュな口当たりのせいか、意外と日本人の味覚にもフィットします。
味わいは優しいものから強いものまでバリエーション豊富。トマトや青いバナナ、はたまたアーティチョークや葉野菜、ハーブをイメージさせます。シチリア州やカンパーニア州など、イタリア南部に多く見られるタイプです。
グリーンタイプのおすすめ料理:魚料理・野菜料理、イタリアン・和食。オールマイティでサラダやパンはもちろん、前菜からメインまで幅広く使えます。
味わい別、専門店<オリオテカ>おすすめオリーブオイル3選
オリーブオイル専門店<オリオテカ>のイチ押し商品をご紹介!
「マイルド」「ストロング」「グリーン」の3タイプそれぞれの個性をしっかりと感じられるオリーブオイルをセレクトしました。
【味わい① マイルド】どんな方にもおすすめできる万能オリーブオイル
フラントイオ・ボナミーニは、イタリア・ヴェネト州のオリーブオイル生産者の第一人者です。フラントイオ(搾油所)という利点を活かし、自家農園や近郊の契約農園からオリーブを集め、数々のオリーブオイルを生産しています。
そんなフラントイオ・ボナミーニを代表するオリーブオイルがこの「ヴェネト・ヴァルポリチェッラDOP」。地品種ファヴァロルとグリニャンのブレンドで、白い花やセロリ、ミント、青いバナナ、わずかに蜜を含んだリンゴのようなスウィートな香り。温かな料理にひと振りすれば、テーブルに甘い香味がパッと広がります。味わいは、マイルドで僅かに苦味が感じられます。
嫌みのない香味と抜群のコスト・パフォーマンスで、幅広い料理にマッチ。魚介(特に白身魚)の温菜、グラタン、蒸し野菜、茹で野菜、マヨネーズ、蒸した鶏肉、和食や冷奴などにもおすすめです。世界各地から観光客が訪れるヴェローナやヴェネチアで、数多くのレストランがテーブル用オリーブオイルとして提供しているのも頷けます。
※取扱い:伊勢丹新宿店 本館地下1階 シェフズセレクション
【味わい② ストロング】香味豊かな限定オリーブオイル
イタリア中部、トスカーナ州の古都シエナの南。フランコ・バルディのオリーブ農園は、波のような丘が続くヴァル・ディ・キアーナ(キアーナ渓谷)に位置するペトロイオという小さな村にあります。
農園で栽培されているオリーブは約6,000本。中には樹齢約400年の古木もあり、すべて無農薬,無化学肥料で大切に育てられています。オリーブは手摘み、場所によっては機器を使って収穫し、2018年からは念願の自家搾油所で搾油しています。年間約10,000本の限定生産です。
早摘みの青いオリーブやハーブを思わせるしっかりとした香りが持ち味。心地よく続く辛みと渋みのバランスがよく、コクと旨みが長く残ります。キノコや肉料理、ブルスケッタにぴったりです。
※取扱い:伊勢丹新宿店 本館地下1階 シェフズセレクション
【味わい③ グリーン】種抜き製法による高品質オリーブオイル
長寿の里として世界的にも有名な、イタリア南部のカンパーニア州チレント地方。この地で最高とされるオリーブオイル生産者が、マドンナ・デル・オリーヴォです。
マドンナ・デル・オリーヴォの代名詞であるデノッチョラート(種抜き)は、種に多く含まれるタンニンなどの微量成分を取り除いて搾油するため、繊細で高品質なオイルが抽出できるといわれています。
こちらの「イトランズ」は、人気のイトラーナ種100%。トマトと青草、バナナやリンゴ、柑橘類、さまざまなハーブなど、豊かで爽やか香りが見事です。開栓したては青いトマト、少し時間が経つと熟したトマトと香りの変化も楽しめます。複雑でありながらエレガントな香味にはハッとさせられることでしょう。
えぐみや雑味は全くなく、いろんな食材とよく合います。シンプルな料理の仕上げにかけると、料理の美味しさがグンとアップ。カプレーゼにはもちろん、ブルスケッタやカルパッチョなどにもおすすめです。
※取扱い:伊勢丹新宿店 本館地下1階 シェフズセレクション
この記事ではオリーブオイルの基本的な知識や種類などをご紹介しましたが、実際にパッケージだけで味わいを判断するのは難しいはず。ぜひ伊勢丹新宿店の<オリオテカ>など、オリーブオイルに精通した専門店の販売員にご相談ください。
「マイルド」「ストロング」「グリーン」の3タイプのオリーブオイルを使い分けて、いつもの食事のおいしさをワンランクアップしてみましょう!
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商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店 本館地下1階 シェフズセレクションにてお取り扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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