2015.08.17
和菓子で感じる 一足早い『秋』の香り
外はいよいよ夏真っ盛り! ですが、じつは8月に入ると、暦の上ではもう秋なのだそう。焼け付くような日差しを思うとそんな気がしませんが、『秋隣』という夏の季語があるように、いつの間にか秋はすぐそばにやって来ている……ということなのかもしれません。
季節の移り変わりを色濃く映す和菓子の世界には、こうした夏の名残と、ひと足早い秋の訪れとを一度に感じさせてくれるものがたくさんあります。今回は夏と秋、ふたつの季節の狭間にしか味わえない極上の味をセレクトしてみました。
琥珀色のゼリーに秋の味覚・栗を閉じ込めて
まろやかな風味の栗を、ゼリーに詰め込んだ「栗こはく」。栗きんとんの老舗が手がけた、本格派の栗菓子です。日本橋三越本店の食品担当マネジャー・松平敬さんによると、寒天など透明感のある素材を使った、見た目から涼が得られる和菓子は『琥珀菓子』と呼ばれ、昔から日本人に愛されてきたのだとか。「ぜひ冷やして召し上がってください」。
濃厚な栗の風味が活きた水羊羹
加賀藩御用達の菓子司「森八」の水羊羹は、名物の能登栗をたっぷりと使用。「能登栗に甘みをつけてペースト状にし、寒天で固めています。能登栗特有の濃厚な味と香りが堪能できますよ」(松平さん)。冷たい煎茶を添えれば、本格的な和のティータイムが楽しめそう。
さっくりした歯ごたえも楽しい栗スイーツ
栗の産地・小布施町にある「小布施堂」が手がけた、夏季限定の栗のお菓子。「残暑が厳しい間は、ゼリー寄せや寒天を使ったお菓子が人気ですが、こちらは寒天に栗を入れてじっくりと寝かせたもの。商品名の語源はフランス語で『砕く』を意味する『カッセ』です」(松平さん)。その名の通り、寒天をざっくりカッティングして仕上げたビジュアルは、なんとも涼しげ。ガラスの器にも映えそうです。
ぶどうの果汁がしたたるゼリー
国産のニューピオーネを使った、宝石のように美しいゼリー。口のなかでふわりとほどける、なんともなめらかな食感で、ぶどうの風味が後をひきます。「国産の果実にこだわって作られた、本格派の味わい。外の暑さも忘れさせてくれそうな、涼しげなスイーツです」(松平さん)。
『KAWAII』と外国人からも人気!
稲穂など秋の風物詩が、小さな砂糖菓子に変身。職人さん手作りの木型を使って作られた落雁は、外国の方が『カワイイ』と言って購入していくことが多いのだとか。「落雁というと茶道をやっている方が買うものというイメージもありますが、外国の方は紅茶と合わせてパーティなどでカジュアルに楽しむようです」(松平さん)。キュートなビジュアルは、女子会などのおもたせにも◎。
いかがでしたか? 日本橋三越本店本館地下1階銀座口には、8月26日(水)〜9月1日(火)の期間限定で、「WAGASHI コレクション~秋~」特設コーナーが登場します。和菓子と器との合わせ方や、新しい食べ方など、ひと味違った和菓子の楽しみ方も提案する予定。和菓子をめぐる暮らしの文化を、さまざまな角度から体験できます。
季節を先取りする和菓子の意匠や素材から、ひと足早い秋を感じてみてください。
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