2023.03.09
【日本橋三越】お彼岸にも! 東京で買える2023草餅を食べ比べ。むっちり食感とよもぎの香りが魅力的
早春に芽吹く野草・よもぎを餅生地に練り込んだ草餅は、春の季語としても知られる日本古来の和菓子。薬草を思わせるよもぎの独特な香りが、素朴ながらも上品なおいしさを生み、毎年心待ちにしている方も多いですよね。
そこで今回は、日本橋三越本店でゲットできるバイヤーイチオシの草餅をライターが食べ比べ。老舗の名品から新感覚の草餅まで、個性の光る5品のおいしさをレポートします!
※この記事は過去の記事を再編集して掲載しています。
自分好みの草餅を見極めるには? 4つのポイントに注目!
「草餅ってどれも一緒では?」なんて思っている人も多いはず。しかしブランドによって形はもちろん、あんが餅の中に入っているもの、外側にきなこがかかっているものなど食べ方のタイプはさまざまです。
- 【比較ポイント①】 形
- おなじみの「丸形」をはじめ、縁起のいい「巾着形」や「くわい形」、「一生一人の人と連れ添うように」という願いが込められた「はまぐり形」など、趣向を凝らしたものも多いので選ぶときにチェックしてみて。
- 【比較ポイント②】 食べ方のタイプ
- 餅の中にあんが入ったもの以外に、きなこや糖蜜、黒蜜などをかけて食べるもの、あんが別添えになったものなど、個性はさまざまです。
- 【比較ポイント③】 餅の食感
- 餅の食感は草餅を選ぶうえでの大切なポイント。つきたてのようにやわらかく伸びるものや、弾力があって歯切れのいいものなど、ひと口ほおばれば各店のこだわりが感じられます。
- 【比較ポイント④】 よもぎの風味
- たっぷりと使用したよもぎが鮮烈に感じられるもの、やさしく上品な風味を持つものなど。好みの加減を選んでみてください。
生のよもぎだけを使用! こしあん入りとあんなしの2種類を楽しめる<鈴木製菓>
隅田川の渡し舟で往来する人々に草餅を提供する茶店として、明治2年に創業した東京・向島の<鈴木製菓>。変わらぬ製法で作られる草餅は、北海道産小豆を使用した自家製のこしあん入りと、白蜜ときなこをかけていただくあんなしの2種類を、詰め合わせで楽しめます。
こしあん入りは、甘さ控えめながら濃厚な風味のこしあんが、餅生地とマッチした王道の味わい。白蜜は、すっきりとした甘さでクセがなく、フレッシュなよもぎの香りが引き立ちます。好みできなこをかければ、香ばしさとほのかな塩気で深い味わいに。
よもぎは産地直送の生のものだけを使用し、状態を見極めながらゆでたあと、なんと手作業で粗い繊維を除いています。コシが強くなめらかな食感に仕上げるために、蒸したての上新粉と合わせてから、杵と石臼で時間をかけてついているそう。さすが老舗の職人魂です!
タイプ | あん入り(こしあん)/ 白蜜・きなこ(別添え) |
餅の食感 | なめらかでコシが強い(甘みはなし) |
甘さ(あん入り) | ★★★☆ |
よもぎの風味 | ★★★☆ |
※取扱い:日本橋三越本店 本館地下1階
東京・下町の変わらぬ味。コロッと丸い形が愛らしい<髙木屋老舗>
東京・柴又帝釈天の参道に店を構え、映画「男はつらいよ」シリーズのロケ地としても愛されてきた<髙木屋老舗>。参拝客へのおみやげとして売り始めた草だんごは、添加物を一切使わない製法で作り続けています。
折り詰のふたを開けると、ズラリと並んだだんごの横に粒あんがぎっしり! だんごと粒あんが別々になっていて、自分の好きな加減であんをのせられると思うと、思わず気分が上がります。
まずは、だんごだけを一口。伸びがよくなめらかな食感。生のよもぎの新芽だけを使っているというだけあって風味はおだやかです。だんご自体は甘くないので、次に粒が大きなあんをたっぷりとつけて食べてみると、甘さはしっかり。
北海道産の小豆を使ったあんは上品な甘さで、やさしい味わいのだんごとも相性抜群です。小ぶりサイズなので、ついもう1個と手が伸びること必至。家族や友人と分け合っていただきたいですね。
タイプ | 粒あん(別添え) |
餅の食感 | なめらかで伸びがよい(甘みはなし) |
甘さ(あん入り) | ★★★☆(適量の場合) |
よもぎの風味 | ★★☆☆ |
※取扱い:日本橋三越本店 本館地下1階
コシの強い生地にふわっとこしあんのハーモニーが絶妙! <KITAYA六人衆>
東京・千住の和菓子店<喜田家>の腕利きの職人によるブランド<KITAYA六人衆>。こだわりの詰まった草餅は、こしあんを包み、きなこをかけたスタイルです。
餅生地のベースとなる上用粉は、香り・味・風味・色・栄養分を損なわないよう、極限までダメージを抑える特別な挽き方をしているのだとか。さらに蒸してからしっかりつくことで、強いコシを引き出しています。
口に入れると、よもぎの芳醇な香りとともに、きな粉の香ばしさが広がります。コシがあり歯切れのよい餅生地にマッチするよう、こしあんは硬さにこだわり、ふんわりやわらかな食感。餅生地との強弱のバランスが楽しく、クセになるおいしさです。
温かいほうじ茶といただくと、香ばしさが増し、それぞれの素材の滋味がより感じられるので合わせてみて!
タイプ | あん入り(こしあん)・きなこがけ |
餅の食感 | コシが強く歯切れがよい(甘みがある) |
甘さ(あん入り) | ★★★☆ |
よもぎの風味 | ★★★☆ |
※取扱い:日本橋三越本店 本館地下1階
三越伊勢丹オンラインストアで<KITAYA六人衆>の商品をみる>>
かわいい茶巾の中に粒あんがたっぷり! <菓匠花見>
大正元年、埼玉・浦和に創業した<菓匠花見>の草餅は、粒あんを包んだ愛らしい茶巾型。国産の厳選した上新粉とよもぎを使用しています。
よもぎの風味が強い餅生地は、コシがありながらも、さっくりとした歯切れのよさが特徴。厚めの生地は食べごたえがあり、口に含むと、香り高いよもぎが軽やかに広がります。
小豆本来の味わいを損なわないよう、丁寧に炊き上げた粒あんは、甘めでおだやかな風味。よもぎが効いた生地に見事にマッチしています。先までみっちりと詰まったあんで甘みもしっかりと感じられますが、大きすぎないサイズもあって、2個、3個と食べ進めてしまうおいしさです。
タイプ | あん入り(粒あん) |
餅の食感 | コシが強く歯切れがよい(甘みがある) |
甘さ(あん入り) | ★★★☆ |
よもぎの風味 | ★★★☆ |
※取扱い:日本橋三越本店 本館地下1階
初体験の組み合わせ! 濃厚な栗あんとよもぎの苦みが出合った草餅<小布施堂>
栗の郷・長野県小布施の栗菓子店<小布施堂>。数々の銘菓を生み出してきた老舗の草餅は、栗あんを包んだ珍しい一品です。
一見、「栗」と「よもぎ」は意外な組み合わせに感じましたが、実際に食べてみて驚きました! 濃厚でなめらかな口溶けの栗あんが、しっかりとよもぎの風味が香る餅生地と、とってもよく合います。餅生地の食感はふわっとやわらかく、きなこの香ばしさがアクセントとなって、栗とよもぎをつないでいます。
パッケージの木箱には栗の焼き印が押され、高級感があり。2日ほど日持ちがするので、和菓子通の方にプレゼントすれば、喜ばれること間違いなしですよ!
タイプ | あん入り(栗あん) |
餅の食感 | コシがあってやわらかい(甘みがある) |
甘さ(あん入り) | ★★★☆ |
よもぎの風味 | ★★★★ |
※取扱い:日本橋三越本店 本館地下1階
【番外編! さくら餅×草もち】小ぶりでペロッと食べやすい! 春全開の贅沢なセット<たねや>
<たねや>から「春の餅」としてお目見えする餅菓子は、「草もち」と「さくら餅」の詰め合わせ。
草餅の生地には、たねやの自社農園「キャンディーファーム」で育ったよもぎの新芽を100%使用。粒あんを包み込み、天面に香ばしい焼き印をつけています。別添えのきなこをかければ、さらに香ばしい風味に!
桜餅は、もち米が原料の道明寺粉を使用した関西風。あんには薄紅色に染めた白小豆あんを使用し、上品な味わいが特徴です。塩漬けしたときの香りや風味などが桜餅に最も適した品種といわれる「大島桜」の葉で包まれ、ほんのりと香る塩気が白あんの甘みを引き立てます。
塩漬けした国産八重桜の花びらを載せたかわいらしい見た目にも注目! セットで味わえば、一足早く春爛漫を感じられます。
※取扱い:日本橋三越本店 本館地下1階
いかがでしたか? 清涼感満点のよもぎの香りに癒された今回の食べ比べ。元々草餅は邪気を祓う食べ物として「ひな祭」にいただく風習があったと知り、ありがたい気持ちでおいしくいただきました。
どの草餅も日持ちは1日〜2日ほどですが、春先のちょっとした手みやげにも喜ばれそうです!在宅時間が増えて季節感が曖昧になりがちな今こそ、和菓子で季節を感じてみてはいかがでしょう?
商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、日本橋三越本館地下1階=菓遊庵、和菓子にてお取扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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