2015.08.05
初秋だけのお楽しみ。夏越しの酒「ひやおろし」が待ち遠しい!
秋の訪れを感じる頃になると、多くの日本酒党が待ちわびる「ひやおろし」。そろそろ今年も、その出荷が始まります。
「ひやおろし」とは、春にできた新酒を秋まで熟成させたお酒のこと。熟成によって新酒にありがちな味の角(かど)を取り、まろやかな味わいやうまみを生むのが特徴です。
「通常の日本酒であれば2度の火入れを行うところ、『ひやおろし』の火入れは春先に行う加熱殺菌のための1度のみ。あえて出荷時の火入れをしないことで、お酒本来の香りや風味を楽しむことができます」
そう教えてくれたのは、三越伊勢丹の和洋酒アシスタントバイヤー東木場由衣さん。今年の「ひやおろし」の仕入れを担当されています。そんな東木場さんが注目しているのが20〜30代の若手醸造家が手がけた作品だそう。
「文化や伝統を守りながらも、いままでにないコンセプトで酒造りに取り組んでいるんです。食中酒としての日本酒の可能性をいっそう引き出しているんですよ」
そんな若手醸造家の作品のなかから、東木場さんおすすめの5本を選んでもらいました。
<滋賀県>七本鎗 純米 山田錦ひやおろし
かの魯山人も訪れたという江戸期の蔵で醸造した『七本鎗』のひやおろし。これを造る醸造家の冨田泰伸さんによると「滋賀県産の山田錦を使用した旨味のある食中酒」だそう。「地元の米、水、環境に徹底的にこだわったお酒だけに、やはり同じく琵琶湖を中心とする滋賀の旬と合わせて楽しみたいですね」(東木場さん)
<静岡県>白隠正宗 純米酒生酛ひやおろし
駿河湾と富士山を望む東海道13番目の宿場「原」に構える蔵元、高嶋酒造。伝統を受け継ぎながらも、これまで山廃造りだった仕込みを生酛に切り替えるなど、進化を続けています。酒米には地元静岡県産の誉富士を使用し、醸造家・高嶋一孝さんの「地酒とは地の食にあった酒である」という考えから作られたお酒。「これも地元の富士山・駿河湾の山海の幸とともに楽しむのがおすすめです」(東木場さん)
<福島県>天明 ちょいリッチ 純米大吟醸 山田錦✕亀の尾
透明感ある日本酒造りを心がけている醸造家・鈴木孝市さんが「全量純米、米の違い、槽しぼり、濾過の有無の使い分けや冷温貯蔵で、日本酒に流れる季節感を表現した」と語る、『天明』ブランドのひやおろし。旨み・甘み・酸味のバランスがとれた食中酒を目指したという1本です。「0〜3度の低温熟成が織りなす、豊かな味わいも大きな特徴のひとつですよ」(東木場さん)
<愛媛県>伊予賀儀屋 無濾過 秋あがり 純米原酒 月見ラベル「SEIRYO TSUKIMI」
約140年もの酒造りの伝統を受け継ぐ成龍酒造、『伊予賀儀屋』のコンセプトは、飲み飽きしない、飲み続けられる味。醸造家・織田和明さんの「多様化する食文化のなかで、日本酒も進化させていきたい」という思いの込められた1本だけに、さまざまな食材と合わせてみたいところ。「秋らしい月見ラベルを眺めながら、ゆっくりと盃を傾けてみては」(東木場さん)
<福井県>福千歳 山廃純米ひやおろし生詰
新たな日本酒造りに挑戦する若き杜氏・田嶋雄二郎さんが、「ワインのようなスッキリとした酸味を楽しんでください」という『福千歳』は、しっかりした味付けのメニューが多い現代の食生活にも好相性まちがいなし。「伝統とは、挑戦すること」という思いを掲げ、今までにないオンリーワンな酒造りを目指す酒蔵の個性的な1本に注目です。
水や米、風土の違いを飲み比べる愉しみも
「日本酒はお米の品種や産地、そして水といった地域性が強く出てくるものです。今回は全国各地のひやおろしを集めたことで、より多様性が明確になりました。ぜひ飲み比べを楽しんでいただければと思います」とは東木場さんの弁。
今回ご紹介したひやおろしは、出荷に先立って8月5日(水)から8月24日(月)までの期間、伊勢丹新宿店地下1階=粋の座・和酒にて先行受注を承ります。すべて数に限りがあるので、確実に手に入れたい方は、この機会をご利用されてはいかがでしょうか?
■承り期間:2015年8月5日(水)〜24日(月)
※8月18日(火)は店舗休業日でございます。
■商品お渡し日:2015年9月13日(日)以降
※<冨田酒造>のみ10月7日(水)以降のお渡しとなります。
※詳しくは粋の座/和酒係員までおたずねください。
※20歳未満の方の飲酒は法律で禁止されております。
商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=粋の座・和酒にてお取り扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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