2015.07.29
清涼感のある香りと臭み消しに活躍するタイムの賢い使い方
キッチンの片隅で、いつかいつか……と出番待ちをしている調味料。
特定の料理のためだけに購入した調味料を、いかにおいしく、いかに上手に使い切るかを指南する本連載。
毎回、高品質なスパイスを提供している専門店<朝岡スパイス>の伊勢丹新宿店店長・髙橋香さんに、お話をうかがっています。第6回のテーマは、すがすがしい強い香りをもつ、シソ科のハーブ「タイム」です。
「タイム」は食材の臭みを消して保存性を高める
清涼感のある香りと、ぴりっとした風味が特徴のタイムは、料理によく登場する定番ハーブのひとつ。殺菌・防腐作用のある成分を含むため、料理に香りを付けるだけでなく、保存性も高めてくれます。しかし、よく耳にするわりには、いざ使うとなると、用途がパッと思い浮かびません。
そこで、スパイス・ハーブを使った料理が得意な髙橋さんに、とっておきのタイム活用法をレクチャーしていただきました。
「タイムは、鶏肉のソテーやレバーなどを使った料理に使うのがおすすめです。ぴりっとしたすがすがしい香りが、肉の臭みを消しておいしさを一層引き出してくれます。その上、防腐効果もあるので、大量に作り置きをすることが多いレバーペーストには、必ず入れることにしています」と髙橋さん。
また、鶏肉とタイム、レモンの皮をすりおろしたものを一緒にマリネし、ソテーまたはグリルにしてもおいしくなるのだとか。これなら、食欲の出にくい夏場でも、鶏肉のうまみと爽やかな香りの二重奏で食も進みますね。
柑橘との組み合わせで遊び心を
「魚介や鶏肉との相性のよいタイムは、クラムチャウダーや鶏のクリーム煮にもピッタリです。先ほど、鶏のソテーに使う際はレモンも一緒に使うのがおすすめ、といいましたが、タイムは柑橘類との相性もいいんです。オレンジゼリーやグラニテ(シャーベット)の風味付けに使ってもおもしろいですよ」
他のスパイスとブレンドして、香りに奥行きを
「注意点は、たくさん入れすぎないこと。タイムは香りが強めなので、調理に慣れるまでは少量を使うのがいいと思います。また、タイムに限らず、『単品では香りが強いな』と感じるものは、他のスパイス・ハーブとブレンドすると、全体のバランスがとれてより奥行きのある香りになります」
この効果を活かしたミックスハーブやブーケガルニなどは風味のバランスが良く、使いやすいアイテムだそうです。
「<朝岡スパイス>のブーケガルニにも、もちろんタイムは入っています。とても香りが豊かなので、1玉で十分威力を発揮します。実家の母からもたびたびリクエストされる、本当に優秀な逸品。煮込みやスープが格別なお料理に大変身しますよ」
ちょっと加えるだけで料理がオシャレな雰囲気になり、臭み消しとしても活躍するタイム。今まで使ったことがなかった人も、ぜひ気軽につかってみてほしいと高橋さん。伊勢丹新宿店の店頭でも、スパイスとお料理の相性や、余ってしまって困ったスパイスの活用方法など、さまざまな疑問をスタッフに聞いて、スパイス上級者を目指してみてください。
長年、伊勢丹で店の顔をつとめる。ルー無し、スパイスで作るカレーにおすすめしたいのは『炒め玉葱』のコク!
商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=シェフズセレクションにてお取り扱いがございます。
また伊勢丹オンラインストアでも、本連載でご紹介している各種スパイスをお買い求めいただけます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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