日本産も増えてます！ りんごの発泡酒「シードル｣ とは。味・製法・度数・飲み方のおすすめをプロが解説

軽やかな味わいでお酒が得意でない人でも気軽に飲める、りんごの発泡酒、シードル。発祥の地であるフランスでは食前酒やガレット・デ・ロワに合わせる定番であり、イギリス、スペイン、ドイツ、アメリカではビール感覚で気軽に楽しまれている、世界ではメジャーなお酒です。

「日本でも生産者が増え、味わいや価格帯などの選択肢が広がっています。最近は人気のクラフトビールのように、国内の造り手が個性豊かなシードルを造っていて、多彩な味わいが楽しめます」と教えてくれたのは、伊勢丹新宿店ワイン・洋酒商品担当の窪井佳織さん。

確かに近年、日本でもシードル専門店がオープン、大手飲料メーカーがシードルの新製品造りに力を入れています。2015年にはシードルの普及を目指した日本シードルマスター協会が設立して、じわじわ盛り上がりの兆しが…。

しかし、名前を聞いたことはあるけれど、どんなお酒なのかよく知らない…という人も多いはず。そこで、窪井さんにシードルの製法やおすすめの飲み方といった基本的な知識から、注目のアイテムまで聞いてみました！

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フランス生まれの「シードル」の製法とは？ イギリスでは「サイダー」が通称

ひと言で言うと、シードルとはスパークリングワインを、ぶどうではなく、りんごで造ったもの。りんご果汁をタンクの中で発酵させ、糖分をアルコールと炭酸ガスに変化させたスパークリングのお酒です。

発酵・熟成には、通常のスパークリングワインだと2〜3週間のところ、シードルは最低3カ月がかかるといいます。ぶどうで造られたワインと同じくポリフェノールを多く含み、りんごのナチュラルな甘みと旨みがたっぷりな味わいが人気。甘口、中辛口、辛口まであり種類もさまざまです。アルコール度数は3～8度。ワインの10～14度に比べると低め。

シードルが生まれたのは、フランスのノルマンディー地方やブルターニュ地方。緯度が高く気温が低いため、ぶどう栽培の代わりにりんご栽培が発達し、11世紀ごろからシードルが造られるようになりました。

フランスでは「シードル（cider）」と呼ばれていますが、イギリスでは「サイダー」、アメリカでは「ハードサイダー」と、国によって呼び名が違うのも特徴です。

シードルの飲み方は、世界の国によってさまざま！ 甘口、中辛口、辛口と種類も豊富

フランスでは、シードルはそば粉のガレットと楽しむのが定番スタイル。ほかにはアペリティフ（食前酒）としても親しまれ、エピファニー（公現祭）の日にはガレット・デ・ロワと一緒にいただくのがお決まりです。

ビールと同じくパブなどでカジュアルに飲むイギリスや、高い位置から泡立たせながら注ぐスペイン、ゲリプテスという専用グラスを用いるドイツなど、シードルの飲み方は国によってさまざま。

またワインのように、甘口から辛口まで幅広い味わいのタイプがあるので、あらゆる料理と組み合わせることができます。

「甘口タイプはスイーツに合わせるのがおすすめです。フルーツタルトやアップルパイのほか、栗きんとんなどの和菓子とも相性抜群。中辛口タイプは、ポークノルマンディや焼き鳥といった肉料理とよく合います。辛口タイプには、魚介料理。カルパッチョ、しめサバ、牡蠣の酒蒸しなど、和洋を問わず合わせていただけます。

また最近はノンアルコールの需要が高まっていますが、シードルには低アルコールのものもあり、お酒があまり飲めない方にも気軽に楽しんでいただけるのが魅力です」（窪井さん）

実際にどんな種類があるのか、窪井さんに伊勢丹で手に入る注目のシードルを、国内外からそれぞれピックアップしてもらいました。

【日本】富山産ふじ100％のさわやかシードル ＜セイズファーム＞

ドメーヌとして100％自社産のぶどうでワインを造る北陸のワイナリー＜セイズファーム＞。富山県産ふじを100％使用し、氷見の冬の気温のもとでゆっくりと発酵させることで、フレッシュなりんごの風味を引き出しています。

「さわやかで軽快な泡立ち、厚みのある華やかなりんごの香り、クセのないおだやかな酸味があり、最後に焼き菓子のようなほろ苦さが優しく残ります。食前、食中を問わずお飲みいただける一本です」

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※取扱い：伊勢丹新宿店 本館地下1階

【フランス製】食前・食後にぴったりな珍しいロゼのシードル ＜サッシー＞

2014年、フランス・ノルマンディーに誕生した新しいシードルメーカー。赤い果肉を持つユニークなりんごを使うことで、繊細なローズカラーを実現。複数の品種のりんごをブレンドし、バランスのよい飲み口に仕上げました。

「熟したりんごの香りのほか、オレンジやスモーキーなアロマも感じられるロゼ。ナチュラルな甘酸っぱさが魅力で、食前酒・食後酒におすすめです。シャーベットや、ペストリーなどの甘いものと合わせてもよいでしょう」

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ワインよりアルコール度数が低いものが多く、味わいのタイプによってさまざまな料理と合わせられるシードル。世界中で愛されるその理由を、ぜひ体感してみてください！

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※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。