2019.03.29
#花のある暮らし~テーブルやキッチンを花で彩る5つのアイデア
テーブルやキッチンにさりげなく花が飾ってあったら、食事の時間がもっと華やかになるはず。でも手もとにきちんとした花瓶はないし、何をどういけたらおしゃれに見えるのかわからない……。
そこで、今回はインテリアスタイリングのプロ、大谷優依さんに初心者でも気軽にできて、しかもおしゃれな花のいけ方を教えてもらいました。同じく大谷さんが教える「テーブルコーディネート」の記事と合わせてチェックしてみてください。
初心者におすすめ! 食卓やキッチンに花を飾る3つのポイント
【Point1】 花器の代わりに身近なものを活用する
「花をいけるために、わざわざ花瓶を買いそろえる必要はありません。ボウルやピッチャー、グラス、コップなど、身近にある器を活用すれば、気軽に花を飾ることができます」
【Point2】 花はさりげなく、小さめのものを飾る
「まずは小さめの花や少ない本数をいけることからはじめてみましょう。省スペースで収まり、会話や調理の邪魔にもなりません。背の高い花は茎を短く切って飾ればキュート」
【Point3】 香りの強くない花を選ぶ
「テーブルやキッチンに花を置く場合は、香りの弱い花を選ぶといいでしょう。バラやゆり、ハーブなどは食べものの香りとぶつかってしまう可能性があります。同様にポロポロと落ちやすい花も、お皿に入ってしまうので、食卓には向きません」
実際に、花器以外の身近なものを使って食卓やキッチンに素敵に花を飾るコツを教えていただきました。フラワーベースとして使用した各アイテムのご紹介もしているので、食まわりに花を取り入れるヒントにしてみてください。
【CASE1】個性的な形のボウルをテーブルのアクセントに
まずは、形がユニークなボウルに花を飾るアイデアをご紹介。使用した器は、フィンランドを代表するデザイナー、アルヴァ・アアルトが手がけた<イッタラ>の「アルヴァ・アアルト コレクション」の一品。湖や木の断面をイメージさせる美しい曲線が特徴で、丸い皿にも合わせやすく、テーブルコーディネートでも重宝する器です。
「今回は器の個性的な形を生かし、白いクリスマスローズをいけました。凹凸のある器は花を引っ掛けやすいので、花器として使うのに向いています。頭が大きな花もふちにのせて支えることができ、バランスが取りやすいです。茎がまっすぐなものよりは、クリスマスローズやチューリップのように“流れる”形の花だと合わせやすいと思います」
◎個性的な形のアイテムはテーブルコーディネートのアクセントになる。
◎小さめの器には、形に流れのある花をいけるとバランスが取りやすい。
※取扱い:伊勢丹オンラインストア>>
【CASE2】持ち手がチャームポイントにもなるピッチャー
ピッチャーも、花器代わりとして食まわりになじむアイテムです。使用したのは、クリスタルガラスブランド<ツヴィーゼル>の「BISTRO ジャグ」。フランスの食堂にありそうな、素朴なデザインが魅力です。クリスタルならではの透明感は、水を入れたときに美しさが際立ちます。今回は真っ赤なチューリップを球根ごと飾ってみました。
「ピッチャーもそそぎ口にお花を引っ掛けやすいので、花瓶代わりによく活用します。深さがあるので、茎が長めの花ならどんなタイプでも挿しやすいですよ。持ち手はチャームポイントにもなるし、調理中はキッチンに、食事の間はテーブルに置くなど、移動しやすいのも魅力。飾ったときに茎の下まで見えるので、球根つきの花を飾るのもおすすめです」
◎深さがあるピッチャーは、茎が長めの花と相性がいい。
◎透明なガラスのアイテムには、球根ごと花を飾るとキュート。
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【CASE3】小さなガラスボウルで食卓を明るく
食事やキッチンを明るい印象にしてくれるのが、小さめのガラスボウル。透明なガラスの器は<イッタラ>のもので、フィンランド語で「露のしずく」の意味を持つ「カステヘルミ」というアイテムです。朝日を浴びてきらめく朝つゆにインスピレーションを得てデザインされたというボウルは、表面に凸凹のあるガラスの輝く質感が際立っています。
「小ぶりの器は深さがないので、普通はいけづらいのですが、例えば今回ように、ラナンキュラスをあえて方向をそろえずランダムに,葉やつぼみと一緒に飾ると素敵です。ほかにも、大きな一輪の花をかぶせるようにのせるのもおすすめ。ガラスの器は、陽の光があたる食卓に置くと、キラキラ透けてきれいですよ」
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【CASE4】和モダンな存在感で食卓にインパクトを
シンプルな美しさを湛える和の伝統工芸品は、食卓に置かれているだけで存在感を発揮します。今回取り入れたのは、錫で作られた<能作>の酒器。富山県高岡市の伝統産業である「鋳物」の加工技術を用いたモダンなデザインの器は、華やかな大輪の花と好相性。こちらの酒器には、水を注ぐと器の中に月が浮かび上がるという趣向をこらしてあり、横から見ても上から眺めても楽しめます。
「片口は、注ぎ口で花を支えられるので花をいけるのに向いています。今回は銀色の錫に真っ赤なダリアを合わせて、『和モダン』なイメージにしてみました。ダリアは茎を短めに切ってからいけるとバランスがよくなります。錫製の器はテーブルコーディネートでも重宝します。陶器と相性がよく、食卓にあるとアクセントになってコーディネートが締まりますよ」
◎シンプルなデザインの器には、大輪の色鮮やかな花を一輪だけ、というのがおしゃれ。
◎錫は陶器と相性がよく、テーブルコーディネートのアクセントになる。
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【CASE5】セット使いでテーブルに“動”をプラス
形の異なるアイテムをセット使いするのもおすすめです。使用したのは、職人が一つひとつ手で作る独創的なガラス製品が人気の<Sghr スガハラ>の酒器セット。美しいグラデーションとモダンな色使いが特徴です。今回はとっくりにアリウムを、お猪口にアオモジを飾りました。
「とっくりは縦長なので、茎の長い花をいけるのにぴったり。お猪口は植物の先端などを、ちょこんと切って挿すのに向いています。とっくりのような縦長の器には、垂直にいけるよりも、今回のアリウムのように、水平に流れるフォルムの花をいけると、テーブルの上に動きが出るのでおすすめです」
◎高さのあるとっくりには、茎が長くて動きのある花がおすすめ。
◎浅めのお猪口には、植物の先端をコンパクトに飾る。
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最後に大谷さんに、食卓・キッチンに花を取り入れる上でのアドバイスをいただきました。
「ぜひ固定観念にしばられず、いろいろなものにいけてみてください。意外な組み合わせが思いがけず素敵になることもあり、楽しいですよ。花は無理して豪華なものを購入する必要はありません。お庭やベランダなどの花や植物の先端を切ってさりげなく飾るだけでも、十分に素敵ですし、花や植物がちょこっとあるだけで、空間全体の雰囲気が明るく生き生きとします」
いつもの部屋、いつもの食卓に花が一輪あるだけで、ぐっと気分がアップします。花のある生活、始めてみませんか?
大谷優依さん
多摩美術大学環境デザイン学科卒業後、デザイン会社勤務を経て、スタイリストに。インテリアやフードなど、暮らしまわりに関わるスタイリング全般を手がける。「リンネル」(宝島社)、「&Premium」(マガジンハウス)、「LEE」(集英社)などの女性誌やライフスタイル誌、カタログ、広告などの媒体で活躍中。
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