2018.11.16
今注目の「口中調味(口内調味)」って知ってる? 三角食べは正しかった!
口中調味(こうちゅうちょうみ)という言葉を聞いたことがありますか? 読んで字のごとく、噛むことで生まれる味の変化を口の中で楽しむ食べ方のこと。聞きなれない言葉に、難しいことのようにも感じますが、実はこれ、日本人の食卓では昔から実践されてきた食事法なのです。ご飯やおかずなどを交互に食べ、よく噛んでゆっくりと味を混ぜ合わせることでその広がりを楽しむ口中調味。そのよさが、今改めて注目を集めています。
日本人特有の三角食べは美味しさを引き出す食べ方!
日本人が昔から行ってきたご飯や主菜、副菜などを交互に食べる、いわゆる「三角食べ」による口中調味。それがなぜ今、注目されているのでしょうか。食品化学や味わい教育に詳しい学習院女子大学の品川明教授に話を伺いました。
「口中調味が注目されたのは、その健康的なメリットがきっかけのひとつですね。口中調味を意識的に行い、口の中で変化する味わいを感じようとすることで、噛む回数が増え、唾液が増えます。それによって唾液中の酵素がより働くようになるため、消化や吸収を助けるようになるのです」
他にも、脳の満腹中枢が刺激され、食べすぎや塩分摂取過多を防ぐことができるなど、健康面でのメリットは大きいそう。
「それだけでなく、食事そのものを楽しめるというのも、口中調味の素晴らしい点です。これは世界中でも日本など一部の国の人だけができる食べ方だといわれています。たとえばフランス料理のコースだと、1品1品出てくるので、口中調味に向いているとは言い難い。。その点、一汁三菜が基本の和食なら、ご飯とおかずを一緒に食べるなど、口の中で生まれる味の変化を最大限に楽しむことができるのです」
口中調味を体感するのにふさわしいおすすめ5
食事がますます美味しくなるうえに、健康面での利点も大きい口中調味。その効果を感じるにふさわしい、味の変化を楽しめる5つのアイテムをピックアップ! 口の中でご飯とどの食材を混ぜ合わせるかで、味のバリエーションが広がります。
<六本木炭火焼肉An>一食で三度楽しめる贅沢焼肉弁当
農林水産大臣賞最優秀賞受賞歴ももつ沖縄県産の黒毛和牛「もとぶ牛」を使用した焼肉弁当、ビビンパ、温泉卵のせ弁当と、ひとつで3つの食べ方を楽しめる<六本木炭火焼肉An>の看板商品です。オリオンビール粕などで作られた発酵飼料で育てられたもとぶ牛は、柔らかく甘みのあるあっさりとした脂が特徴。最初は焼肉そのものの味を楽しんでから、ナムルやキムチ、温泉卵との組み合わせで、口の中でさまざまな味わいの変化を感じて。
<つきじ 鈴富>秋の旬を詰め込んだ海鮮の宝石箱
仲卸しの目利きで選んだ上質な天然本鮪の濃厚なうまみや、赤貝のコリッとした食感のほか、秋の味覚であるイクラや鯖、平目、銀杏、しめじなど、海の幸や山の幸を一緒に口の中で味わえるばらちらし。口中調味的ポイントは、こだわりの醤油。香りや塩気がまろやかな「自家製煮切り醤油」をかけると、素材の味そのものが引き立ち、よりうまみや味の変化を楽しむことができます。本格的な寿司店の味がテイクアウトできるので、お土産としてだけでなく、自分自身へのごほうびとしても最適な一品。
<柳香姫の台所妻家房>素材をじっくり味わえるビビンバ
もやしやぜんまい、にんじんや青菜など食感や味わいの異なるナムル、キノコなどを、ごはんやコチュジャンとしっかり混ぜ合わせることで、複雑な味わいを楽しめる秋限定のビビンバ。韓国産の銀杏やなつめ、えごまの葉が入った本格的な一品です。辛いのが苦手という人は、コチュジャンを醤油に変えてもOK。味の変化を楽しむなら、具材一つひとつを味わってから、しっかり混ぜ合わせていただくのがおすすめです。
<東京吉兆>7種の具が味わえる巻き寿司
日本で昔から縁起のいい数字とされる「7」種の具材を使った、東京吉兆で長く親しまれている七宝巻。具材は穴子タレ焼き、海老、かんぴょう、高野豆腐、きゅうり、どんこ椎茸、卵焼き。どれも上品かつそれぞれの具材のよさを引き出す味つけがされており、口中調味のおもしろさを体感するのにふさわしいメニューです。ご飯は新潟県岩船産コシヒカリを使用し、しっかりとしたお米のうまみが、具材の味をより引き立てています。自家製のガリと一緒にどうぞ。
<紫野和久傳>実山椒のさわやかな香りと辛さが牛肉のうまみを引き立てる
和煮(なごみに)とは、海の幸や山の幸に丹精に火を入れて風味を添え、美味しく食せるようにと料理人が仕上げた京の炊きもの。新商品「和煮 牛実山椒」は、若摘みの実山椒のさわやかな香りと辛さが厳選した京都府産の牛肉の味を引き立てる、噛めば噛むほどうまみが広がる一品です。卵〆にして新米の炊き立てのどんぶりにしたり、軽く火を通した野菜や、浅漬けの漬物と合わせたりとアレンジもおすすめ。老若男女問わず、味わう人の気持ちをそっと和ませます。
素材にこだわった料理で、噛むほどに感じる味の変化を楽しんで!
取材協力/品川明さん
学習院女子大学教授。東京大学大学院農学系研究科修了。農学博士。専門は水圏生物化学・生理生態学・環境教育・食物味わい教育。水辺の環境・生物の素晴らしさを体感する教育プログラムや、味わい教育・食物教育を子どもから小中高の教員および社会教育指導者まで幅広く伝えている。著書に『生活紀行』(学習院新書)など。
商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=旨の膳/六本木炭火焼肉An、つきじ 鈴富、柳香姫の台所、粋の座・和酒/東京吉兆、紫野 和久傳にてお取扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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