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2018.03.21

【魚のプロが解説】意外と知らない! サーモン、鮭、トラウト、マスの違いとは?

サーモンとマスの刺身のイメージ

上の写真、どちらがサーモン(鮭)かわかりますか?

正解は左。身が赤い右の切り身はトラウト(マス)です。ちなみに、サーモン=白いというわけではなく、食べる餌によって身の色は変わるそう。ここまでそっくりだと、今までマスをサーモンだと思って食べていたことがあるかもしれませんね。

サーモンの切り身とトラウトの切り身のイメージ

サーモンの切り身(左)とトラウト(マス)の切り身(右)

ちなみに切り身だとこんな状態。

左がサーモン。皮に赤いグラデーションが見える右はトラウト(マス)です。2つを並べて見比べると違いがわかるものの、単体で出てきたらちょっと見間違ってしまいそう。

見た目が似ているこの2つ。そもそも何が違うのでしょうか? 知っているようで意外と知らないサーモンの知識について、伊勢丹新宿店<東信水産>の高橋順一さんに教えてもらいました。

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【疑問①】そっくりなサーモンとトラウト。一体何が違うの?

東信水産の副店長、高橋順一さん

まずはそっくりなサーモンとトラウトの違いについて聞きました。

「魚種自体は異なりますが、どちらもサケ目サケ科に分類される魚で、実は白身魚なんですよ! エビやカニなどの甲殻類を食べるため殻に含まれた色素によって身が赤くみえるんです。どちらも今市場に出ているものは養殖されたものがほとんど。2種のいいとこどりをしたサーモントラウトという種もよく売られているので合わせてお答えしましょう」

サーモンとますのイメージ

サーモン(上)とトラウト(マス)(下)

●サーモン(鮭)

川で生まれて海を回遊する魚で、シロザケ、紅ザケ、キングサーモンなど6〜7種程度に分けられる。日本で販売している生の刺身はアトランティックサーモンが主。日本で秋鮭と呼ばれるものは主にシロザケで、新巻鮭と言われることもある。水揚げされた土地によって呼び方が変わることがあり、日本で獲れたキングサーモンはマスノスケと言われる。

●トラウト(マス)

細かく外来種も合わせると50〜60種に分けることができる。よく知られているのはニジマスやサクラマス。淡水魚で味が濃く、独特の臭みがある。基本的に生で食べることはできず、バター焼きやホイル焼きにされることが多い。養殖が多く天然ものはほとんど出回っていないが、天然の場合は春が旬。

●サーモントラウト

トラウトを品種改良したのが、サーモントラウト。淡水魚であるトラウトに対し、海の河口付近で養殖されています。生で食べられるといったサーモンの特性と、味の濃さといったトラウトの特性をいいとこ取りしているのが特徴。生で食べられるサーモントラウトは主に一度冷凍してから解凍されたものが流通している。

【疑問②】サーモンの旬はやはり秋? いいえ、実は初夏が美味しいんです!

サーモンの旬は秋というイメージがありますが、高橋さんによれば、脂がのっていて美味しいのは5〜6月ごろなのだそう。

「秋は川で産卵をするために陸地に近づいてくるので漁獲量が増えますが、筋子や白子に栄養が移ってしまっていて、身の脂は少なめなんです。たっぷり脂ののったジューシーなサーモンが食べられるのは初夏。時鮭と呼ばれるのはこの時期のシロザケです」

秋鮭はあっさりしていることが多いので、バターなどをのせて少し油分を足すとより美味しく食べられるんだそう。

【疑問③】サーモンといえばノルウェー産。その理由は?

ノルウェー産と書かれたサーモンのパッケージのイメージ

サーモンは日本国内だけでなく、南米チリや北欧など冷涼な気候の国々で養殖され、通年を通して安定的に供給されています。なかでもノルウェー産を多く目にするのは生産量が多いから。選ぶうえでもおすすめなんだそう。

「身がほどよくしまっていて美味しいのは北欧産のサーモンです。とくにノルウェー産は生産量が多く入手しやすいと思います。そのほか生産量が多いのは南米チリですが、生で食べられるものはあまり多くありません」

寄生虫対策のため、養殖されたものでもほとんどのサーモンは一度冷凍されていますが、ノルウェーの「オーロラサーモン」は一度も冷凍されず養殖場から48時間以内に空輸されており、生のまま食べられる大変貴重なサーモンなんだそう。ちなみに、その他の産地としてロシアや北米でも養殖されているようですが、現地で消費されることが多いため日本に輸入されることはあまりありません。

【選び方】美味しいサーモンを見分けるプロのコツ

●サーモン選びのコツ① 鮮度は「血合いの色」で見極める!

サーモンの切り身のイメージ

サーモンの美味しさを大きく左右するのが、その鮮度。フレッシュなサーモンを選ぶためには、身の色に注目してみることが大事なのだそう。

「よく、白い線の入り方によって身の良し悪しが決まるのではないですかと聞かれますが、これは筋肉の目なのでほとんど関係ありません。美味しい切り身を選びたいときはまず身全体の色合いを見ましょう。あざやかな赤色をしていればOKです。鮮度が落ちたり水に当たってしまったものは白く変色しています。ドリップが出ていないかチェックすることも重要です。切り身の場合は血合いにも注目。ここが黒く変色しているものは鮮度が落ちています」

とくに秋鮭は鮮度が落ちるのが早いため、よく見極めて買うようにするといいそうです。

●サーモンの選びのコツ② 脂がのった身が好きなら、カマの近くがおすすめ!

体長が長い分、サーモンは部位によって味わいが異なります。

「脂がのった身が好きな方にはカマの近くがおすすめです。うまみたっぷりのジューシーな身を味わえますよ。さっぱりしているのがいいという方には尾の近くをおすすめしています。こちらは骨が少なく食べやすいというメリットもあります。どちらが美味しいというよりも好みの問題だと思いますのでお好きな方をお選びください。ただし切り身を見ても、カマの近くなのか尾の方なのかを見極めるのがとても難しいと思います。気になる方はぜひ店頭できいてください!」

通年手に入るうえ、刺身でも火を通しても美味しいサーモン。身近な魚ですが意外と知らなかったこともたくさんあったのでは? サーモンの豆知識、次に食べるときにはぜひ思い出してくださいね!

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鮭のムニエルのレシピ~洋食店のように仕上げる焼き方のコツ 【シェフ直伝】

文: 大川祥子

写真: 矢野宗利、Gettyimages(3枚目)
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

バイヤー・スタイリスト / 高橋順一
伊勢丹新宿店<東信水産>の副店長。魚を見極めて20年以上。刺身でも焼いても蒸しても美味しいアジが好き。お客さまの好み、目的に合った鮮魚の提案を心がけています。

商品の取扱いについて

記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=フレッシュマーケット/東信水産にてお取扱いがございます。 

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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