2015.05.03
知れば愛おしさ倍増。ウガンダ産の「バニラ」が日本に届くまで
アイスクリームにシュークリーム、そしてプリン……。甘い香りづけとしてお菓子作りに欠かせないのが、バニラビーンズです。
たとえば、ほおばったシュークリームのカスタードに、思いがけずバニラビーンズのツブツブが入っているのを見つけたら、つい心のなかでニンマリしてしまいますよね。そんなスイーツ好きをちょっぴり幸せな気分にさせてくれる、かわいくておなじみの材料が、遠くはアフリカのちょうど真ん中に位置する自然豊かな国・ウガンダでも生産されているのをご存知ですか?
途上国だからこそ、できる農業がある
ウガンダのバニラに可能性を見出したのは、《百年先も続く、農業を。》をスローガンに掲げる野菜提案企業「坂ノ途中」です。同社は2012年から環境負荷の小さい持続可能な農業を広める『ウガンダオーガニックプロジェクト』の一環として、ウガンダバニラの買い取りと日本への輸入を開始。その栽培方法や加工工程、そして生産に携わる人々に魅了され、もっと日本国内にも広めたいと思ったのだそうです。
バニラは「世界でもっとも手のかかる作物」
もともとウガンダは、バニラ生産国のひとつ。バニラビーンズが持ち込まれたのはイギリス植民地時代といわれており、以後、盛衰を経ながら今日まで生産が続いています。バニラは「世界でもっとも手のかかる作物」といわれるほど繊細な生育環境を必要とする作物。栽培自体に手がかかるだけでなく、あの独特の香りを出すための加工工程には、気が遠くなるほどの手間がかかっています。加工前の生のバニラビーンズ(写真上)には、まったく香りはありません。それを選り分け、水洗いし、たっぷりの湯でゆがいたあとは、専用の毛布にくるんで48時間、倉庫で寝かします。その後、2〜3時間の天日干し。丁寧に並べて広げる……、そしてまた毛布にくるんで倉庫へ……という、時間も手間もかかる作業が、なんと3カ月も繰り返されるのだそう。この面倒な工程を経て、豆がほどよく発酵し、あの甘い香りが生成されるのです。
森と共存するから、やさしく、繊細に
さらにウガンダのバニラは、栽培方法もまた特徴的。樹木を植栽し、その木々の間で農作物や家畜を栽培・飼育する「アグロフォレストリー」によって栽培されているのです。アグロフォレストリーとは「アグリカルチャー(農業)」と「フォレストリー(林業)」を掛け合わせた言葉で、森林農業という意味。バニラ栽培と森を共存させることで、森を育て、守っているのです。
その一方、バニラ自身も森のなかで多種多様な植物と共存することで、やさしく、繊細な香り放つバニラの実が育まれるのだとか。
このように、手塩にかけて育てられた「ウガンダの森で育ったバニラビーンズ」。伊勢丹新宿店では、5月6日(水)から販売スタートします。2本入、692円(税込)。アフリカの大地に想いをはせながら、この豊潤な甘い香りを実際に楽しんでみてはいかが?
商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=プラ・ド・エピスリーにてお取り扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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