2017.09.02
ワイン知識ゼロでもピンとくる! 超基本の5トピックをソムリエが解説
ワイン超ビギナーの編集担当です。奥が深〜いワインの世界。いつか詳しくなりたい! とずっと思っています。しかし、ワインの入門書や雑誌を読んでも途中で挫折……。専門店で頑張って選んだワインを飲んでも、飲んだ先から特徴を忘れてしまう……。そこで今回、そんな私でもワインの世界がざっくり理解でき、知ったかぶりしていた今さら聞けない最低限の知識をソムリエに教えてもらいました! ワインの世界の扉が開く、超基本の厳選5トピックをおさえれば、ワイン好きが何を語っているか、なんとなく理解できるようになるはず……。教えてくれたのは伊勢丹新宿店グランドカーヴのソムリエール、苅部恭子さんです。
押さえておくべきはこの5トピック!
1.ボルドーとブルゴーニュから入るのが、やっぱりわかりやすい
2.ボルドーが「王道」な理由とは
3.ワイン好きがよく口にする「左岸」「右岸」って?
4.ヴィンテージ=古い の意味ではない
5.「当たり年」のワインだけが高いとは限らない
1.ボルドーとブルゴーニュから入るのが、やっぱりわかりやすい
ワインが語られる際によく耳にする、ボルドーとブルゴーニュ。ソムリエール苅部さんによれば、その2つを覚えることでワインの味の傾向が理解しやすくなるんだそう。
「赤ワインには多くの産地がありますが、最初に覚えておくといいのが、フランスボルドー地方とブルゴーニュ地方の2つ。この2つの地方のワインは、対照的な味わい。知っておくことで、さまざまなワインの味の傾向をざっくりと理解しやすくなります。ボルドーは一般的に、渋みが強く飲みごたえがあるのが特徴。対してブルゴーニュは、軽やかで華やかな風味が特徴です。この2傾向を覚えるだけでも、お店でワインを選ぶ際の参考になりますね。また、それぞれに使われているブドウも覚えておくと便利。ボルドーで使われるブドウ品種は主にカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロー。ブルゴーニュは主にピノ・ノワールです。これらのブドウは、世界各地でも使われているため、フランス以外の産地のワインを選ぶ際にも、ブドウの品種を見ることで味わいの傾向をつかむことができます」
味わい:渋みが強く飲みごたえがある
ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー等
味わい:軽やかで華やかな風味
ブドウ品種:ピノ・ノワール等
2. ボルドーが「王道」な理由とは
これも、なんとなく持っているイメージですが……やっぱりワインと言えばボルドーが「王道」という雰囲気を感じます。その理由についても苅部さんに聞いてみました。
「ボルドー地方で造られるワインが『王道』として語られる理由は、ワインの『格付け』と深い関係があります。1855年のパリ万博でボルドーワインの美味しさを世界に広めるために発表された『格付け』は、第1級〜第5級に分かれており、1級ほど、より評価が高く、高値で取引される傾向にあります」
3.ワイン好きがよく口にする「左岸」「右岸」って?
これも、よく耳にするものの理解できていなかったワードのひとつ。場所だということはわかるのですが、右岸、左岸って一体何のことなんでしょうか。
「これは、ボルドー地区のエリアを示す言葉。ボルドーは、ドルドーニュ川とガロンヌ川を境にして、大きく右側と左側に分けられます。この右側のエリアを『右岸』、左側のエリアを『左岸』というんです。よく語られる理由は、それぞれにワイン造りに使用するブドウの品種が違うからです。右岸ではメルロー主体の赤ワインが造られることが多く、対して左岸のメドック地区ではカベルネ・ソーヴィニヨン主体の赤ワインが造られることが多いです」
使っているブドウの品種が違うから、エリアで味の想像がつけやすいということなんですね。また、トピック2で教えてもらった1級に分類される「格付け」ワインは左岸に位置しています。
4.ヴィンテージ=古い の意味ではない
これもまた、怖くて足を踏み入れられないキーワード、ヴィンテージ。ものすごく古いワインに、ものすごい価格がついていることってありますよね? 一体どんな基準で価値が決まるんでしょうか……。
「『ヴィンテージ』って古いものだと勘違いされている方が多いのですが、これは単にブドウの穫れた年を指す言葉。例えば2017年に獲れたブドウを使ったワインは『2017年ヴィンテージ』といった具合に使われます。対して、いわゆる年代の古い、長期間熟成されたワインは『オールドヴィンテージ』と言って区別します。古いワインの価値は、希少性や熟成具合、エリア、その時の市場状況などさまざまな要因で決まっていきます」
ちなみに、この「ヴィンテージ」が表示されないシャンパーニュもあります。穫れた年の異なるブドウをブレンドしているため表示しないんだそう。シャンパーニュ地方はフランスの北部に位置し、気候は冷涼。ブドウの安定的な栽培は難しい地理条件ゆえ、穫れた年の異なるブドウをブレンドして一定の味わいを保っているんだそうです。
5.「当たり年」のワインだけが高いとは限らない
「ボージョレ・ヌーボーの季節が近付くと、今年は当たり年だったとか、いまいちだったとかという話を聞きますよね。気候に恵まれた質のいいブドウが穫れた当たり年は『グレートヴィンテージ』と言いますが、グレートヴィンテージのワインの値段が高いかというと、一概にそうとは言えません。なぜなら、グレートヴィンテージ以外の赤ワインも熟成することで味わいが変化し、価値が高まることがあるからです。まず、20〜30年と長く熟成させている間に、その年のワインはどんどん市場から減っていくため、希少価値は高まりますよね。さらに熟成で美味しくなったとなれば需要も高まるので、売り出した当初とは比べものにならないほど、価格が高騰していきます。熟成次第で価値が大きく変わることも、ワインの面白さのひとつですね」
ボルドーの味わいを知る、2007年ヴィンテージ飲みくらべセット
「ボルドー」「ヴィンテージ」「熟成」とこれまで記事で触れてきたトピックを体感できる、ワインの飲みくらべセット。2007年に穫れたブドウを使用し、10年熟成させた2007年ヴィンテージのワイン、いずれもボルドーで造られた6本セットです。
この年のブドウはほぼ全般に素晴らしい出来ばえで、洗練されたエレガントな味わいが特徴。ボルドー地方6つのシャトーの味わいを体験すれば、「ボルドーってこんな味の傾向なんだ」と味わいの基準が持てるはず。
催物のご案内/商品の取扱いについて
伊勢丹オンライン『秋のワイン・洋酒・日本酒・TSUMAMI 通信販売』 では、さまざまな切り口のワインセットを中心に、日本酒・ビール・焼酎からおつまみまでご紹介しています。
開催期間:2017年9月2日(土)午前10時~10月16日(月)午前10時
伊勢丹のワイン・洋酒サイト『Grande Cave Online』では、オンラインショッピングをはじめ、プロモーション・イベント情報など、旬なワイン情報をお届けしています。
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