2017.05.22
【魚のプロ】生かつお(鰹)のたたきレシピ。味と香りはたたいてなじませるのが正解!
5~6月の初夏には身が引き締まってさっぱりいただける「初がつお」、9~10月には脂がのって味わい深くなる「戻りがつお」が登場します。魚の売り場では柵(さく)のままで売られることが多く、かつおの定番メニューといえば「かつおのたたき」ですよね。
かつおのたたきの意味とは、「表面を火で炙る調理法のこと」だと思われがちです。実はその考えは間違いだって知っていましたか? そこで今回、正しい「たたき」の意味と正しいレシピを学ぶべく、伊勢丹新宿店の魚のプロ<東信水産>石戸宏さんに教えてもらいました。記事の最後には、鮮度のいいかつおの選び方(見分け方)も教えてもらったので、最後までお見逃しなく!
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「皮を炙る=たたき」は間違い! かつおに味や香りをまぶし「たたいてなじませる」から「たたき」なんです
「かつおのたたきの本来の意味は、皮をパリッと炙ったかつおに、塩やポン酢、薬味などをのせてから、押さえて(=たたいて)味をなじませることです。ただ薬味をのせるだけだと、かつおに味と香りがきちんとなじみません。漁師の中には、皮を炙ったかつおのさくに塩や薬味をまぶして、『たたき』の名前の通り、包丁の腹などでパンパンたたく人もいるくらいなんです」
味と香りがなじんで美味しい! 「かつおのたたき」の作り方
<材料>(作りやすい分量)
- 生かつお(皮つき刺身用・皮目を炙ったもの)…1さく
- 塩…2つまみ
- ポン酢しょうゆ…適量
- 【薬味】
・にんにく(薄切り)…1かけ分
・玉ねぎ(薄切りにして水にさらす)…適量
・みょうが(せん切り)…適量
・貝割れ菜…適量
・万能ねぎ(小口切り)…適量
<作り方>
1)かつおは1~1.5cm幅に切る。塩をふって軽く押さえて(=たたく)なじませ、1~2分おく
「塩をふることでかつおの余分な水分が出て、身が締まります。また、さくのまま塩をふるより、切ってから塩をふったほうが、早く塩がまわります」
2)全体にポン酢を軽くふり余分な塩を流す。
「ポン酢をかけて塩を洗い流すことで、適度に塩味が残りつつ、ポン酢の味がかつおになじみ身が締まります。これは板前がよく使うプロのテクニックなんです」
3)薬味をちらし、好みでポン酢をかけて、軽く押さえて(=たたく)なじませる。
これが正しく作った「かつおのたたき」。強いうまみ、薬味とポン酢が一体に!
薬味がたっぷりとのったかつおを食べてみると、かつおの強いうまみと薬味がよくなじんでいて、たたいたからこその美味しさを実感します!
「初夏の初がつおは、秋の戻りがつおに比べて脂は少なめでさっぱりした味わいですが、かつお独特のうまみはとても強く、食感はややもっちりして弾力があります。今回はポン酢をかけましたが、塩だけで食べてみると、より持ち味がわかりますから、試してみてください」
【かつおの選び方】鮮度の良さは「鮮やかな赤色」かをチェックすべし!
かつおは季節によって違う美味しさが楽しめる魚です。新鮮なかつおの選び方(見分け方)もアドバイスしてもらいました。
【さく(柵)で買う場合】
かつおは刺身でもサクでも、身が鮮やかな赤色のものを選びましょう。鮮度が落ちたものは、身も血合いも黒っぽい赤色になってきます。
【一尾で買う場合】
かつおの胴周りは、より丸みをおびているもの。エラや口先はピンクがかっているものは脂がのっている証拠なので、おすすめです。
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家庭でかつおを炙る場合、フライパンではなく「直火」で
かつおのさくに金串3~4本かフォーク2~3本を刺して、皮目を直火で炙る。焼き網や魚焼きグリルの網を使って焼いてもOK。皮から2㎜ほどの厚さまで身が白くなったら火から外して自然に冷ます。身を締めたい場合は、氷水につけるとよい。
「炙るときはフライパンで焼くのはNG。皮をパリッと焼くのが難しく、身にもじんわり火が通ってしまいます。食べたときの弾力が悪くなってしまうので、避けたほうがいいでしょう。火加減は必ず強火で一気に炙るのがコツ。炙ったあとは、水につけるか自然に冷ましてもいいです」
商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=フレッシュマーケットにてお取扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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