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2017.05.03

【プロが選び方を解説】日本茶の4名産地とは? 宇治茶、狭山茶、あと2つは? 甘みと渋みどちらが好き?

日本茶テロワールで扱う茶葉4種類

ふだん飲むことの多い、身近なお茶「緑茶」。でも選び方って意外に知らないもの。宇治、狭山など産地の名前は聞いたことがあっても、味の特徴までは知らないということも……。甘みが際立つものから、渋みをしっかり感じるものまでタイプはさまざま。

そこで今回は、好みのお茶を見つける選び方を、お茶のプロ、伊勢丹新宿店<日本茶テロワール>の今中寛之さんに教えてもらいました。

【産地を知る】4つの日本茶の名産地の味わいの特徴を解説!

緑茶選びのひとつの基準となるのが産地。数多くの産地があるうえ、同じ産地の中でも味に違いがありますが、ここでは、お店で目にすることの多い、4つの名産地に絞り、それぞれの味の特徴を解説。甘み、渋み、香りなど、重視したい要素に注目して選んでみると、好みの味わいのお茶が見つけやすいはず。複数の産地を飲み比べてもいいかもしれません。

▼覚えておきたい!4つの名産地

  1. 京都府「宇治茶(うじちゃ)」
  2. 静岡県「川根茶(かわねちゃ)」
  3. 埼玉県「狭山茶(さやまちゃ)」
  4. 鹿児島県「知覧茶(ちらんちゃ)」

では、ひとつずつ詳しくご紹介していきましょう。

【名産地①】京都府「宇治茶」キレよりも甘さ。マイルドで香り重視

日本茶テロワールの桑原善助商店 宇治煎茶 霧のお茶、茶葉、パッケージ

<日本茶テロワール>桑原善助商店 宇治煎茶「霧」(100g入)1,620円(税込)

古くからお茶の名産地である京都・宇治。抹茶や玉露を作る茶園も多く、日本茶文化が深く根付いた地域で、キレよりも甘さを重視したお茶づくりが行われています。

「宇治茶はトゲがなく、マイルドな味わいが魅力。上品で香りがよく、甘みがあります。香りを重視する傾向がある外国の方には宇治茶をすすめることが多いんですよ。ソフトな印象なので、リラックスしたいときや、おもてなしにもいいと思います」

【名産地②】静岡県「川根茶」甘みも苦みも味わえる、バランスがいい

川根茶のお茶、茶葉、パッケージ

<日本茶テロワール>静岡 川根茶 「霧」(100g入) 1,620円(税込)

お茶どころ・静岡県を代表する「川根茶」は、店頭でも人気が高い産地。

「甘みがあり、まろやかな味わいでありながら、ほどよい苦みと渋みも味わえるバランスのよさが魅力。70度くらいのお湯で淹れるとマイルドに、80度くらいで淹れるとキリッとした味わいになるので、淹れ方で表情を変えられるのも特徴です。日本茶らしい渋さも感じられるので、目覚めの一杯にも最適」

【名産地③】埼玉県「狭山茶」香ばしくて渋みが強い

むさしの万葉のお茶、茶葉、パッケージ

<日本茶テロワール>埼玉 狭山茶 むさしの万葉「雪」(100g入) 1,080円(税込)

茶を栽培する地域としては北にあり、厳しい冬の寒さを越して作られる狭山茶。狭山独特の強めの火入れで生まれる香ばしさが特徴です。

「日本茶としての味の深みがあり、強い火入れで香ばしく仕上がるのが特徴。熱湯でサッと淹れると、香ばしさがより際立ってきます。そこまで主張が強くない味なので、食事のときに飲んでも食べ物の味を邪魔しません」

【名産地④】鹿児島県「知覧茶」うまみがあって濃厚な

日本茶テロワールの知覧茶 雪 のお茶、茶葉、パッケージ

<日本茶テロワール>鹿児島 知覧茶「雪」(100g入)1,080円(税込)

南国の温暖な気候で育まれる知覧茶。うまみを重視して作られているため、とても飲みやすく、日本茶が苦手な人にもおすすめだとか。

「まったりとした甘みとコクが味わえます。カステラなど卵・バターを使った洋菓子にも負けない濃さがあるので、おやつのお供にも向いています」

【日本茶選びのコツ】産地は「山」か「里」か? 茶葉の環境に注目すると味が見分けやすくなる!

日本茶テロワールの日本茶4種類

4つの産地以外のお茶も選びたいというときは、「お茶が育った環境」に注目するのもひとつの手だと、今中さん。

産地 環境・味わいの特徴
山で育ったお茶 【環境の特徴】 
冷涼な気候と日照り量の関係から、茶葉の成長がゆるやか。カテキン生成が抑えられる傾向に
【味わいの特徴】 
茶葉の味をストレートに残す浅蒸しで仕上げられることが多く、水色(すいしょく)も薄めでクリア。渋みのもとであるカテキンが少なく、すっきりとした味わい
【新茶が登場する時期】 4月下旬
里で育ったお茶 【環境の特徴】 
成長が早く、カテキンが豊富で肉厚な茶葉に育つ
【味わいの特徴】 
深蒸しで仕上げられるため、渋みがマイルドになる分、香りはおとなしめ。茶葉が細かいので、淹れたときに成分がしっかり抽出され、濃厚な味わいに
【新茶が登場する時期】 5月に入ってから

山で育った茶葉は、渋みのもとであるカテキンが少なくすっきりしたお茶に、里で育った茶葉は、カテキンが豊富で色も味も濃厚なお茶に仕上げられる傾向があるのだとか。

「山間地は冷涼な気候と日照り量の関係からお茶の成長がゆるやかに。成長過程で増加するカテキン生成が抑制される傾向があります。茶葉の味をストレートに残す浅蒸しで仕上げられることが多く、水色(すいしょく)も薄めでクリア。すっきりとした味わいです」

一方、里のお茶は成長が早く、カテキンが豊富で肉厚な茶葉に育つのが特徴だそう。

「深蒸しで仕上げられるため、渋みがマイルドになる分、香りはおとなしめ。茶葉が細かいので、淹れたときに成分がしっかり抽出され、味わいが濃厚になります」

ちなみに里のお茶は4月下旬、山のお茶は5月に入ってから新茶が登場。名産地の特徴と合わせて、選ぶ際の参考にしてみてください。

文: 西島恵

写真:菅井淳子
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

バイヤー・スタイリスト / 今中寛之
<日本茶テロワール>伊勢丹新宿店に配属になり14年。以来ずっと日本茶を担当し、日本茶インストラクターの資格ももつ。休みの日はお茶屋へ行き、趣味で製茶もするほどの日本茶好き。

商品の取扱いについて

 記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=茶の道/日本茶テロワールにてお取扱いがございます。また、伊勢丹オンインストアでは、<日本茶テロワール>の一部商品をお取扱いいたしております。

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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