2017.05.04
イッタラ、アラビアetc.北欧食器の定番ブランドを徹底解説
長く続いている北欧雑貨や北欧インテリアのブーム。とりわけ、世界的に人気を牽引してきた伝統的なブランドの<イッタラ>、<アラビア>、<ロールストランド>の食器はデザイン性と品質に優れた「日常の器」であり、北欧のプロダクトデザインに根付く「気に入ったものを長年大切に使う」という考え方でも、多くのファンを生んでいます。
今回は、そんな北欧を代表する3ブランドの代名詞的なアイテムを詳しくご紹介します。
ブランド一覧
【iittala(イッタラ)】
Aino Aalto (アイノ・アアルト)
Teema (ティーマ)
Origo (オリゴ)
Kastehelmi (カステヘルミ)
【ARABIA(アラビア)】
Paratiisi(パラティッシ)
24h TUOKIO(24h トゥオキオ)
【Rörstrand(ロールストランド)】
Mon Amie(モナミ)
【iittala イッタラ】一生使えるインテリアデザイン
1881年、フィンランドのガラス工房として誕生した<イッタラ iittala>。北欧デザイナーの代表的存在であるカイ・フランクとアルヴァ・アアルトのデザイン理念は、「単独でも個性豊かなデザインでありながら、自由な組み合わせが可能で、用途が広い製品」。その理念に基づいて創られた製品は、時代を超えた普遍性を持ち続け、多くの人々の暮らしに豊かさをもたらしています。
ガラス製品は人体に害のない無鉛ガラス。日常使いに堪えうる強度もあり、磁器は時代とともに電子レンジや食洗機にも対応するなど、安全面や機能面でも革新的な取り組みを行っています。
◆Aino Aalto (アイノ・アアルト)
デザイナーのアイノ・アアルト自身の名を冠した、機能美を極めたグラスウェアシリーズ。女性らしいしなやかな感性によって生み出された「水の波紋」を思わせるデザインは、誕生した1932年にデザインコンペで賞を獲得。その後ミラノ・トリエンナーレ展で金賞を受賞したことで一躍有名になりました。誕生から80年以上経た今なお世界中で愛され続ける、<イッタラ>のデザイン理念の象徴です。
サイズ違いのタンブラーとハイボールは5色展開。等間隔に刻まれた溝は手から滑らずしっくりとなじみ、デザインとしての美しさだけでなく機能性も秀逸です。
◆Teema (ティーマ)
「限りなくシンプルなデザインを自由に組み合わせて使う」という北欧食器のスタンダードコンセプトの礎ともなった器「ティーマ」。1948年にデザインされた名作・キルタシリーズをベースとし、デザイナーのカイ・フランクみずからがデザインや機能面を改良してきました。飽きのこない簡素なデザイン、豊富な色味とサイズとアイテム、そして実用性、耐久性の高さから、「一生付き合える器」です。北欧の食器に親しむファーストチョイスとしてもおすすめ。
究極にシンプルなフォルムでどんな食卓にもなじむマグカップ。口あたりやさしく、手にしっくりとなじみます。6色展開で、容量が100ml多い0.4Lタイプは4色展開。ライフスタイルに合わせて選び、買い足す人が多い人気の品です。
5種類の豊富なサイズ展開の「ティーマ」のプレート。リムが立ち上がった溝のないデザインは、すっきりと美しく、スタッキングもできる優れもの。一番大きな26㎝プレートに、一人分の朝食や昼食を盛り合わせるワンプレート使いも人気です。スクエアタイプもあり。
◆Origo (オリゴ)
1999年に誕生し、瞬く間に世界中で人気となった<イッタラ>の新定番オリゴは、たくさんの色が入ったストライプが印象的なシリーズ。そのデザインの原点は、デザイナーのアルフレッド・ハベリが飛行機から目にした美しい虹です。カラフルだからこそ、「ティーマ」などのさまざまなカラーの器ともマッチします。
デザートボウルは朝食のシリアルやヨーグルト、ランチのスープやサラダ、お子さまや女性なら丼などにも最適なサイズ。料理を盛ったときはもちろん、重ねて収納する姿もとても美しく、食卓だけでなく食器棚までも明るくなります。
欧米ではエッグカップとして使う人が多い、とても小さなカップ。大皿や木のボードにたくさん乗せたパーティ向けのスタイリングや、日本酒を飲むお猪口にも、ちょうど良い大きさです。
◆Kastehelmi (カステヘルミ)
カステヘルミは1964年から1988年まで生産され、2010年に復刻された人気のグラスウェアシリーズ。カステヘルミとはフィンランド語で「しずく」を意味します。デザイナーのオイバ・トイッカが、陽を浴びてきらきらと輝く朝露に着想を得てデザインしました。光を受けて輝く様は思わずため息がこぼれるほどの美しさで、ガラス工房として誕生した<イッタラ>の気概が感じられる作品です。
17cmのプレートは、オードブルやフルーツ、デザートなどを盛ったり、サラダの取り分け皿にしたりと使い勝手の良いサイズ。一人盛りのお刺身や、お寿司などを盛っても素敵です。
しっかりと深さのある「カステヘルミ」のボウル。とりわけクリアは清涼感があってフルーツやシリアル、ヨーグルトなどを盛るのにぴったりです。オブジェのよう繊細な美しさを持ちながらも、重ねて収納できる丈夫さは嬉しい限り。
色あせない個性が輝く【ARABIA アラビア】
<アラビア ARABIA>はスウェーデンのロールストランド社の子会社として1873年にフィンランドのヘルシンキ郊外・アラビア地区に設立された陶器メーカー。1916年にローストランド社から独立し、現在は<イッタラ>と同じグループのブランドとして生産を続けています。カイ・フランク、ビルイエル・カイピアイネンなど屈指のデザイナーが個性をいかんなく表現した作品は、シンプルながら温もりを感じさせるデザイン。普遍的な輝きを今も放っています。1950年代からはトーベ・ヤンソンが生み出した童話「ムーミン」とコラボレーションし、世界中のムーミンファンに喜ばれています。
◆Paratiisi(パラティッシ)
「陶芸界のプリンス」「デコレーションの王様」と称されたビルイエル・カイピアイネンによるデザインの「パラティッシ」は、一切の無駄を省いたフォルムの中に、色とりどりの花や果実が伸び伸びと描かれたシリーズ。1969年の誕生以来その普遍的な美しさは世界中の人々を魅了し、その名の通り「楽園(=パラティッシ)」へといざない続けてきました。見ているだけで心満たされる美術品を普段使いにするような、贅沢な気分に浸れます。
どの角度から眺めても美しい絵柄が途切れないコーヒーカップ&ソーサー。カップ同様に模様が全面に施されたソーサーは、溝のないフラットな作りでパンプレートやデザートプレートとしても使え、セパレートしてコーディネートができる点も人気です。
プレートで人気なのは、インテリアとして飾っても存在感たっぷりの楕円形。この一皿をコーディネートの主役にすえ、他は白い器などでシンプルにまとめてもテーブルが十分華やぎます。
◆24h TUOKIO(24h トゥオキオ)
フィンランド語で「瞬間」を意味する「24h トゥオキオ」。アラビアで活躍したデザイナーのヘイッキ・オルボラが手掛けたシリーズ「24h」のデザインをベースに、ヘルシンキで活動するヘロリンネ&カッリオの二人が手描き風タッチのようなデザインを施したシリーズです。グラデーションがかった藍色のタッチはどこか和の趣があり、人の温もりが感じられる器です。
ヴィンテージものの器のような味わいがあるカップ&ソーサー。デザインも甘すぎず、男性が手にしてもしっくりとなじみます。スープカップやデザートカップとして使うと、また違った魅力が引き出されます。
白と藍のコントラストが美しく、果物をそのまま乗せるだけで静物画のような佇まいのボウル。「24h」シリーズの「シンプルなフォルムで24時間どんな時も使いたくなる」という特徴は、日本のあらゆる食事シーンにもマッチします。
深さは4㎝ほどあり、汁気の多い料理を盛るのにも最適なディーププレート。真ん中にメインディッシュを小さく盛り、余白をソースで彩るような使い方をしても素敵です。
ノーベル賞晩餐会でも使われている【Rörstrand ロールストランド】
<ロールストランド Rörstrand>は毎年ストックホルムで行われるノーベル賞晩餐会で食器が使用されることでも知られる、歴史ある食器メーカー。1726年の創業から300年もの間、スウェーデンを代表するデザイナーたちが芸術性を大切にしながら、「良質な趣味」とも呼べる数々の名食器を生み出してきました。<イッタラ>や<アラビア>の器の白色はアイボリー系で親しみやすいのに対し、<ロールストランド>の器の白色は純白で、気品に満ちているのが特徴です。
◆Mon Amie(モナミ)
フランス語で「私の友人、恋人(=Mon Amie)」という意味が込められた、スウェーデン磁器の母と称されるデザイナー、マリアンヌ・ウェストマンが1950年代に生み出した「モナミ」。約30年後に廃盤となっても、ヴィンテージ市場では古典的な銘品として世界中で高い人気を誇ってきましたが、2008年にマリアンヌ自身の手によってリ・デザインされ復刻。一面に施された青い花のモチーフは、今やロールストランドのトレードマークとも言える存在感です。
リ・デザインされて最初に復刻したのは、リムがすっきりと立ち上がった食卓映えする18㎝のサラダプレート。一面に施された藍色の花模様は、野の花々を束ねたかのような素朴な愛らしさを持ちながら、凛とした落ち着きがあります。
容量が500mlもあるティーカップは、さまざまな用途にも使えると大人気。サラダプレートの18㎝をソーサーとして組み合わせるのも素敵です。
商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館5階=キッチン・ダイニングにてお取扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
Ranking
人気記事ランキング