2017.04.28
手作りでしか味わえない絶品本わらび餅レシピ。「本物」は黒かった! 本わらび粉の秘密。
わらび餅といえば、見た目はきれいな白の半透明……というイメージでした。でも、見てください、この漆黒の物体こそが「本物」のわらび餅。実は本わらび粉で作ると、こんなに黒々と仕上がるんです!
和菓子店でもあまり見かけないこの本わらび餅、一体どんな味なのか気になりますが……。本物ならではの美味しさを味わうには、実は「できたて」がベスト。しかも作り方は驚くほど簡単なのだとか。
ならば、自分で手作りしてみよう! というわけで、本わらび餅のレシピを製菓・製パン材料の専門店<クオカ>の木下舞さんに教えてもらいました。
※現在、店名を<クオカ>、<クオカ×トミーズ>を改め、<富澤商店>として営業しております。
わらび餅=「わらびの粉でできている」ではない!?
「わらび餅」と「本わらび餅」。その違いは何なのでしょうか? 実は一般的に「わらび餅」という名前で呼ばれているものの原料は、「わらび粉100%」ではないのだそう!
「本物のわらび粉は、わらびの根からごく少量しかとれないため、非常に貴重です。そのため一般的に『わらび餅』と名が付いているものは、実は「わらび粉100%」ではなく、さつまいもなどのでんぷんをメインに使っているものがほとんど。もちろんそれでも十分美味しいですが、やはりわらび粉だけ=本わらび粉を使った『本わらび餅』は全然違うんです」
<クオカ>で扱われているわらび粉と本わらび粉の金額の差はなんと6倍以上……! 本わらび粉がいかに貴重なものかがよくわかります。
究極の美味しさを味わうなら作りたて30分以内に!
さらに、本わらび餅を楽しむならできたてに「勝るものはなし!」。本わらび餅は時間が経つほどに口溶けが悪くなってしまうため、お店で作られたものでもできたての食感はなかなか味わえないとか。
「口の中で溶けていく独特の食感は、本わらび餅といえどもできたてでしか味わえないもの。だからこそ『手作り』がおすすめなんですね。冷蔵庫で冷やす時間も実はもったいないので、粗熱がとれて冷めたらすぐ、それこそ30分以内に食べてしまうのが、一番なんです!」
貴重な本わらび餅を手作りしてみよう!
[材料(4人分)]
- 本わらび粉…50g
- 水…250ml
- グラニュー糖…100g
- きな粉…適量
- 黒みつ…適量
[作り方]
①ボウルに本わらび粉を入れて水を少しずつ加え、粉のかたまりを指で軽く握って潰しながら溶かしていく。
「粉のかたまりが残っているとダマになってしまいます。水溶き片栗粉のように、サラサラになるまで潰しましょう」
②①をざるで濾しながら鍋に入れ、火にかける前にグラニュー糖を加えて溶かす。
「①でしっかり潰したつもりでも、小さなかたまりが残っています。それをざるでしっかり濾します」
③鍋を中火にかけ、木ベラの面を鍋肌に沿わせるようにかき混ぜながら煮る。生地が半透明になり艶が出て、強い粘りが出てくるまで力をこめて混ぜ続ける。
「最初はサラサラの液体ですが、かき混ぜ続けていくうちにあっという間に粘度が増していくので、手を止めないでください。次第に鍋肌に粘りのあるわらび餅が貼り付いてきます。それを木ベラでさらい、鍋の中で大きな円を描くように勢いよく混ぜましょう。底から返すように混ぜてしまうと、うまく粘り気が出ません」
④③を、きな粉を敷いたバットの上に移し、上下まんべんなくきな粉をまぶす。まだ温かいうちにひと口大にちぎる。※やけどに注意。
「黒々と艶が出た熱々のわらび餅はバットの上で円形に広がります。それを半分に折ってからきな粉をまぶしてちぎると、高さが出やすいです。鍋から移した直後のわらび餅は非常に熱いので、きな粉を全体にまぶし、熱さを確かめてからちぎってください」
⑤常温に置いて粗熱がとれたら出来上がり。食べる直前に冷蔵庫で30分ほど冷やしてもOK。仕上げに黒みつをかける。
「冷蔵庫に入れるのは、わらび餅を固めるためではなく単純に冷やすため。冷やしすぎると食感が悪くなってしまうので、注意しましょう」
驚きの食感は手作りならでは!
冷めきるのが待ちきれず、粗熱がとれたできたてをいただきました。黒々とした本わらび餅は、フルフルにやわらかく、箸でつかむのがやっとです!
口に入れるとスッと溶けていき、ツルリとしたのど越しを感じるまであっという間の出来事。味わいはスッキリで、あとに残るのはとても上品なものが口のなかを通過していった感覚……。
「この美味しさが味わえるのはやはり手作りならではの醍醐味です。本わらび粉は多少値が張りますが、その分の満足感は十分あるはず。レシピも簡単で時間もものの15分ほど。ぜひ気軽に挑戦してみてほしいですね」
わらび餅が温かいうちに冷やしたあんこを包めば、まんじゅう風にもアレンジ可能。
手作りならではの贅沢を、ぜひ一度試してみてください!
取材協力/株式会社クオカプランニング 木下舞さん
製パン・製菓の材料や道具を販売している<クオカ>に 2003年に入社し、高松、福岡、自由が丘のクオカ各ショップの店長を経験。現在、新商品の導入やセレクトを担当。調理師資格、製菓衛生士。辻調理師専門学校にて製菓コース修了。
商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、日本橋三越本店新館地下2階=富澤商店(製菓材料)にてお取扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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