「深化」&「多様化」がキーワード。 伊勢丹バイヤーに聞く、チョコレートトレンド2017

今年も胸がときめく「チョコレートの季節」がやってきました！ 2016年は「Bean to Bar」、第4のチョコレート「ブロンド」の登場など話題が豊富でしたが、2017年は？

ショコラファンが気になる最新トレンドを教えてくれるのは、世界的なチョコレートのイベント「サロン・デュ・ショコラ」のバイヤーを務める秋山勇志さん。伊勢丹での開催が15回目を迎える「サロン・デュ・ショコラ 2017」、さらに、伊勢丹新宿店で今年も開かれる「スウィーツコレクション2017」から注目商品も紹介します！

【TREND 1】カカオへの関心の高まり。世界各国の「シングルオリジンカカオ」が登場

昨年はトレンドとして「Bean to Bar」が話題でしたが、今年は素材としての『カカオ』への関心が高まり、技術力の高い原料メーカーが希少価値の高く、個性的なカカオをトップショコラティエに向けて少量で提供する動きがあるそう。生産地、処理方法などにまでこだわったカカオ豆を単一で使用する『シングルオリジン』など、コーヒー業界のような用語も飛び交うようになっているとか。

「今までクーベルチュールと呼ばれる原料チョコレートは大量生産のできるブレンドが中心でしたが、技術とクリエーションを兼ね備えたシェフがさまざまな表情をみせるカカオを使い、多様なショコラの世界が広がっています」

カカオの味わいを贅沢に食べ比べ！

原産地別に6種類のカカオ豆の違いを楽しめます。なかでも希少なコンゴ産クリオロ種カカオを低温ローストしたひと粒は、ダークな味わい。スパイシーな香りと、酸味のなかにのぞく渋味が上品。

マダガスカルやコロンビアなどカカオ原産地別の味わいを楽しめます。わかりやすく産地がプリントされています。2016C.C.C（フランスのショコラ愛好家による会「Club des Croqueurs de Chocolat」）の最高位を受賞するアオキシェフの新作です。

【TREND2】素材が多彩に！ 香辛料からスーパーフードまで

ガナッシュ素材に、目新しいフレーバーが使われるようになっているのもトレンドのひとつ。これをチョコレートに!?と驚くような食材が使われた、チャレンジングなショコラが続々登場しています。

「香辛料やチーズ入りのボンボン、チアシードなどスーパーフードが練り込まれたタブレットなどユニークな味覚や食感を追求したショコラが目立ちます。また昨年に引き続き、和素材も流行中。柚子や抹茶などの定番はもちろん、ニコラ・ベルナルデが手がけた蕎麦のボンボンなど、こちらもよりマニアックに深化しているようです」

ユニークなフレーバーに注目

焙煎した蕎麦の実を挽いたガナッシュをはじめ、「サクランボの紅茶風味」「クンバワ」など目新しいフレーバーが使われているボンボンのアソートメント。蕎麦のボンボンは、蕎麦の香ばしい香りが特徴的！

日本の和菓子、団子にインスパイアされたという和のテイスト漂うボンボンショコラ。ピスタチオ、ごま、フランボワーズという3種類のフレーバーで、中には求肥とガナッシュが。

【TREND3】いつ、どんなときに楽しむか。チョコレートは「シチュエーションで選ぶ」時代へ

トレンドの3つめは、食べるシチュエーションをより具体的に想定したチョコレートが増えていること。チョコレート＝おやつやデザートとして食べるものというこれまでの概念にとらわれず、新しい楽しみ方の提案も積極的に行われています。

「先に挙げたスーパーフード入りのものをはじめ、美と健康を意識するなかでチョコレートを楽しむ方が増えています。なかには『朝にチョコレートを』というシーンの提案も含めて展開されている商品もあります。アルコール入りのボンボンも、お酒と合わせてちょっと特別な時間に楽しんでほしいという意図から、限定ウイスキーなどにこだわって作られたものが目立ちますね」

特別な時間に楽しみたいチョコレート

「カカオへの関心の高まりにより、チョコレートの質的な水準が業界全体で上がっているのを感じます」と語る秋山さん。ショコラファンにとっては、「どのチョコレートから食べるべき!?」とうれしい悩みが尽きない1年になりそうです！

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。