2017.02.08
東北の食べるべき和菓子はこれ! 青森、山形、岩手、福島、秋田、宮城 【にっぽん、いとお菓子#2】
「にっぽん、いとお菓子。」は、全国の銘菓を年間1,500種類以上食べ尽くしている三越伊勢丹和菓子担当バイヤー・田中美穂さんが、特に食べてほしい!というアイテムを各47都道府県ごとにセレクト。北から順に日本銘菓の味わい深さを紹介する連載企画です。今回スポットを当てるのは、東北地方。
「東北のお菓子の魅力は、なんといっても地域の素材をシンプルに活かしているところ。見た目は、少し地味に思えるかもしれませんが、いつも手元に置いておきたくなるような魅力があるんです」(田中さん)
最中にまんじゅう、落雁など定番のアイテムが並ぶ東北銘菓。一体どんな味わいなのでしょう……。
和菓子のザ・定番が揃う、東北銘菓6選
① 【青森県】<おきな屋>そふとどらいふるーつ(1袋)486円(税込)
② 【山形県】<乃し梅本舗 佐藤屋>乃し梅(1袋)540円(税込)
③ 【岩手県】<松栄堂>ごま摺り団子(8個入り)540円(税込)
④ 【福島県】<柏屋>薄皮饅頭 こしあん(8個入り)864円(税込)
⑤ 【秋田県】 <杉山壽山堂(すぎやまじゅさんどう)>秋田諸越(もろこし)上焼き(1袋)324円(税込)
⑥ 【宮城県】 <白松がモナカ本舗>小型モナカ詰め合わせ(10個入り)1,188円(税込)
①【青森県】ドライフルーツなのにしっとり「そふとどらいふるーつ」
田中さん「青森といえばりんごですが、その素材の良さをしっかり味わえるのがこちらです」
─ふつうのドライフルーツよりも、かなりしっとりしてますね。
田中さん「青森県産の紅玉を蜜漬けにして乾燥させているんです。フルーツの甘さがギュッと凝縮されていて、お茶請けにもぴったりですよ」
─甘みに奥行きがあって、じっくりと味わいたくなりますね。お手軽なスナックを思わせるパッケージに、いい意味で裏切られました!
②【山形県】完熟梅の爽やかな風味「乃し梅」
田中さん「『乃し梅』は完熟梅と砂糖、寒天だけで作られたお菓子。竹皮をペラっとめくるとシート状のゼリーが挟まれています。食べるときは、ひと口サイズにカットして食べます」
─食べる前から、梅の香りが漂っていますね。ではひと口。梅の風味がすごい……! 目が覚めるほど爽やかですね。
田中さん「この濃厚な梅の風味は、完熟した梅を使わないと出せない味なんです。実は、山形は梅の生産が盛んな地域。というのも江戸時代から染め物用の紅花の生産が盛んで、色を抽出する際、梅の酸を用いていた為なのだとか。ちなみに、直営店では生チョコレートに『乃し梅』をのせて加工した『たまゆら』という商品も季節限定で出しています。2月には、日本橋三越本店・銀座三越でも数量限定でお取扱いします」
─チョコレートにも合いそうですね。
田中さん「<乃し梅本舗 佐藤屋>さんは江戸時代から店を構える老舗ですが、ユニークなチャレンジを厭わないところも魅力ですね」
③【岩手県】とろ〜りとあふれ出すごまの蜜! 「ごま摺り団子」
─こちらのお団子、見た目は普通ですが……。
田中さん「いやいや、食べると驚きますよ! パクッとひと口でどうぞ」
─おぉ、中からすごい量のごまの蜜! ドバッと溢れでてきました。口の中が胡麻の風味でいっぱい!
田中さん「なのでひと口で食べないと危険なんです(笑)」
─しっとりして粘り気のあるもちの食感も、面白いですよね。
田中さん「実は松栄堂が店を構える岩手県南部にある一関市は、おもちの里。節分やお彼岸。結婚式やお葬式などあらゆる行事でおもちを食べる習慣があるんです。この斬新なお団子が生まれたのも、ゆべしや、ずんだもちなどに飽き足らず、新しいもち菓子の形を突き詰めたからこそかもしれません」
④【福島県】餡が透けるほど極薄の皮「薄皮饅頭 こしあん」
─薄皮饅頭は全国に見られますが、福島県の<柏屋>が本家なのですね。
田中さん「そうなんです。こちらは1852年創業の老舗。全国にある薄皮饅頭のルーツといわれ、日本三大まんじゅうのひとつとされています。このおまんじゅうは、食べる前に裏側に注目してほしいんです」
─わぁ、あんが透けて見える!
田中さん「熟練した職人さんでないと、こんなふうには作れないそうです」
─皮が薄い分あんこたっぷりで、あんこ好きにはたまりません……!
田中さん「北海道産の小豆を使っていて、口どけがなめらかに仕上がっています。確かにあんこたっぷりですが、すっきりとした甘さですよね。甘いものがたくさん食べられなくなってきたという方でも、このおまんじゅうなら、とおっしゃる方が多いんですよ」
⑤【秋田県】小豆の風味がふんわり。やさしい甘さの「秋田諸越(もろこし)上焼き」
田中さん「元祖といえば、秋田の<杉山壽山堂>さんも諸越(もろこし)の元祖。秋田諸越上焼きは、秋田蕗をモチーフにしたひと口サイズの諸越で落雁の一種です」
─表面に焼き色がつけてあるので、香ばしさも感じられます。昔ながらの素朴な味わいですね。
田中さん「一般に落雁はもち米の粉と砂糖を混ぜて作りますが、こちらはもち米の代わりに小豆粉を使っています。小豆を皮ごと粉砕しているので、香りがとてもいいんです」
⑥【宮城県】最中の皮から手作り! パリッと歯切れのいい「小型モナカ」
田中さん「宮城県の<白松がモナカ本舗>は、最中の皮作りからこだわっているんです。自社の田圃(たんぼ)で採れたもち米を使っているんですよ」
─米どころならでは、ですね。
田中さん「中のあんは、大納言あん、胡麻あん、大福豆あんの全3種類あるので、食べる時いつも迷ってしまいます……」
─では、大納言あんをいただきます。わぁ、すごくパリッとしてる! こんなに香ばしい香りの皮ははじめてかも。餡は、しっとりやわらかい粒あんで上品な甘さ。美味ですね。
地元で採れたりんごや梅、お米などの素材に変化を加えず、その美味しさをありのままに伝える東北のお菓子。ほっこりと心なごむ素朴な味わいだからこそ、昔も今も変わらずに人々の心をつかんでいるのかもしれません。
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