2016.11.21
まんじゅうの中には……さらにまんじゅう!? <とらや>の蓬が嶋とは?
輝くような真っ白な皮に、かまくらを彷彿とさせるフォルム。広げた両手にのせると伝わってくる、どっしりとした感触。<とらや>の蓬が嶋(よもがしま)は、一見それがまんじゅうだとは信じがたい圧倒的な存在感です。
二つにカットするとそこには……色鮮やかな小まんじゅうが姿を現しました。蓬が嶋は、なんとまんじゅうの中にまんじゅうが入っているんです。一体なぜ? 和菓子の老舗<とらや>のひときわユニークな商品、蓬が嶋の歴史やそこに込められた思いを紹介します。
重量は普通のまんじゅうの約10倍!?
中にまんじゅうが入っているだけあり、蓬が嶋は特大の大きさです。一番小さな1号サイズでさえ、重さは470g。一般的なまんじゅうの重さは大体50g前後なので、およそ10倍の重さです。さらに驚くべきことに、もっとも大きな5号サイズは1,060gもあるんです。
画像は一般的なまんじゅうと比較したもの。蓬が嶋のどっしりとした迫力が伝わってきます。
半分に切ると3つのまんじゅうが。さらに……
蓬が嶋の底に付いている竹皮の目に沿って包丁を入れると、現れるのは3つの小まんじゅう。鮮やかな色合いがかわいらしく、思わず頬がゆるみます。そしてこれをさらに半分にすると……。
さらに2つの小まんじゅうが姿を現しました! 1号〜3号サイズには全部で5つ、5号サイズには7つのまんじゅうが入っているんです。中に入っている小まんじゅうはどれも色鮮やかで、切るたびに歓声を上げそうになります。
<とらや>の商品だけあって、味も納得のクオリティ。そしてもちろん素材にもこだわりがあります。黒のこし餡には北海道産の小豆が、小まんじゅうの餡には群馬県・茨城県産の白小豆が使われています。<とらや>で使われている白小豆は契約栽培でつくられた独自の品種のもので、さっぱりとした上品な味わいが特長。餡からは小豆の風味がしっかりと感じられ、後味がよい甘さのため、結構な量でもぺろりと食べられます。
皮には石川県産のつくね芋をとろろ状にすりおろしたものを使用。やわらかくてしっとりとした食感と、芋のほのかな風味を楽しむことができます。
不老不死の仙人が住む山をイメージした縁起物
非常にユニークな蓬が嶋ですが、実は約250年もの歴史をもつ縁起物。文政10年(1827年)には光格上皇から水野忠邦に下賜されたという記録があります。上皇から贈られた蓬が嶋には、50個もの小まんじゅうが入っていたそうで、かなりの大きさだったことがうかがえます。
中に小まんじゅうが入っていることから、別名「子持ちまんじゅう」と呼ばれ、現在は結婚・出産といったお祝い事に利用されることが多いのだそう。切り分けて食べる蓬が嶋は、「おめでたい出来事はみんなで分かちあう」ことを表現できるお菓子だと考えることもできます。これだけのインパクトがあるまんじゅうなら、たくさんの人といつまでも思い出を共有できるはず。大切な門出の日には、ユニークなまんじゅうをみんなで分けあってみませんか?
商品の取扱いについて
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