2016.10.26
緑茶なのに黄金色!? 秘境で育つお茶「黄金みどり」とは
「緑茶」と聞いて想像するのは当然、緑色のお茶。しかし、なんと金色に輝く緑茶が存在するんです! その名も「黄金みどり」。年間約70kgしかとれないという貴重なお茶。一体どんなお茶なんでしょうか。販売元の株式会社伊藤園・山下陽子さんにお話を聞いてきました!
人知を超える!? 「黄金みどり」の3大不思議
①突然変異として出現。品種は不明
場所は静岡県の大川地区・諸子沢にある茶畑。今を遡ること30年ほど前のある日、生産者がいつも通り畑に来てみると、緑色の茶葉の中に輝く金色の新芽を発見! 実はそれが「黄金みどり」だったのです。どのような経緯で出現したのかは不明で、「突然変異」としか理解できないんだとか。種子を採ることも苗木を購入することもできないため、1本1本挿し木で増やし、30数年かけて今の茶畑にしたといいます。
②一部の人しかたどり着けない秘境で育つ
「『黄金みどり』は軽トラックがぎりぎり1台通行できるくらいの山道を登った山間地で栽培されています。標高はおよそ500m。しかも畑はスキーができそうなくらいの急斜面で、こんなところで毎日作業している生産者の頑張りに驚かされました」。
さまざまな茶畑を見てきた山下さんも驚くような環境で育てられている「黄金みどり」。なんと、他の場所に移し替えると枯れてしまうんだそう。また、山の奥深い場所は霧によって自然に茶の木が遮光されるため、美味しくうまみたっぷりのお茶を育てるにはうってつけの環境だともいいます。
③アミノ酸の含有量が多く、出汁のようなうまみがある
「黄金みどり」があまりにも美しいため生産者は自宅まわりの生垣にしようと増やしましたが、せっかくなので試しに飲んでみることに。するとその味わいにびっくり! 喉元に、まるで出汁のようなコクのあるうまみが広がりました。のちの調査で「黄金みどり」は通常の緑茶よりもうまみ成分であるアミノ酸の含有量が多いことがわかります。
味が濃厚なため、最初の3、4煎は「水出し」で
「黄金みどり」は10煎近く淹れることができるほど、味わいが濃厚。それゆえ、3、4煎までは水出しの方が苦味や渋みを感じにくく、やさしい美味しさを味わえるのだそう。
一人分3g程度の茶葉と水を急須に入れ、待つこと5分。やわらかな色合いのお茶が抽出されます。茶葉が開いて美しい黄金色が目に眩しい!
水出しの「黄金みどり」はスッとしたさわやかな香りとコクのあるうまみが特長。緑茶、紅茶、中国茶と300種ほどのお茶を扱っている山下さんも「こんなお茶は飲んだことがなかった」と評するほどの味わいです。
徐々に温度を上げながら変化を味わう
そのまま水出しを続けることもできますが、「せっかくなので温かいお茶も楽しみたい」という場合は、もちろん途中からお湯に切り替えることも可能です。蒸らし時間は50度以下のぬるま湯で30秒程度。その後は少しずつ温度を上げながら味の変化を楽しみます。お湯で淹れた「黄金みどり」は香りがふくよかになり、コクと同時に心地よい渋みや苦味も立ち上がってきます。
雑味がなくピュアな味わいなので、茶葉の出がらしは、おひたしのようにそのまま食べられました!(葉もやわらかく、美味しい!)
1煎1煎飲むごとに味に深みが増す「黄金みどり」。その栽培ストーリーから見た目の美しさ、そして、一度飲んだら忘れられない味わいまで、不思議なほどに飲む人を虜にする魅力があります。しかも希少だと聞くと余計に欲しくなってしまう……。数量が本当に限られた貴重なお茶ですので、見かけた際には、絶対一度飲んでみて!
株式会社伊藤園 特販営業部
専門店・百貨店企画課
山下陽子
国内荒茶生産量の約4分の1を扱い、高級ラインも充実している伊藤園。その中で、直営店舗の企画を担当。伊勢丹とプロジェクトチームを組み、日頃日本茶が身近でない人にも、その魅力を伝えようとしている。プロジェクトのチームメンバーは全員女性。総務担当や洋服担当など、普段はお茶の販売や企画に携わらないメンバーが多く所属し、女性ならではの視線で日本茶の新しい魅力を考え、提案している。
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