食品フロアスタッフが本気で勧める、あの店の「コレ美味しい！」#14

日頃、三越伊勢丹の食品フロアで、実際に店頭に立っているスタッフたち。美食の戦場、美味の密林とでもいうべき空間で、お互いに最上の味をお客さまに届けるべく、切磋琢磨を続けています。そんな彼らが、「あえて」他店の商品からおすすめしたい「コレ美味しい！」を紹介する、この連載。強者は強者を知るように、本当に美味しいものを知っているのは、彼らなのです。

第14回：＜フロマジュリーHISADA＞榎島功さん

本物の味を求めて世界各国を巡り、パリと国内合わせて7店舗で種類豊富なチーズを取り揃える＜フロマジュリーHISADA＞。伊勢丹新宿店の店頭で大きなナイフを巧みに使用してホールサイズのチーズを手際よく切り分けるのは、店長の榎島功さんです。「大学時代に＜フロマジュリーHISADA＞の前身会社、チーズ王国でアルバイトをしていて、素材や製法の違いによって生き物のように変化するチーズのおもしろさにひかれました。そこから現在に至るまで、チーズ一筋の『チーズバカ』です」と自らを語る榎島さんは、2004年にオープンした＜フロマジュリーHISADA＞パリ1号店のオープニングスタッフも務めた敏腕スタイリスト。甘いものが好きで、チーズの買い付けでフランス各地を回っていた際にはフランス菓子を度々購入していたそう。今回は、そんな榎島さんがセレクトした、食べると気分が上がる甘いもの３品を紹介します。

榎島さんのおすすめ①：手軽に食べやすく、差し入れにもってこいの「レモンのケーキ」

1品目は、焼きたてフィナンシェの有名店＜ノワ・ドゥ・ブール＞から、レモンをかたどった『レモンのケーキ』。自分のためにはもちろん、仕事仲間とみんなの気分を上げる差し入れとしてこのケーキを購入しているそうです。

「フレッシュなレモン果汁を使用したアイシングが、口に入れたときに甘酸っぱくシャリシャリとした食感でたまりません。あまり時間がなくてもササっと食べられて、幸せな気持ちになります。差し入れると皆もとても喜んでくれるんですよ」

榎島さんのおすすめ②：仕事のやる気を高めてくれる、抹茶のエクレール

2品目は、＜パティスリー・サダハル・アオキ・パリ＞の『エクレール マッチャ』です。榎島さんにとって『エクレール マッチャ』は、仕事のやる気を高めてくれる思い出のスイーツなのだとか。

「私がこれを初めて食べたのは、＜フロマジュリーHISADA＞パリ1号店のオープニングスタッフとして働いていたときです。現地で見つけて、あまりに美味しくて驚きました。今でこそ抹茶スイーツは定番ですが、開発当時、抹茶を洋菓子に使うのは大変めずらしいことだったといいます。日本人にしかできないものを形にしている作り手の心意気を感じて、うちも負けていられないなと思いましたね」

榎島さんはパリ滞在時、フランス語の勉強や仕事を頑張った自分へのご褒美として、また、現地の友人と会うときの手土産として『エクレール マッチャ』を購入していたとか。

「今でも、仕事を頑張ろうという気持ちにさせてくれる思い出の味なんです」

榎島さんのおすすめ③：チーズとの相性もピッタリ！ マンゴーのフルーツソース

3品目に選んだのは、＜セゾンファクトリー＞の『フルーツソース マンゴー』。インド産アルフォンソマンゴーと相性のよいココナッツミルクが入っていて、食べてみると濃厚でトロピカルな香りが口の中いっぱいに広がります。榎島さんは＜フロマジュリーHISADA＞のチーズを幅広い世代の人々に食べてもらえる組み合わせはないかと探していて、このソースと巡り合いました。

「マスカルポーネにかけて食べるのが美味しいんです。フルーツソースと合わせれば、デザート感覚でチーズを楽しめます。お酒の飲めない方やお子さま、ご年配の方にもぴったりです。その他の乳製品とも相性抜群。いつもの食事がおしゃれになり、気分が上がりますよ」

「グルメなお客さまをうならせるような食の提案ができた時はたまらなくうれしい」と語る榎島さん。その仕事への情熱を支えているのは、同じく伊勢丹新宿店で手に入るこだわりのスイーツたちだったんですね。

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