2016.07.02
In her pocket いつものあの味 第7回/田中杏子さん
ゆるされるならばポケットに入れていつも持ち歩きたい、机や仕事場に常備しておきたい。そんな、「いつもの味」を紹介するこのコラム。第7回目のゲストは、ファッション雑誌「Numéro TOKYO」編集長の田中杏子さんです。
雑誌編集長として、モードなライフスタイルを地で行く田中さん。毎日の食卓を支えるお気に入り食品のエピソードには、ファッションと同じぐらいの熱量が感じられます。
洋服をスタイリングするように食卓にも彩りを
伊勢丹新宿店の食料品フロアへは頻繁に訪れるほど、ライフスタイルには欠かせないスポットだと話す田中さん。洋服をスタイリングする感覚で、食卓という空間全体をコーディネートしているのだとか。
「『この服が着たい』というその日の気分や、予定を考えて自分自身のコーディネートを組むように、食材選びから料理の盛り付け、テーブルセッティングも楽しんでいます。毎日というわけにはいきませんが、ゲストを招いたときはメニューだけでなく、お皿や装飾用のお花にもこだわります」
ラベルにまでセンスが光る、あの映画監督の名がつくワイン
そんな田中さんが選んだ1品目は、なんとワイン。イタリアに住んでいた頃の習慣から、毎日の食事のお供に欠かせない存在なのだそう。産地やぶどうの品種はもちろんのこと、ラベルや生産者にも注目するのが田中さんならではです。
「<フランシス・フォード・コッポラ>の『ダイヤモンド・コレクション メルロー』は、テーブルワインほどカジュアルではない、ちょうどいい赤ワイン。どんな食事にもしっくりハマるんです。そして、ワインのラベルもおしゃれ。ネイビーとゴールドの文字の洗練された雰囲気が素敵ですよね。やっぱり、おしゃれな映画を撮るコッポラが造るワインはおしゃれだなって。手土産に持っていっても喜ばれますよ」
ワインのお供には、お茶請けの定番「ゆかり」を
2品目に田中さんがセレクトしたのは、1品目とはうってかわって親しみやすい、<坂角総本舖>の「ゆかり」。おせんべいのお供といえば、ほうじ茶などのイメージがありましたが、ワインでいただくのが田中さん流です。
「ギュッとつまっている感じのある噛みごたえ、凝縮されたえびのうまみ、どこをとっても文句なし! しょっぱい系のお菓子が好きな私としては、味付けも好みです。ぜひ、おせんべいとワインのマリアージュを試してみてください(笑)」
子供の頃から、ケーキには見向きもしないぐらい、おせんべいが好きだったと話す田中さん。数々のおせんべいを食べてきたなかでも、<坂角総本舖>の「えびせんべい ゆかり」をはじめて食べた時の衝撃は忘れられないのだとか。
「お土産でいただくことも、名古屋に行ったときに購入することもありますが、伊勢丹新宿店の食料品フロアなら食べたいときに買いに行けるのがうれしいですね」
素敵なバッグから取り出したのは、なんと「すりごま」!
素敵な(!)バッグから取り出した3品目は、意外や意外、<山田製油>の「純国産 すり白胡麻」のパッケージでした。
「以前、東洋医学の先生に『ごまを食べすぎていませんか?』と指摘されてしまうぐらい、本当に好きなんです(笑)。『純国産 すり白胡麻』は、すり具合が絶妙。ごまそのものの香りが際立っていて、食欲がかき立てられますね」
田中さんの鉄板レシピは、ごま油とすりごま、塩、レモンでいただくサラダ。とてもシンプルですが、ごまの風味をしっかり堪能でき、まさにごまを食べるためのレシピなのだそう。
「ある日、私と同じくごま好きの友達が、おもむろにカバンの中からすりごまのパッケージを取り出したんです。あ、そうか、私も持ち歩けばいいんだと思いました(笑)」
自分が美味しいと思うものへの探究心と、意外性に富んだセレクトは「さすが!」のひと言。固定観念に縛られることのない、田中さんならではの食の楽しみ方は、ファッション誌の編集作業で培われたセンスにあふれていました。
Profile
田中杏子(たなかあこ)
大阪府出身。高校卒業後にイタリアへ渡り、デザイン学校へ入学。デザインやパターンを学ぶ。帰国後はスタイリストとして活動し、「VOGUE NIPPON」の創刊の際にファッションエディターとして参加。エディターをしながらもスタイリングの仕事は続け、「Numéro TOKYO」の編集長に抜擢。現在も編集長として活躍している。
商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=グランドカーヴ、甘の味/坂角総本舖、シェフズセレクションにてお取扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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