2016.05.31
千石で注目のパティスリー<トレカルム>は、下町で愛される優しい味
東京、千石。下町らしいどこかのんびりとしたムードが漂うこの町で、2014年にオープンした<トレカルム>。ホテル西洋銀座などで修行を積んだ木村忠彦シェフが、「地元を盛り上げたい」という想いから、実家の金物屋を改装して作ったパティスリーです。「本格フランス菓子を、地元の人に手頃な値段で楽しんでもらいたい」と語るシェフの想いや、ファンを魅了してやまないおすすめの商品について聞きました。
パンや焼き菓子などもあってこそ、パティスリー
大通りから少し入った、商店街にある<トレカルム>。金物屋を改装した店内は天井が高く、広々としていてイートインスペースも完備されています。
入って右手には、クッキーやパウンドケーキなどの焼き菓子がずらり。左手には、常時18種類ほどのパンが所狭しと並びます。
「外からだとパンが一番目に入るので、うちをパン屋さんだと思っている方も多いんですよ。実は、お店で一番売れるのはクロワッサンです(笑)」(木村さん)
パンに使う材料が高騰している昨今ですが、素材には妥協せず丹精込めて作っているそう。手間も相当かかりますが、「ケーキ、パン、焼き菓子、すべてがあってこそパティスリー」というシェフのこだわりが感じられます。
職人自ら接客する「地元密着型」パティスリーを
正面のショーケースに並ぶケーキは、常時20種類。そのうち半数は3カ月で入れ替え、フレッシュな顔ぶれに。
「常連さんの中には、『もう全種類食べたよ』という方もいるので、なるべく種類の回転率を上げています。頭の中ではいつも新作を考えて、試作を繰り返している状態ですね」
ちなみに、<トレカルム>には販売員はおらず、お客さまが来たら職人自ら接客を担当。お客さまと直接触れ合うことで、より愛情を持って仕事ができるといいます。
「作り手だからケーキの説明もできますし、直接感想が聞けるのもうれしい。お客さまからいただいたアイディアに答えて、新作を作ることもあるんです」
店名の<トレカルム>は、日本語にすると「とても穏やか」の意。それは、ケーキの佇まいに表れています。
「フルーツやクリームできらびやかに飾った、騒がしいお菓子は作らない。なるべくシンプルに、まっすぐ切る、ツヤを出すなどで違いを出したいなと思っています」
絶対食べたい! 木村さんイチオシの3品
では、<トレカルム>に来たらぜひチェックしたい、木村さんイチオシの3品をご紹介します。
お店のアイコン! 独創的なモンブラン
「お店を始めるにあたって、何かアイコンとなるものを作ろうと思った」と木村さんが話すモンブランは、見た目からして実にユニーク。クルミとベリーのモンブランに、細長いコーヒーのメレンゲを飾り、ザクザクした食感が楽しめます。
「実は栗が苦手なのですが(笑)、これはそんな僕でも食べられるモンブラン。既存のモンブランの概念をいったん崩し、再構築するような感覚で作りました」
木村さんも毎朝必ず食べる、人気抜群のミルフォイユ
こちらが、口コミで人気が広まったというミルフォイユ。どっしりしていて香ばしいパイ生地と、甘くて濃厚なカスタードクリームとのバランスがよく、ひと口食べると思わず至福の笑みがこぼれます。木村さん自身の好物でもあり、「毎朝必ず1個は食べる」とのこと!
チョコ好きにはたまらない! ラム酒が効いた大人のチョコレートケーキ
甘いものが好きすぎて、子供の頃はチョコレートをかじって寝ていた(!)という逸話を持つ木村さんゆえ、ケーキにもチョコレート使用率が高いそう。艶やかにコーティングしたチョコレートにパリッとした板チョコレートと、何種類ものチョコレートが楽しめる「アリュール」は、チョコ好きにはたまらない一品。ボトムのキャラメルタルトのビター感もいい塩梅です。
「僕自身、甘さ控えめよりどっしりと甘いものが好きなので、それが一番表現できた作品だと思います」
ふわりと香るラム酒が効いた、大人好みのチョコレートケーキです。
「地元密着」を大事にする木村さんは、近所のコーヒーショップやレストランとコラボして、新作ケーキを生み出すことも。そうした人と人とのつながりも、<トレカルム>の美味しさの秘密かもしれません。
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