食品フロアスタッフが本気で勧める、あの店の「コレおいしい！」#12

日頃、三越伊勢丹の食品フロアで、実際に店頭に立っているスタッフたち。美食の戦場、美味の密林とも言える空間でお互いに最上の味をお客さまに届けるべく、切磋琢磨を続けています。そんな彼らが、「あえて」他店の商品からおすすめしたい「コレおいしい！」を紹介するこの連載。強者は強者を知るように、本当に美味しいものを知っているのは、彼らなのです。

第12回：花園万頭　内村純一郎さん

多くのお客さまでにぎわう伊勢丹新宿店食品フロアにおいて、落ち着いた大人の空間の雰囲気が漂う和菓子エリア「甘の味」。ショーケースには四季折々のカラフルな上生菓子が並び、一角では手作業で和菓子をこしらえる職人の姿も見られます。

「和菓子は季節感を楽しむお菓子。旬の食材やモチーフが並ぶ店頭を、見て歩くだけでも楽しいですよね。店頭に立っていると、僕もついつい食べたくなっちゃいます」

そう、とろけそうな笑顔で話すのは、「ぬれ甘なつと」などで知られる老舗和菓子店＜花園万頭＞の内村純一郎さん。お菓子が大好きで和菓子の世界に飛び込んだ24歳のスイーツ男子です。内村さんをはじめ、お店のスタッフみんなで意見を出し合い3品をセレクト。チーム花園万頭による「お菓子好き」にこそ食べてほしい、新感覚お菓子を紹介します。

内村さんのおすすめ①：栗とらくがんのハイブリッド？ 栗の濃厚な美味しさに感動

まずは栗のお菓子で知られる＜小布施堂 Shinjuku＞から、栗あんとらくがんを組み合わせた「くりは奈」を紹介。甘の味のスタイリストたちは日頃からお互いの店の「美味しい」アイテムを紹介し合っているそうで、これも「定番ではないが、ぜひ食べてみて」と教えてもらったのだとか。

「＜小布施堂 Shinjuku＞さんのらくがんは以前から知っていたのですが、この『くりは奈』は見逃していました。はじめて食べたときの感想は『なんだこれ！』。ゆでた栗をそのままいただいているような、不思議な感覚です。らくがんなのに栗きんとんのようで……。本当に驚きました」（内村さん）

ほろほろとはかない食感に、いつまでも続く上品な栗の風味。定番ではない「掘り出し物」は、お菓子フリークにこそおすすめしたい逸品です。

内村さんのおすすめ②：どれにしようか迷いそう！ 女性に大人気の「スティックラスク」

2品目には＜花園万頭＞の女性スタッフから熱い支持を受け、＜カフェ オウザン＞の「スティックラスク」が登場。珍しい棒状のラスクをチョコレートやドライフルーツなどでデコレーションした、女子力高めの一品です。

「ラスクというと、みなさんシンプルな楕円のタイプを思い浮かべると思いますが、＜カフェ オウザン＞さんの商品はユニークな形状のアイテムが人気。この『スティックラスク』は見た目がきれいな上に食べやすく、箱を開けた瞬間に場がパッと華やぎますよね」（内村さん）

特におすすめしたいのは大人の女性。友人とのティータイムが盛り上がりそうです。

「さまざまな味やデコレーションがあるので、『どの色にしようかな？』と迷う楽しみもあります。もちろん、サクサク食感と上品な甘みも評判です」（内村さん）

内村さんのおすすめ③：＜花園万頭＞スタッフみんなが太鼓判！ ソフトで芳醇な「ぴーなっつ最中」

ラストは＜花園万頭＞随一の美食家スタッフが推薦する＜なごみの米屋＞の「ぴーなっつ最中」。今回の取材の前に改めてお店のメンバーで実食し、その美味しさに全員が唸ったのだそう。まさに＜花園万頭＞公認とも言えるおすすめアイテムです。

「千葉県に本店のある老舗和菓子店が作る、名産品の落花生をモチーフにした最中。やわらかな皮に挟んだ白餡にはピーナッツの甘煮がたっぷり練りこまれていて、想像以上にナッツの存在感を楽しめます。個包装なのでお土産にもぴったり。みんなでわいわい食べてください」（内村さん）

今回紹介したのはどれも定番商品ではなく、「ひと味違う」ユニークなアイテムばかり。名店たちの創意工夫が、チーム花園万頭のプロ魂を刺激したようです。

「僕たちは、日頃から時間を見つけて交代でフロアを探索しています。季節ごとに新しい商品が見られておもしろいですよ。和菓子もいいけれど、最近は洋菓子やお惣菜エリアにもよく行きます。おすすめの歩き方？ う〜ん、個人的には夕方以降かな、お惣菜が安くなることが多いので（笑）」（内村さん）

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