2016.02.26
美味しいチーズの種類と選び方。いま注目すべき3つのポイント
近頃はチーズ専門店も増え、スーパーなどのチーズコーナーにも多種多様なチーズが並ぶようになりました。しかし、選ぶ楽しみが増えた一方で、見慣れない名前から味を想像するのが難しく、どれを選んだらいいのかわからない……という声も。
そこで今回は、三越伊勢丹の和洋酒担当アシスタントバイヤーの岡田麻里さんに、美味しいチーズを選ぶポイントを教えてもらいました。
美味しいチーズを選ぶための3つのキーワード
- 自然派
- 熟成士
- 日本産
原材料そのものの味にこだわる「自然派」チーズ
「美味しいチーズを作るには、美味しいミルクが必要不可欠。そのためには、牛(山羊、羊)が健康でなければなりません。そんな考えをもとに、牛を放牧でのびのびと育てたり、農薬や化学肥料を使わずに栽培した牧草を与えるなど、牛の飼育環境にこだわった安心・安全なミルクを原料に作られる自然派チーズが増えています」
「たとえば<ヴィア ザ ビオ>は、フランスの国際有機認定機関・ECOCERT(エコサート)をはじめ、厳しい認定基準をクリアしたチーズを主に扱う自然派チーズの専門店です。一貫して「ミルクそのものの美味しさ」が感じられるチーズにこだわっており、農園づくりの段階から信頼できる作り手のチーズを仕入れています。
ショップを構えていない<ヴィア ザ ビオ>さんのチーズと出合えるのは、普段は飲食店など限られた場所。プロにも認められた味わいは出合ったらぜひ試していただきたいですね」
チーズの個性を決める「熟成士」
「フランスには「熟成士」という国家資格があります。白カビや青カビ、ウォッシュなどさまざまなチーズがありますが、それぞれのチーズの魅力や特徴を理解し、カーヴ(熟成室)で時間をかけてチーズを育てるのが熟成士の仕事。まさにチーズを知りつくしたプロフェッショナルともいうべき職業です」
「同じ種類のチーズであっても、手がけた熟成士によって香りや味わいが大きく異なります。<チーズ オン ザ テーブル>には、個性豊かな熟成士たちが手がけたチーズが揃っており、なかでもおすすめは、スイスの熟成士、ワロ・フォン・ミューレネン氏が手がける「グリエール・ワインウォッシュ」。14ヵ月間かけてじっくり熟成させたグリエールチーズを赤ワインに漬けて香りづけしたものなんですが、濃厚で奥行きのある大人の味わい。個人的にはやっぱり、赤ワインと一緒にいただきたいですね」
日本人の嗜好に合わせて進化する「日本産」チーズ
「北海道をはじめ、日本にもたくさんのチーズ工房が存在しています。10年前までは、国産チーズというとモッツァレラやストリングチーズなど、熟成させないフレッシュタイプのチーズが主流でしたが、最近ではセミハードやハードなど、さまざまなタイプのチーズが作られるようになりました。年々、品質や美味しさも向上していて、国際的なコンテストで賞を受賞しているものもたくさんあるんですよ」
「2015年に清澄白河にオープンした<チーズのこえ>は、北海道でチーズ作りを行っている工房さんが共同出資して作っているいままでにない形のお店で、年間を通して300種類以上のチーズが並びます。私自身も「日本でこんなにバラエティ豊かなチーズが作られているんだ」と驚いたほどです。日本人の味覚にあったチーズ、和食や日本酒との相性が良いチーズも多く、「味噌漬け」などの発想も日本のチーズならではの個性です。実際に食べ比べながら選べるものもあるので、じっくり好みの味を探すのも楽しいですね」
それでも迷ったときは「シーンに合わせて楽しんで」
「最近は、チーズの銘柄ではなく、お酒や料理との組み合わせや、チーズを食べるシーンも考慮して選ぶお客さまが増えています。チーズもワインのように、産地や生産者、生産時期に注目して選べば、きっと好みのチーズが見つかるはずです。自分のお気に入りを見つけて、日常的にチーズを楽しんでもらえたらうれしいですね」
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