2015.12.12
「燻製」がフライパンでたったの3ステップ! 自宅で10分・簡単スモークレシピ
これまで、燻製作りといえば、キャンプやBBQのイメージがありましたが、ここ数年、自宅でできる燻製作りがブームになっているのをご存知ですか? 簡単なものなら、燻製用のチップと家にある調理器具だけで、わずか10分でできるんだとか。
ベーコンなどが定番ですが、今回は年末のおもてなしやお酒のおつまみにも使える、ちょっと豪華なメニューをご紹介。たとえば「ステーキの燻製」なんてパーティが盛り上がることうけあいです。
『男の手作り燻製』『手作り燻製ハンドブック』などの著者、燻製道士さん監修のもと、燻製作りに挑戦しました。
(追記:2023/03/23 11:00)一部記事の内容を変更いたしました。
たったこれだけ!? 燻製に必要な4アイテム
燻製に必要なアイテムは、以下の4点。
フライパン&蓋
アルミホイル、チップ、金網、食材と底から順に重ねて入れるので、できるだけ広がりのある円錐型で、ある程度厚めのフライパンがベスト。煙が逃げないようにピッタリと閉まる蓋を用意。
(追記:2023/03/23)フッ素樹脂加工のフライパンは燻製には向きません。鉄製のフライパン・鍋、燻製対応可と記載のあるフライパン・鍋、燻製専用の器具をおすすめします。
金網
フライパンの直径より2〜3㎝くらい小さいもの。
(追記:2023/03/23)100円ショップなどで手に入る、蒸し網で代用しても。
アルミホイル
焦げ付き防止のためにチップの下に敷いたり、金網の上に食材を置く際に使用。
(追記:2023/03/23)ケーキや弁当用のアルミカップも活用できます。
スモークチップ
「ヒッコリー」「サクラ」「クルミ」などの種類があり、樹木の種類によって香りが異なる。今回はさわやかな香りが特徴で、どんな食材にも合う「ヒッコリー」を使用。
(追記:2023/03/23)種類は限られますが、100円ショップなどでも見かけるようになりました。
スモークチップ以外は家にあるものたち……こんな、普段のアイテムで本当にできるのかちょっと不安ですが、初めての燻製作り、いざスタート!
初心者は「水分が少ない」食材をセレクト!
燻製にむくのは、乾燥してうまみが凝縮される食材。水分が少なく適度に油分を含むお肉や魚、乾燥しているうえ、味が付いているナッツや、ドライフルーツは初心者向きの食材です。反対に、水分の多い野菜や果物などは、初心者には難しい食材だそう。
今回はパーティの定番、パーティの前菜としても使える「ナッツ・レーズン・チーズ」のセットと、豪華な「ステーキ」、変わり種として「調味料」をセレクト。
燻製の基本は、味付け・乾燥・スモークの3ステップ
燻製作りの工程は、食材を味付けして乾燥し、スモークするというたったの3ステップ。これなら料理が苦手な人でも簡単にできそうです。
1)味付け
食材に味をつけるだけでなく、殺菌と保存効果もある。初心者は塩やこしょうをかけるだけで十分。
2)乾燥
食材の表面に水分があると煙と水分が反応して、酸味や苦みが出るため、事前に風通しの良い場所で十分に乾燥させる。
3)スモーク
およそ80度の高温で燻す「熱燻」と、60度くらいの温度を保って1~2時間かける「温燻」、20度くらいの温度で長時間燻す「冷燻」という3つの種類がある。
今回は、この中でもっとも手軽にできて、失敗の少ない「熱燻」に挑戦!
【初級編】ワインがすすむ、おつまみ燻製プレート
[味付け:なし/乾燥:0分/スモーク:10分]
まずは、ナッツにレーズン、カマンベールチーズの燻製に挑戦。これらは、味付け・乾燥の必要がない、初心者向きの食材です。
①フライパンにホイル、チップ、金網を置く
フライパンの底に焦げ付き防止のためのアルミホイルを敷き、その上にチップを置きます。
フライパンの形状や密封性などによっても異なりますが、チップは10分の熱燻でおよそ6グラム程度、成人男性の一握りくらいの量が目安。さらに、チップの上に金網を置きます。
(追記:2023/03/23)成人男性一握りとは、大さじ1と1/2が目安です。今回の記事で紹介している燻製は、すべてスモークチップ6グラム(大さじ1と1/2)で行います。
②金網の上に食材をセット
金網の上に直接置けないナッツやチーズは、アルミホイルでお皿を作って、その上に載せましょう。食材はまとめてではなく、においが混ざってしまうので1種類ずつスモークするのがおすすめ。
③蓋をして、いよいよスモーク開始!
チップから煙が出るまでは、強火で加熱。煙が出てきたら中~弱火に。およそ10分間で、あっという間に完成です!
燻製ミックスナッツ
ナッツは、噛んでいるとコクとスモークされた豊かな香りが口いっぱいに広がります。加熱後1時間程度放置して煙となじませると、より香ばしくなるそう。
燻製カマンベール
カマンベールチーズは、火が入ってとろりとした、上質感のある「スモークチーズ」になりました。
(追記:2023/03/23)熱いうちに表面に切り目を入れて、チーズをすくい上げればトロトロの美味しさが楽しめます。
燻製干しレーズン
レーズンは甘みが凝縮され、上品な洋菓子のような味わい。ザラメをからめてスモークしてもいいとか。
(追記:2023/03/23)一粒ずつバラバラになっている干しレーズンを燻製する場合、アルミホイルやアルミカップ、あれば小さい金ザルにのせるといいでしょう。
【中級編】リッチなお酒のつまみに! 燻製ステーキ
[味付け:あり/乾燥:30分/スモーク:10分]
次は、いよいよステーキ!
①牛肉に下味をつけて、乾燥させる
肉の両面に塩胡椒をふって味付けし、風通しの良い場所でおよそ30分乾燥させます。ブランデーを使うと臭みがさらに和らぎます。
(追記:2023/03/23)肉は筋切りしておくと燻製中に肉が反るのを防ぎます。乾燥させる(風乾)ときは、湿気の少ない時季を選び、直射日光を避けて陰干しするといいでしょう。
②フライパンにアルミホイル、チップを置く。アルミホイルをシワシワにしてチップにのせる
スモークの際は肉の脂がチップに落ちないよう、チップの上にアルミホイルをかぶせます。
(追記:2023/03/23)チップの発煙を消さないために、チップにのせるアルミホイルはシワシワにしてからのせましょう。
③強火にかけ煙が出たら肉をのせ、蓋をして弱火でスモーク開始!
肉を入れる前に強火で加熱し、ある程度煙が出たら、肉をセットし弱火に。スモークし過ぎると肉が硬くなるので、10分程度のレアな火入れがベスト。こちらもあっという間に完成します!
燻製ステーキ
水分が抜けてうまみが凝縮されつつ、やわらかくてジューシーなステーキに。さらに燻製によりチップの香りをまとうことで、お酒に合う大人の味に仕上がります。お手頃なお肉でもおいしく食べられそう。
【変わり種】味に奥行きが出る、醤油・黒こしょう・オリーブオイル
[味付け:なし/乾燥:0分/スモーク:15分]
実は、醤油やオリーブオイル、黒胡椒などの調味料もスモークできるんです。
①フライパンにアルミ、チップ、金網を置き、食材をセットする
方法は初級編とまったく同じ。耐熱容器に入れてフライパンに並べて蓋をすればOK。煙に触れる面積が広いほうがいいので、できるだけ平らな容器を使うのがポイント。
(追記:2023/03/23)液体の調味料を入れる容器は、できるだけ煙に触れる面積が広く、高さは低めがおすすめ。黒胡椒は平らで小さい金ザルがあれば、よりおすすめ。
②蓋をしてスモーク開始!
中弱火で、約15分燻製をすれば完成です。燻製後は非常に熱くなっているので、取扱いには要注意。
(追記:2023/03/23)燻製で汚れた器具は、重曹を加えた湯に入れて、しばらく煮立てから取り出して洗うと、汚れが落ちやすくなります。
燻製醤油
どんな醤油でもできますが、甘みのある出汁醤油がベスト。卵かけご飯に使うと絶品。
燻製黒胡椒
砕いたものより、ホールのほうが香りがつきやすい。モッツァレラチーズにベストマッチ。
燻製オリーブオイル
スモークの香りが加わることで、味に奥行きが出て、オリーブのフレッシュなうまみが際立つ。パンにつけるだけで抜群のおいしさに。
おうちの台所で、想像以上に簡単に、わずか10分でできる燻製。普段のおつまみにはもちろん、いつものパーティにプラスしたら、歓声があがること間違いなし! 気になる方は、ぜひ挑戦してみてください。
監修:燻製道士
酒好きが高じて燻製にハマり、「燻製仙人」になるべく燻製の道をひた走る。自身のブログ「燻製記」は、燻製好きにとってのバイブル的な存在。『男の手作り燻製』(世界文化社)、『手作り燻製ハンドブック』(世界文化社)など燻製に関する著書も多数。
燻製道士が日々の燻製を綴ったブログ
-燻製記-
http://kunsei.livedoor.biz/
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