2015.10.15
老舗和菓子屋の若旦那が集結! 和菓子界に新風を巻き起こす「本和菓衆」とは
「和菓子を使って、もっとおもしろいことや、わくわくすることをやりたい」という想いから、老舗和菓子屋の若旦那が集まって誕生した「本和菓衆(ほんわかしゅう)」。
「毎年、日本橋三越本店で開催されている『全国銘菓展』。そのイベントに出展していた老舗の若手同士が懇親を深めていくうちに、和菓子の魅力、おいしさ、楽しさを伝えるために、みんなで何か新しいことやろう! と盛り上がったのが本和菓衆立ち上げのきっかけのようです」そう話してくれたのは菓遊庵アシスタントバイヤーの大坪徹郎さん。
その勢いのまま、2013年には日本橋三越創業340周年祭で「本和菓衆」としてデビュー。メンバーそれぞれが新作の和菓子をひっさげ、和服姿で和菓子コーナーに立ちました。
そして今年も、歳時記や行事食など「地域に残る文化」をテーマにした新作和菓子がお目見えします。その中から、編集部が気になった4点を紹介します。
水の恵みを表現する<槌谷>水のいろ
岐阜の老舗<槌谷>からは、干錦玉(ほしきんぎょく)と呼ばれる伝統的な和菓子を極力薄くし、水滴のような形に仕上げた「水のいろ」が登場。
「5種類のハーブのフレーバーで、その色鮮やかなカラフルさが目を引きます。槌谷は『水の都』と言われるほど豊富な地下水に恵まれた土地にあり、その水を連想させるカラフルな和菓子は見るだけでも楽しいですね」
ドキドキが新鮮! <平治煎餅本店>福引せんべい
次は<平治煎餅本店>の「福引せんべい」。三重県津市では節分に中に縁起物が入ったこの福引せんべいを食べるのがならわしになっているのだとか。
「通常は1辺が20㎝以上の大きさですが、こちらはひと口サイズです。煎餅のなかに何が入っているか、家族みんなで楽しみながら食べてほしいですね」
ほどける食感。<乃し梅本舗 佐藤屋>久滋良
山形の<乃し梅本舗 佐藤屋>からは、落雁にナッツ、オーツ麦、黒砂糖、ごま油を混ぜてグラノーラ風にした「久滋良(くじら)」。
「ほんのり効かせたしょうががアクセントです。山形では、ひな祭りに各家庭で「くじら餅」と呼ばれる餅菓子を作りますが、そこからヒントを得て生まれたお菓子。口のなかでほどける食感が絶妙です」
味噌も麹も自家製。<田中屋せんべい総本家>甘酒せんべい
最後は<田中屋せんべい総本家>の甘酒せんべい。江戸時代の文献に小麦粉を甘酒で「ふるめんと(発酵)」させてパンを作っていたことを知り、それをせんべい作りに応用したとのこと。
「味噌せんべいの老舗である<田中屋せんべい総本家>は、味噌も麹も自社製です。甘酒も自社製の麹で作られたものが使われているため、砂糖や蜜、果物とは全く別の甘味とチーズのような芳香のある煎餅です」
ここで紹介した和菓子はどれも、目新しさだけではなく、連綿と受け継いできた伝統の重み・味の安定感を感じられるものばかり。自分が作ったお菓子を、誰かと一緒に、楽しい時間を過ごしながら食べてもらいたい……。そんな若旦那衆の熱い想いが詰まった和菓子は、いつものお茶の時間を、豊かで味わい深いものにしてくれそうです。
商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、10月14日(水)~10月20日(火)まで日本橋三越本店本館地下1階=銀座線口特設会場およびフードコレクションでお取扱いがございます。
独自の味覚と感性で厳選した全国の銘菓をお届けするお菓子のセレ
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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