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2015.10.07

「醤油」基本のき。濃口、うす口、たまり、白など5つの種類の選び方&使い方を解説!

さまざまな醤油のイメージ

日本人にとって最も身近な調味料のひとつ「醤油」。多くの人がほぼ毎日口にする、舌に馴染んだ調味料です。

食生活とは切っても切り離せない存在なのに、おうちにある醤油は1種類という方が少なくないのでは? 濃口やうす口、たまり醤油などの名前は耳にするものの、それぞれの違いまでは意外に知らないもの。

でも実は、料理との合わせ方で素材の持ち味を引き出したり、逆に消してしまったりするんです。例えば、冷奴に「白醤油」をかけると、豆腐の持っている甘みがぐーっと全面に引き出され、いつもとは違った新鮮な美味しさに! 逆に赤身魚のお刺身につける醤油を間違えると、生臭さが目立ってしまうなんてことも……。

毎日使うものだからこそ、ちょっと見直すだけで料理が進化! 今回は、基本となる種類の醤油をピックアップして、醤油の『基本のき』を紹介します。

「醤油」の材料は、大豆、小麦、塩の3つ

醤油の材料は大豆と小麦と食塩。一般的な「濃口醤油」の場合、まず同量の大豆と小麦に麹菌を入れて「麹」を造ります。次に食塩水を加えて発酵させ「もろみ」に。醤油の独特な黒い色はこの発酵によって生まれます。その後、「もろみ」を熟成させ絞って醤油となります。

<基本的な醤油の製造方法>

醤油の製造過程

大きく分けると「醤油」は5種類

使用する材料のバランスや工程の微妙な違いによって、醤油は以下の5つに分類できます。

白醤油

白醤油

塩分濃度
約18%

色は最も薄いが、塩分濃度が高い。主原料はほぼ小麦。透き通った琥珀色に仕上げるために精白した小麦を蒸して使う工夫も。大豆と小麦の割合は1:9〜2:8くらい。

うす口醤油

淡口醤油

塩分濃度
約18〜19%

関西では一般的な醤油。淡口醤油とも。色は薄いが、濃口よりも塩分濃度は高い。製法は濃口と同じだが、発酵の際に加える食塩水の濃度が高いので発酵が抑えられ、発酵の時間が短いために色が薄くなる。味をまろやかにするために甘酒を使うことも。

濃口醤油

濃口醤油

塩分濃度
約16%

日本で造られる醤油のおよそ8割を占めるスタンダードタイプ。関東では古くから一般的だった。香りと色、味のバランスに優れているのが特長。

再仕込醤油

再仕込醤油

塩分濃度
約16%

麹に食塩水を合わせるべきところ、加熱していない「生揚げ醤油」を使って仕込んだ醤油。濃口醤油より2倍の材料を使用しているため、うまみも強く濃厚な味。

たまり醤油

たまり醤油

塩分濃度
約16%

主に中部地方で造られているトロリと濃厚な醤油。ほぼ大豆のみで造られ、約1年に渡って発酵・熟成させる。

5つの醤油、どうやって使い分ける?

種類を知ったら、次は使い方。普段とは違ったタイプを取り入れたいと思っても、使い切れないことも多く、気軽には購入できない……という方のために、各醤油の『使い切りアイディア』を伊勢丹新宿店本館地下1階フレッシュマーケットの青果専属シェフ、鈴木理繪さんに教えてもらいました。

 

素材のうまみを引き出してくれる「白醤油」

塩分濃度が高いので口に入れた瞬間は塩辛い!という印象。でも、味わううちにかなり甘味が感じられます。冒頭でも触れたように、一番のおすすめは豆腐。大豆の甘味を引き出します。出し巻き卵や茶碗蒸しなど、醤油の黒い色をつけたくない料理に使うといいでしょう。

<本むらさき株式会社>白むらさき(360㎖)454円(税込)

<本むらさき株式会社>白むらさき(360㎖)454円(税込)

使い切りアイディア

コンソメで仕上げがちなクリームシチューやホワイトソースの味付けにぴったり。サッと煮切って、ゼラチンを加え、バット等に流して冷やし固めたジュレも便利。オリーブオイルをかけたサラダに合わせるとよい。

 

これさえあれば料亭の味! 上品な「うす口醤油」

こちらも料理に色がつきにくい「うす口醤油」は、白醤油よりも塩気が抑えられているので、蛤のお吸い物など元々塩分を含んだ材料を使ったお吸い物に。また、これからの季節は栗ご飯などに使うと、栗の甘味が引き立ち、絶妙な塩加減で、上品な味わいに。

<末廣醤油>淡口醤油

<末廣醤油>淡口醤油(360ml)627円(税込)

使い切りアイディア

製氷皿で凍らせておくと何かと便利。おろし金でささっとおろして冷奴にかけたり、鍋焼きうどんの仕上げにかけて。オリーブオイルと唐辛子と合わせて鍋のタレにしてもおいしい。

 

こだわりの製法で生まれた、バランスの良い「濃口醤油」

スタンダードな「濃口醤油」は、煮物など大量に使用する際の普段使いのものと、冷奴やおひたしなど料理にかける際に使う上質なものを2本使い分けるのがおすすめ。ここでは、2本目におすすめのタイプを紹介します。意外な使い方としておすすめなのが、なんとアイスクリーム! 少量垂らすと、カラメルのような香りに……。

<フンドーキン>吉野杉樽天然醸造醤油

<末廣醤油>淡口醤油(500ml)648円(税込)

使い切りアイディア

すりおろしたにんにくや、皮をむいたにんにくをつけて香り醤油に。炒めものにもおすすめ。丸ごとつけたにんにくは醤油の風味もつくのでお酒のつまみにも。

 

仕上げにかけたい、風味豊かな「再仕込醤油」

「再仕込醤油」は、うまみやコクが強いのが特徴。調理の途中に使うよりも、完成した料理にかけたり、つけたりするのに使うと◎。いわゆる刺身醤油は再仕込醤油のことで、フライなどにかけるソースの代わりにも使えます。

  藤井松吉 超特選醤油(再仕込み) width=

使い切りアイディア

たっぷり砂糖を加えて火にかけ、おろしにんにくやおろししょうが、すりごま、コチュジャンやごま油をプラスして、焼き肉のタレに。

 

意外に使い道の多い「たまり醤油」

加熱すると美しい赤みを帯びる「たまり醤油」。魚の煮物などに使うときれいなツヤが出ます。濃厚なコクがあるので、これ1本あれば、料理に奥深さが。卵かけご飯などに使う醤油としても使えます。

<片上醤油>自家用たまり醤油(360㎖)886円(税込)

<片上醤油>自家用たまり醤油(360㎖)886円(税込)

使い切りアイディア

すりおろしたタマネギと刻んだタマネギを加え、酢、砂糖、オリーブオイルで簡単ドレッシングに。野菜は玉ねぎ以外ににんじん、大根などお好みのものでOK。

 

普段の食卓を変える、基本の調味料「醤油」。この機会に、新たな1本を食卓の仲間に加えてみてください。

文: 田山康一郎

写真/八田政玄
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

 

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