2015.09.19
世界の家庭料理を学ぶ 旅するユニークな料理教室「ニキズキッチン」
今、メディアなどで話題の料理教室「ニキズキッチン」。日本に住む外国人のお宅にお邪魔して、その国の家庭料理を習うというユニークなスタイルで人気となり、現在世界40カ国、50名の先生が在籍しています。先生と英語でコミュニケーションをとりながら、生徒は調理のお手伝い。日常生活で使える『活きた』英語を学ぶこともできます。ニキズキッチンが伝える『世界の手作りのおいしさ』について、代表の棚瀬尚子さんにお聞きしました。
家族を想って作る料理は『力がわく』ご飯
ニキズキッチンの講座は、どれも単発レッスン。4品ほど季節にちなんだ料理を作り、最後はみんなでテーブルを囲みます。
「先生と生徒が集まるのはその日限り。だからこそ『一期一会』の精神を大切にしましょうと話しています。その瞬間を、最上の状況で楽しもう、と。9割が1人で参加されていますが、みなさん友達になる確率がすごく高くて、先生ともすぐに仲良くなっていますね」(棚瀬さん)
食べることが好き。海外が好き。旅行が好き。それが、ニキズキッチンに集う人々の共通点。
「年齢はみなさんバラバラで、小学生もいれば70代の方もいます。本当にバラエティに富んでいるんですよ」(棚瀬さん)
忙しい現代社会では、料理も時短が求められますが、ニキズのレシピは時間をかけてでも、家族の健康を考えて野菜をたくさん使った料理を作ります。
「家庭料理には、家族を想う気持ちや愛情がいっぱい詰まっています。冬は雪に閉ざされるロシアのサハリンでも、赤道直下にあるコロンビアでも、ご飯をひと口食べると、力がたくさんわいてくる。日本には『同じ釜の飯を食う』ということわざがありますが、一緒に料理をして、味わう体験は生活を共にしたことと等しいんじゃないのかなぁ、と。この活動が広がっていけば、世界の人とのつながりもどんどん増えていくと思います」(棚瀬さん)
日本橋三越本店がニキズキッチンのレシピを再現!
そんなニキズキッチンの家庭料理に魅せられて、ニキズの講師と日本橋三越本店の惣菜ショップがコラボ。各ショップにより再現された、世界のユニークな料理の数々が楽しめます。「それぞれの国の文化を大切にしながら、先生方のレシピをなるべく忠実に再現しました」と話すのは、三越伊勢丹惣菜担当アシスタントバイヤーの大澤邦英さん。日本料理ではあまり使わない食材やアプローチを試すことで、各ショップの作り手にとっても新鮮な発見があったようです。ラインナップの中から、大澤さんもお気に入りの3品を教えてもらいました。
①ユリア先生(ロシア)によるケシの実がたっぷり入ったロシアのパン
ロシア人のユリア先生のレシピを再現したパンは、生地にたっぷりのポピーシード(ケシの実)を練り込んで。「ポピーシードは日本のパンではあまり使わない、ロシアならではの食材ですね。アーモンドのような香ばしさがグリーンレーズンの甘さとよく合います」(大澤さん)。お花のようなかわいいビジュアルも乙女心をくすぐります。
②ジャック先生(フランス)によるすりおろしキュウリのジュレソースが新しいサラダ
トマト、オリーブ、キュウリに、羊の乳から作ったフェタチーズが入ったギリシャの伝統的なスタイルのサラダ。「通常、サラダにかけるドレッシングは液状のものが多いと思いますが、このサラダではキュウリをすりおろしたジュレのような形状なんです。塩と合わせて食べるのが新鮮ですね」(大澤さん)。トッピングされたミントの香りも、さわやかなアクセントに。
③フローレンス先生(イタリア)によるヘルシーさもうれしい仔羊のロースト
タイムで香り付けした仔羊を、丁寧に焼き上げた一品。フローレンス先生が南イタリアで生まれた母に教わったイタリア料理で、イースターのディナーに食べるのだとか。ブルーベリーのソースの酸味が、香ばしいお肉とよく合います。「柿安ダイニングといえば牛肉ですが、仔羊の野趣あふれる風味と豊富なうまみに共感をいただき、企画に賛同いただきました。仔羊はヘルシーですし、これから注目の食材ですね」(大澤さん)。メインディッシュに出てきたら、テンションが上がりそう!
家族を思ってお母さんが腕を振るった料理は、どこの国でも何よりのパワーの源。海外の人と話すとき、「あなたの国の、この料理を食べたことがあるよ」と言えば、それだけで少し近しくなれるはず。料理から生まれる『おいしい』コミュニケーションは、言葉の壁を越えて私たちをつないでくれることでしょう。
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