2015.09.20
糖質制限中でも食べられる! 「ロカボなスイーツ」ってどんなもの?
健康を意識している方々の新しい考え方として、このところ注目されているのが「ロカボ」。糖質の摂取だけを抑えた食生活を意味する「ローカーボ」を縮めた造語です。揚げ物や肉類を適度に楽しみながらも、一般的には、1食あたりの糖質量を20〜40gに収めることが提唱されていて、ちょうどごはん半膳、トースト半切れが糖質20gにあたるのだそう。
いまでは日本人の6人にひとりが糖尿病予備軍であるといわれる説があるなか、おいしく食事を楽しめるロカボは、無理なく始められる前向きなセルフコントロールの新たな考え方です。
「おだやかな糖質制限」がロカボの基本的な考え
ロカボをひとことで言うと、「おだやかな糖質制限」。この言葉を提唱した食・楽・健康協会代表理事で医学博士の山田悟氏の考えには、シェフだけでなくパティシエたちも共感。糖質を抑えたロカボなスイーツが続々と登場してきているのだそうです。
「糖質という観点から見ると、スイーツは真っ先に削除されがちな食品ですし、『味わいが犠牲になっているのでは』というイメージを抱く方も多いようです。でも、大豆粉、ふすま粉、代替甘味料を利用して、糖質量を抑えた『おいしさをあきらめない』ロカボなスイーツを献立に取り入れることで、食事で制限する糖質を緩和できたり、食卓の品数を増やすこともできます」そう話してくれたのは、三越伊勢丹の洋菓子担当アシスタントバイヤー三宅文乃さん。
スイーツのなかでも洋菓子は、砂糖や小麦を低糖質の素材に置き換えることでロカボにしやすい品目であるといいます。味わいを損なわずに糖質を減らせるロカボなスイーツ厳選3品を、洋菓子バイヤーの視点から紹介してもらいました。
<資生堂パーラー>のティラミス
資生堂パーラー銀座本店「サロン・ド・カフェ」で提供しているオリジナルブレンドコーヒーを使用したティラミスは、有名店の味わいを楽しみながら1個あたりの糖質量が3.7gに抑えられます。
「グラニュー糖を糖質の低い甘味料に、小麦粉を低糖質粉に置き換え、生クリームでしっかりコクを出した、美味しさをあきらめずにロカボを実現したひと品。コーヒーシロップが染み込んだスポンジ生地とマスカルポーネクリームの組み合わせに、サクサクのクランブルが加わることで楽しい食感がプラスされています」と三宅さん。
<ロリオリ365 by アニバーサリー>のシフォンケーキ
低糖質スイーツに抱かれがちな「モサモサ」「モソモソ」「生地が重い」といったイメージを払拭する「しっとり感」と「軽さ」を追求したシフォン。その秘密はメレンゲで水分をフォローしてみずみずしく仕上げる製法にあります。通常のシフォンより日持ちがやや短くはなりますが、しっとりとしたおいしさを楽しめます。
三宅さんいわく、「1個(2人分)あたりの糖質量は、プレーンで22.2g、ピスタチオクリームが25.3g。一見すると糖質オーバーに見えますが、半分にカットした量が1人分ですので、実質、糖質量はこの半分になります。こちらのブランドでは10年ほど前より低糖質スイーツに関心を持ち、その取り組みの重要度を感じてきたというのも信頼できるポイント」とのこと。
<パティスリー・ラ・ノブティック>のふすまロールケーキ
「実はこちらのロールケーキ、ロカボの提唱者、食・楽・健康協会代表理事で医学博士の山田悟氏が監修した商品なんです。一般的に糖質が多いと言われている小麦粉の一部を、小麦の外側にあたる『ふすま粉』に代替することで、低糖質化しているのはもちろん、ふすまの香ばしさが味わいのアクセントになりました。ロカボ化が、ヘルシーさと味わいの両方にプラスとして働いた好例です」(三宅さん)
ふっくら仕上げたスポンジ生地で、生クリームをやさしく巻いたシンプルなロールケーキ。ピースカット1個あたりの糖質量は4.2g。ロカボを意識しつつ、ふすまの香りも存分に楽しんで。
「健康を意識・維持する人を気遣って、家族や友人がスイーツを遠慮することなく一緒に食べ、食卓を囲む楽しさ。同じものを食べて『おいしい』を共有できる喜びには、パティシエたちの手技や工夫、アイデアなしに語れません」と三宅さん。
ロカボなスイーツは糖質が少なめに作られていますが、決して病人食ではありません。食生活にロカボなスイーツを上手に取り組むことで、スイーツならではの彩りや味わいが、家族や大切な人とのひとときをより豊かなものにしてくれます。
商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=カフェ エ シュクレ/資生堂パーラー、ロリオリ365 by アニバーサリー、マ·パティスリー/パティスリー・ラ・ノブティックにてお取扱いがございます。
伊勢丹オンラインストアでは、世界的パティシエから伊勢丹限定最新スイーツまで、洗練された洋菓子をご紹介しています。
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