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2023.03.13

意外に簡単! 台湾の定番めしルーローハン(魯肉飯)レシピ。肉は焼いてから下ゆででトロトロに♡

ルーローハンのイメージ

ルーローハン(魯肉飯)とは、甘辛いタレで煮込んだ豚バラ肉をご飯に盛りつけた、台湾料理の定番といえる人気の屋台丼めし。八角のスパイスが香る異国情緒あふれる味が特徴です。

実は作り方には決まりがなく、お店や家庭によってその味は異なるそう。そこで、今回は伊勢丹新宿店<キッチンステージ>の柬理美宏シェフに、豚の角煮の作り方を応用して、豚肉の旨みを最大限に引き出した、簡単ルーローハンのレシピを教えてもらいました。

「ルーローハンの美味しさは、トロトロに煮込まれた豚肉の食感にあります。やわらかく仕上げるためには、豚肉は調味料で煮込むまえにあらかじめ焼く、下ゆでするという工程を踏みましょう。肉を焼くことでメイラード反応が起き、味に深みや香ばしさがプラスされるので、大人も子どももやみつきの仕上がりになります」

今回、記事の最後では、ルーローハンの献立におすすめの、豚肉の甘辛い煮汁を活用したトッピング3品豚肉のゆで汁で作るスープの簡単レシピもご紹介します。こちらも併せて、ぜひ試してみてください!

名店の味をおとりよせ「シェフ’s DELI」はこちら>>

シェフ直伝、ルーローハンのレシピ。豚肉の旨みを最大限に引き出す3つのポイント

ルーローハンの出来上がりのイメージ

【ポイント1】豚肉は下味をつけて強めに焼き付け、メイラード反応で旨みを引き出す!

豚肉は煮込むまえに焼くことで、余分な脂が落ちるだけでなく、肉の表面でメイラード反応(※)が起こり、味に深みが加わります。さらに、焼くまえに醤油で下味をつけることで香ばしく焼き上がり、力強い味わいになります。

※メイラード反応
食材が「焼き色」を生じる化学反応のこと。焼き鳥のタレが焦げた香ばしさや、ステーキ肉のこんがり焼けた状態など。熱によって食品に含まれる糖とアミノ酸やタンパク質が反応し、褐色物質=「焼き色」が生じる。

【ポイント2】 豚肉は下ゆですることで、余分な脂と臭みをしっかり落とす

豚肉は調味料を加えて煮るとかたくなってしまうので、調味料を加えるまえにしょうがやにんにくなどの香味野菜と一緒に下ゆでします。このひと手間が、肉をトロトロにやわらかくする秘訣です。

【ポイント3】黒糖(黒砂糖)を使って、深いコクと甘みをプラス

コクと深みのある味に仕上げるために砂糖ではなく黒糖(黒砂糖)を使います。八角の香りに負けないコクが加わることで、ただ甘辛いだけではない、やみつきになる美味しさに仕上がります。

「あらかじめ焼く」「下ゆでする」という工程だけを聞くと面倒に感じてしまいますが、それがおいしさの秘訣というなら、積極的に手間をかけたくなりますね。黒糖を使うことで、どんな風に美味しくなるのかも楽しみ!

それでは、さっそく作り方を見てみましょう。

子どもも大人もハマる! やわらか豚肉に甘辛ダレがとろりとからむルーローハンの作り方

ルーローハンの材料

<材料>(3~4人分)

  • 豚バラ肉(塊)…500g
  • 【下味】
    ・しょうゆ…小さじ2
    ・紹興酒…小さじ2 ※日本酒(清酒)で代用可。調理用の日本酒(料理酒)は食塩や酢が入っているものが多いので避ける
  • サラダ油…適量
  • しょうが(薄切り)…1かけ分
  • にんにく(半分に切る)…1かけ分
  • 水…2リットル(2,000ml)
  • 【煮込みダレ(タレ)】
    ・豚肉のゆで汁…300ml
    ・黒砂糖…大さじ3
    ・紹興酒(または日本酒)…大さじ3
    ・しょうゆ…大さじ2
    ・八角…1個
  • あたたかいご飯…3~4人分
  • 【好みでトッピング3品】
    味つけ半熟卵
    紫玉ねぎの甘酢漬け
    小松菜のナムル
  • 【好みでスープ】
    豚肉のゆで汁スープ

<作り方>

1.豚肉を拍子木切りにする

豚肉を切るイメージ

豚肉は1.5cm幅の拍子木切りにする。

「切るときは脂身の層を断ち切るように切ります。厚みが不揃いになっても気にしなくてOK。食感や味わいに変化がついて、かえって美味しく仕上がります。ただ、あまり小さく切り過ぎると、肉を焼くときに縮んでかたくなったり、煮るときに旨みが抜けたりしやすくなるので、1.5cm幅を目安にしましょう」

2.豚肉に下味をつける

豚肉にしょうゆと紹興酒をもみ込むイメージ

ボウルに豚肉を入れ、【下味】のしょうゆと紹興酒を加えてもみ込み、下味をつける。

「しょうゆと紹興酒を加えたら、手でぎゅっと握るようにつかみながらもみ込みましょう。時間をおく必要がなく、肉に下味がしっかりつきます」

3.豚肉を焼く

フライパンに油を熱して、豚肉を入れるイメージ

中火で熱したフライパンにサラダ油を引き、豚肉を強火で炒める。

「脂が多い豚バラ肉ですが、あえてサラダ油を引くことで呼び水になりしっかり豚肉の脂を出すことができるので、必ず油は引きましょう。炒めるときは一面ずつ焼いていくイメージで、あまり触らないで焼くことがポイントです」

豚肉を炒めるイメージ

豚肉の表面がカリカリになり、しっかり脂が出るまで炒める。

「しょうゆで下味をつけた豚肉をしっかり炒めることで、肉の表面でメイラード反応がおき、旨みの素ができます」

4.豚肉の脂をきる

豚肉の脂を切るイメージ

豚肉をザルにあけ、余分な脂をきる。フライパンには豚肉のうまみが残っているので洗わないこと。

「きった脂は使いません。粗熱がとれたら保存器に入れて、表面が白っぽくかたまってきたら、空気にあたらないようにラップを張り付けて保存します。野菜炒めなどを作るときに使ってもいいでしょう」

5.フライパンについた旨みを水に移す

フライパンに水を入れて洗うイメージ

フライパンを洗った水を鍋に移すイメージ

フライパンが温かいうちに、水2リットルのうち300ml程度を入れて、フライパンについた肉の旨みをヘラなどでぬぐうようにして水に溶かす。その水を鍋(今回は直径22cmの鍋を使用)に移し、残りの水1700mlもすべて加える。

「フライパンには肉の旨みがこびりついているので、それを水に溶かして移すことで肉の旨みを余すことなく活用します。フライパンが冷めてしまった場合は、水を入れてから少し加熱すると旨みを移しやすくなります」

6.豚肉を下ゆでする

にんにく、しょうがを加えるイメージ

5の鍋に4の脂をきった豚肉と、しょうが、にんにくを入れ、強火にかける。沸いてきたら中火にして、アクを取りながら30分煮込む。途中で水分量が減ってきたら、豚肉が煮汁から出ない程度に水を足す。

「調味料を入れるまえに香味野菜と一緒に下ゆですることで、肉がやわらかくなり臭みも消えます」

7.ゆで汁と豚肉を分ける

ゆで汁と肉分けるイメージ

鍋からざるなどを使って豚肉を引き上げて小鍋(今回は直径18cmの小鍋を使用)に移し、ゆで汁と豚肉を分ける。

「ゆで汁は、豚肉の味つけと付け合わせのスープを作るときに使うので、捨てずにボウルなどに移しておきましょう」

8.小鍋で豚肉と調味料を煮る

煮詰めているイメージ

小鍋に豚肉、【煮込みダレ(タレ)】の材料をすべて入れ、強火で煮込む。

「八角をきかせた甘辛いタレで煮込んで、食欲をそそる味に仕上げていきます」

ルーローハンの出来上がりのイメージ

煮汁が半量になるまで煮詰めたら火を止める。粗熱がとれるまで冷ます。この煮汁はトッピングの味付け半熟卵を作るときにも使う。

「このまますぐに食べることができますが、いったん冷ますことで味がなじみます。さらに、できれば煮汁に漬けたまま1日おくとさらに味が染み込み、より美味しくなるのでおすすめです」

9.好みでトッピング3品とスープを作る

冷ましているあいだに、好みでトッピングの味つけ半熟卵、紫玉ねぎの酢漬け、小松菜のナムルと豚肉のゆで汁を使ったスープを作っておく。レシピはこちら>>

10.食べる直前に温め直し、器に盛りつける

食べる直前に8を温め直す。器に白いご飯をよそい、好みでトッピングを盛り付け、温めたスープを器によそって添える。

八角の香りが鼻腔をくすぐる! 肉の旨みと甘辛ダレで食べ進める手が止まらないルーローハンが完成

付け合わせとスープの出来上がりのイメージ

トッピングとともにあたたかいご飯に盛り付けたルーローハンをいただきます。トロトロの豚肉の食感と口の中いっぱいに広がるエスニック感に感動! ルーローハン、トッピング…と食べ進めると、無限ループで何杯でもいただけそうです。豚肉は脂を落としているので冷めても美味しく、お弁当のおかずにもおすすめですよ。

【献立におすすめ】豚肉の煮汁とゆで汁を活用! トッピング3品+スープの簡単レシピ

トッピングとして、ルーローハンを煮込んだタレを活用した味つけ半熟卵と、彩りを添える紫玉ねぎの酢漬けと小松菜のナムルの3品があれば、バランスもばっちりです! 豚肉のゆで汁を使ったスープとともにご紹介します。

ルーローハンの付け合わせのイメージ

【トッピング①】味つけ半熟卵のレシピ

<材料と作り方>

作り方8の豚肉を煮込んだタレとしょうゆを1:1で混ぜ合わせ、半熟ゆで卵とともに保存袋に入れ、袋の空気を抜いて口を閉じ、3時間以上漬ける。

「ゆで卵は豚肉と一緒に煮込むのではなく、煮込んだあとのタレに漬けることで、余計な火が入らず半熟のまま仕上げることができます」

【トッピング②】紫玉ねぎの甘酢漬けのレシピ

<材料と作り方>

紫玉ねぎ(薄切り)1/2個分を熱湯でサッとゆで、冷水にとって軽く水気を絞り、砂糖50g、酢50ml、水50ml、塩小さじ1(5g)を合わせたタレに1時間以上漬ける。

【トッピング③】小松菜のナムルのレシピ

<材料と作り方>

小松菜1株をゆでて、冷水にとって軽く水気を絞り、食べやすい大きさに切る。塩、ごま油各適量であえる。

【スープ】旨みたっぷり! 豚肉のゆで汁スープのレシピ

ゆで汁で作ったスープの出来上がりのイメージ

<材料と作り方>

ルーローハンの作り方7で残しておいた、豚肉のゆで汁に塩適量で味をととのえて、長ねぎの薄切りを浮かべる。

「ゆで汁には豚肉の旨みが溶け出ているので、旨みをダイレクトに感じられるシンプルで簡単なスープです」

【プロの愛用品】<貝印>刃当たりが長く、ノーストレスでスーッと切れる肉切り包丁

柬理シェフがプロ目線でおすすめする調理道具を紹介します。今回は、肉だけでなく刺身などにも使える肉切り包丁を紹介します。

本体はかたさの異なるステンレスを33層に重ね合わせた構造で、刃の表面に木目のような美しいダマスカス模様が広がります。刃渡りが長めなので、刃元から刃先にかけて一気に引き切りしやすく、肉や魚などの素材の繊維を崩さずに切ることができます。持ち手も手に程よくフィットするので、料理初心者でも使いやすい包丁です。

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伊勢丹新宿店<キッチンステージ>では、有名シェフ監修のメニューが月替りで楽しめます!

キッチンステージ

伊勢丹新宿店 本館地下1階にある<キッチンステージ>は、有名シェフが監修したメニューを味わえるレストラン。メニューは4〜5週間ごとに変わり、フレンチに和食、中華まで、名店の味をカジュアルに楽しめます。ご家庭で提供メニューの味を再現できるようにレシピも差し上げていますので、ぜひ立ち寄ってみてください。

<キッチンステージ>の詳細はこちら>>

shinjukuisetan_kitchenstage

名店の味をおとりよせ「シェフ’s DELI」はこちら>>

撮影:矢野宗利
文:白鳥紀久子

バイヤー・スタイリスト / 柬理美宏
4~5週間ごとにさまざまなジャンルの人気料理人や料理研究家たちの創作メニューを提供している、伊勢丹新宿店本館地下1階「キッチンステージ」の料理長。「オープンキッチンスタイルを生かし、お客さまに五感で料理を楽しんでいただけるように心がけています」
柬理シェフのレシピ一覧はこちら>>

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。

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