2015.08.01
みつこしさんぽ Vol.2/時を遡る「日本橋三越本店 特別食堂 日本橋」
江戸時代から商人の街として栄え、今も歴史ある街並みと新しいスポットが共存するエリアとして注目を集めている日本橋。江戸や明治にタイムトリップできるスポットをめぐり、昭和で時を止めたような日本橋三越本店のレストランでちょっと贅沢なランチをいただく。今回はそんな、日本橋の歴史を感じるお散歩を楽しみます。
江戸、明治、昭和を感じる日本橋タイムトリップ
東京メトロ日本橋駅から中央通りに出て、さっそく見えてくるのが、日本橋川にかかる橋「日本橋」です。1603年(慶長8年)、江戸幕府開府と同時に完成した日本橋は、現在のもので20代目。のちに五街道の起点に定められ、全国から人や物が集まる日本の中心として発展していくことになります。
橋の手前の道を左に曲がり、西河岸地蔵尊通りへ。そこから外堀通りに出て、一石橋を渡り進むと、右手に見えてくるのが日本銀行本店です。東京駅なども手がけた建築界の巨匠、辰野金吾の設計により、1896年(明治29年)に完成しました。ベルギーの中央銀行をモデルにしたという、重厚な石造りの建物を前にすると、100年前の日本橋の賑わいが目に浮かぶようです。
日本銀行前からはじまりコレド室町方面へと続く通りは「江戸桜通り」といいます。通りが淡いピンクに染まる春はもちろんですが、木々の葉がそよぐ夏もお散歩にぴったり。特に、ともに昭和初期に建てられた三井本館、三越本店に挟まれた一角は、まるでヨーロッパの街並みのような雰囲気。この通りを抜けたら、いよいよ三越本店に到着です。
半世紀にわたり著名人に愛された「特別食堂 日本橋」
本館7階にある現在の様式の「特別食堂 日本橋」は、東京オリンピックが開催された1964年(昭和39年)にオープン。以来、半世紀にわたり、百貨店内で本格料理が堪能できるレストランとして、買物客をはじめ、各界の著名な方々にも愛されてきました。
約200席ある店内は広々としていて、まるでホテルのバンケットルームのよう。貴重な大理石の柱にシャンデリアなど開店当初からのインテリアが残る、クラシカルで落ち着いた雰囲気の中で、ゆっくり食事を楽しむことができます。スタイリストの小川善子さんに、お話をうかがいました。
「当店はラストオーダーが午後6時と早いため、ご昼食でのご利用がメインになります。洋食、和食、お寿司と幅広いメニューをご用意しておりますので、ご家族様がそれぞれお好きなものを選んで同時にご提供さしあげることが可能であり、また接待などのビジネスシーンでご利用いただくときも先方の好みを気にしなくてよいと、ご好評いただいております」(小川さん)
玉ねぎの甘みが決め手、絶品ビーフカレー
おすすめのメニューは「ビーフカレー」「鰻重」「吹き寄せ」など。レストランの「東京會舘」が手がけるカレーは、玉ねぎを飴色になるまで丸1日かけて炒めた自慢のひと皿。口にするとまず玉ねぎの甘みが、次にスパイスの香りとほのかな辛さが広がる逸品です。「鰻重」は、年間を通しての大人気メニューです。また、鮪や車海老が贅沢にのった「吹き寄せ」などのお寿司では、昭和2年の創業以来、伝統の味を守り続ける「下高井戸 旭鮨総本店」をお楽しみいただけます。
「デザートの『キャビネットプディング』は開店当初から同じレシピでご提供しております。『子どもの頃、正装してここに連れて来てもらった時、両親が大人のデザートとして食べている姿を横目で姉と眺めていたことを思い出します』と懐かしんで、親子代々にわたって愛してくださる方も多いんです」(小川さん)
気品漂うなかに懐かしさを感じる空間ですが、2012年のリニューアルではバリアフリー化やトイレの新設を行い、12席の寿司カウンターも新たに併設。長く愛されてきた味や雰囲気とともに、現代的な快適さもあわせ持つ「特別食堂 日本橋」。そこは、半世紀を超えて日本橋という街の魅力をそのまま凝縮したようなレストランなのです。
「日本橋」で接客に携わること9年目。なじみのお客さまのお好みの席やメニューも覚えておくなど、さりげない心配りによってお客さまの笑顔が見られたときに、この仕事のやりがいを感じます。趣味は、3人の子どもとの小旅行。旅先でいただく郷土料理から、元気をもらいます。
特別食堂「日本橋」のご案内
素材や味にとことんこだわった和食・洋食・
お電話(三越日本橋本店 特別食堂「日本橋」直通 電話03-3274-8495)でも、お問い合わせいただけます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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