2021.04.24
みんなが使っている「白だし」の違いとは? だし巻き卵や茶碗蒸し以外の使い方…京都の老舗が解説!
最近、白だしを使ったレシピをよく目にしませんか? 「1本あれば、料理の味が簡単に決まる」と、手軽な時短レシピを提案している人がおすすめしている人気上昇中の調味料です。
ただし、白だしを使ったことのある人は多いと思いますが、実際に「白だしってどんな調味料?」と聞かれると、説明できる人は少ないのでは?
そこで今回は「白だしの原材料は?」「そもそもどんな料理に使うもの?」「めんつゆとの違いは?」「使い切れないときは?」といった素朴な疑問を解決すべく、白だしの基本についてその道のプロに解説してもらいました。
教えてくれるのは京都に本店を構える<うね乃>の販売促進課、馬野孝一さん。白だしをはじめ「だし」に関係する調味料や食材を製造している京都の老舗だし専門店です。
「白だしは工夫次第で、いろいろな料理に活躍します。ぜひもっと多くの人に白だしの魅力について知っていただきたいです」と馬野さん。では、疑問がいろいろありますので、解説をよろしくお願いいたします!
Q1 「白だし」とはそもそもどんな調味料?
A1 白だしは色の薄い醤油にだしの旨みが入った万能調味料。1本で料理の味が決まる!
白だしは、手軽に料亭のような品のある味つけができると、近年人気が上昇している、和食に使う万能調味料です。とくに料理を素材の色を活かしたいときに使われています。
白だしの基本的な材料は「色が白い(薄い)醤油」「だし」「みりんなど複数の調味料」です。かつお節や昆布のだしの風味がしっかり感じられ、料理を作るときにだしや調味料を加えなくても、白だし1本あれば、簡単に味が決まります。
そして、注目すべき特徴は「白だし」という名前の通り、「色が白い醤油」を使っていることです。
白だしに使う醤油は色を白くするために、色が濃い茶色(※正式には赤色という)をしている濃口醤油ではなく、色の薄い白醤油(小麦が主原料の琥珀色の醤油)、もしくはうす口醤油(関西で一般的な淡い色合いの醤油。濃口醤油よりも塩分濃度は高い)を使用します。
また、原材料に使う「だし」や「調味料」については、メーカーによってそれぞれ異なります。例えば「だし」には、かつお節のほかにあご節(トビウオを乾燥させたもの)やまぐろ節、しいたけなどを使用したり、「調味料」には、みりんのほかに酒や砂糖を加えたりと、商品によって個性があるのです。
■白醤油やうす口醤油など「醤油の種類の違い」については、こちらの記事でくわしく解説!
Q2 白だしは、だし醤油やめんつゆと何が違う?
A2 白だしは、だし醤油とは「色」、めんつゆとは「用途」が違う
「だし醤油」は、「めんつゆ」よりも「白だし」に近い万能調味料として知られています。だし醤油と白だしとの違いは、だし醤油には濃口醤油をベースにしていることです。そのほかの原材料はかつおや昆布などのだし、みりんなどをブレンドして製造されています。煮物やあえもの、おひたしなど和食全般の味つけに役立ちますが、濃口醤油を使っているので、お吸いものなど料理の色を薄く仕上げたい和食には向きません。
「めんつゆ」は、その名の通りそばやうどん、素麺などのつけだれやかけつゆとして製造されているもの。煮物や丼もの、鍋など、麺以外の料理にも幅広く応用されています。
めんつゆと白だしの違いは、こちらもめんつゆには濃口醤油をベースにしていることです。そのほかの原材料は「だし」や「みりんなどの調味料」を使っていますが、だし醤油と比べて、めんつゆのほうが甘みが強いものが多い印象です。
つまり、同じ万能調味料でも、肉じゃがなど茶色い和食は「だし醤油」、肉じゃがの甘みを強くしたいときは「めんつゆ」、お吸いものなど淡い色の和食は「白だし」で使い分けるのがおすすめというわけです!
Q3 白だしはどうやって使うのがおすすめ?
A3 白だしはそのまま料理に加えて調味するか、水で薄めるだけ!
野菜とあえたり、卵液に直接加えたりして、食材に味をつけるための調味料として使います。めんつゆと同じようにお湯で薄めるだけで、うどんのかけつゆや天つゆとしても使用可能。
色が淡いので、薄味かと思いがちですが、ベースは醤油なので見た目の印象よりも塩気がしっかりしています。量は必ず商品のパッケージを参考に、入れすぎないよう気をつけて。甘さは控えめなものが多いので、好みに応じて砂糖を加えてもいいでしょう。
Q4 白だしはどんな料理に使うもの?
A4 お吸い物や茶碗蒸しなど、色をつけたくない和食に使うのが一般的
食材に色をつけずに仕上げたい和食に使うのが基本。普通の濃口醤油を使うと食材が茶色くなってしまいますが、色の薄い白だしなら、素材の色味を生かすことができます。
だし巻き卵や茶碗蒸し、お吸い物、お雑煮、野菜の炊き合わせなどの調味で使用するのが一般的。ほかにも関西風おでんやうどん、鍋、雑炊など温かくて汁気の多いメニューから、浅漬けや白あえ、なますなどの冷たい野菜料理まで、さまざまな味つけに活躍する調味料です。
Q5 白だしはなかなか1本使い切れません! 和食以外に使える料理はある?
A5 白だしはオリーブオイルと合わせてサラダやパスタに! ごま油とも相性◎
和食全般と相性のいい白だしですが、意外にも洋食、特にオイルを使った料理と相性抜群。オリーブオイル、酢と一緒に混ぜれば、サラダのドレッシングとして活躍します。オイル系のあっさりしたパスタを作りたいときにも白だしがおすすめ。きのこやあさりなどの具材をオリーブオイルで炒めて、白だし、塩、こしょうで味つけすると、だしの風味が香るあっさり和風パスタが完成します。
ごま油とも相性がいいので、焼きそばやチャーハン、ゴーヤーチャンプルーを白だしで味つけしたり、野菜とあえてナムルにしたりと、組み合わせ次第で味のバリエーションは広がります。
大量消費したいなら、炊き込みご飯や鍋に使うのがおすすめ。五目炊き込みご飯から、たけのこご飯、鯛めし、栗ご飯など季節の味まで、幅広いご飯ものに使え、一気に量を消費することができます。鍋の場合も水炊きや寄せ鍋など、肉から魚介系までさまざまな具材とマッチするので、味つけに困ったときは迷わず白だしをチョイスして!
【白だしで作る、簡単ドレッシングのレシピ】
材料と作り方
オリーブオイル、白だし(10倍濃縮)、酢を2:1:0.5の割合でボウルに入れて、泡立て器などでしっかりと混ぜる。
※あればドレッシングメーカーで乳化するまでしっかり振ってから、サラダにかけるとおいしい。
いかがでしたか? あらためて白だしについて学んでみると、想像以上にいろいろな料理に使えることを、発見できたはず! ぜひ、白だしの特性を理解して、毎日の献立作りに役立ててくださいね。
<うね乃>のおすすめ! 白だし、めんつゆ、だし醤油
今回取り上げた白だしはもちろん、めんつゆやだし醤油も<うね乃>で販売しています。商品に添加物や化学調味料を一切使っていないのがこだわりで、専門店ならではのだしの風味がきいた調味料はさすがのクオリティです。すべて伊勢丹新宿店でも購入可能なので、ぜひチェックを!
<うね乃>の「無ろ過のだし屋のしろだし」は、和食にも洋食にもよく合う!
2種類のまぐろ節と羅臼昆布でとっただしの風味が活きた白だしです。ろ過をせずに仕上げているので、旨みがしっかり残っており、コクのある味わい。まぐろ節は、かつお節よりも淡白であっさりしているので、和食だけでなく、洋食など幅広い料理に合わせやすいのが特徴です。1本あれば、お吸いものやだし巻き卵、鍋、サラダなど、毎日の献立に大活躍すること間違いなし!
※取扱い:伊勢丹新宿店 本館地下1階
“めんつゆ”はだしの風味と香りが◎「ストレートそばつゆ」
甘さ控えめで、品のある味わいのめんつゆです。かえし(醤油、みりんなどを合わせたそばつゆのベースとなる調味料のこと)を寝かせているのが特徴で、薩摩産本枯節を使っただしと合わさることで、香り高く、奥深い味わいを実現。そばの風味を引き立てます。ぜひ、お湯で薄めて最後まで楽しんで。
※取扱い:伊勢丹新宿店 本館地下1階
だし専門店が手がける“だし醤油”は、コクのある味わい「京のだし」
おひたしから煮物、天つゆ、そば・うどんのつゆまで、幅広く使えるストレートタイプの万能調味料。本醸造醤油をベースに、薩摩産本枯節と利尻島天然昆布でとっただし、本みりんで仕上げただし醤油は、料理に加えると手軽にコクを出すことができます。鶏肉の照り焼きにもおすすめ!
※取扱い:伊勢丹新宿店 本館地下1階
取材協力/うね乃
明治36年創業の100年以上続く、老舗のだし専門店。「本物のだしをみなさまにお届けすること」をポリシーに、選び抜かれた国産の厳選食材を使い、代々伝わる古式製法で、だし文化の継承に努めている。
商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階、三越伊勢丹オンラインストアにてお取扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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