2015.06.21
6月30日は「夏越の祓」。「水無月」を食べて暑気払いしよう
夏が近づくと京都の和菓子店に並ぶ、三角形のういろうに小豆を散らした「水無月」。うだるような京都の夏の暑さを和らげてくれる、古都の代表的な和菓子のひとつです。京を中心とした西日本の人々には、6月末の「夏越の祓(なごしのはらえ)」に、この水無月をいただく風習があります。
「夏越の祓」は、大晦日に並ぶ大切な節目
6月30日は、12月の大晦日と並ぶ大祓(おおはらえ)の日。旧暦の夏の終わりの日であることから、夏越の祓(なごしのはらえ)と呼ばれます。夏越の祓は、1年の折り返しにあたって、半年分の穢れをはらう、大切な節目の神事なのです。
京都では、この夏越の祓に「水無月」を食べるのが恒例。「今年はどこの水無月を食べようか」と、あれこれ和菓子屋を巡るのも楽しみのひとつなんだとか。
水無月に用いる小豆には厄除けの力があると信じられていたほか、三角の形はかつて宮中で暑気払いに食されていた氷や、神道の儀式で使う道具に由来するとも。ういろうと小豆の素朴な甘さに「あと半年、無病息災でありますように」と願いを託して、いただくのだそう。
水無月とひとくちにいっても、お店によって味も見た目もさまざま。日本橋三越本店によって厳選された、個性あふれる水無月をご紹介しましょう。
大粒の能登大納言! 森八の水無月
390年の歴史を誇る加賀藩御用菓子司<森八>の水無月。実は<森八>で水無月が取り扱われるのは今回が初めてだそう。老舗が挑んだ新作は、粒が大きく艶やかな能登大納言小豆と品質の高さで知られる宝達葛(ほうだつくず)といった地元の高級素材を使用。期待を裏切らないこだわりの逸品に仕上がっています。販売期間中、各日20点のみの限定商品なので、ぜひ食べたいという方は事前に予約がおすすめです。
驚きの柔らかさ! 京菓匠 笹屋伊織の水無月
筆者も大ファンの、円柱形のどら焼きで知られる京の老舗和菓子店<京菓匠 笹屋伊織>からは、定番の白い水無月と黒糖のやさしい甘みが印象的な水無月がお目見え。
ういろうが柔らかいのが特徴で、モッチリした食感がちょっと苦手、という方にもおすすめです。小豆も皮までほっくり柔らか。
杏を使った変わりダネ水無月
「水無月といえば小豆」という固定概念を覆す、ユニークな水無月を提供しているのが、いちご大福の元祖といわれる東京の和菓子屋<菓子処 大角玉屋>。
使用するのは小豆ではなく、なんと杏! 旬を迎える杏の爽やかな酸味と、もっちりとしたういろうの自然な甘さが絶妙です。ほどよい酸味が甘さを抑えてくれているので、甘いものが苦手な方にもおすすめできる逸品。
ここでご紹介したもの以外にも、銘々の和菓子店がオリジナリティあふれる水無月を作っています。そんな季節菓子を存分に味わえるのも、今の時期だけ。ぜひとも夏越の祓の6月30日、各店の水無月を食べ比べてみてください。
商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、日本橋三越本店本館地下1階=森八、菓遊庵/京菓匠 笹屋伊織、菓子処 大角玉屋にてお取扱いがございます。
独自の味覚と感性で厳選した全国の銘菓をお届けするお菓子のセレクトショップ、三越オンラインストア「菓遊庵」はこちら。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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