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2018.04.13

【きんぴらごぼうのレシピ】失敗なくスピーディ! ごぼうが美しくなる「ささがき」の切り方テク

フライパンでささがきごぼうを調味料をからめているところ

きんぴらごぼうや豚汁などに欠かせない、ごぼうのささがき。やってみると意外に難しいですよね。厚さを均一にできなかったり、想像以上に時間がかったりするものです。それを解決する新たなテクニックを発見! フードコーディネーターの村井りんごさんが、料理ビギナーでも簡単に、均一に仕上げられる切り方を解説してくれました。

きんぴらごぼうのレシピ(作り方)も一緒にご紹介。驚くほどしっとり美味しい、従来のきんぴらごぼうとはひと味違う上品な味わいに仕上がるので、最後までお見逃しなく!

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ごぼうのささがき、どうして上手にできないの?

包丁でごぼうをささがきにしているところ

そもそも、どうしてごぼうのささがきって失敗しがちなんでしょうか? 一般的な方法をまずはおさらい。

ごぼうを手に持ち、回しながら包丁で削るように薄く切っていきますよね。このとき均一の厚さになるよう、皮のほどよい位置を狙って削っていく必要があります。しかし、両手が浮いていて安定しないため、グラついて狙った場所が削れず、深すぎて厚くなったり、時間がかかってしまったりするんです。

「素早く均一に仕上げるには、コツというよりも『技術』が必要。大根のかつらむきと同じですね」と村井さん。そして「この方法なら誰でも均一に削れるはず」と教えてくれたのが、次に紹介する驚きの切り方です!

失敗なくスピーディ! プロが教えるごぼうのささがき(切り方)テクニック

まな板の上にごぼう、包丁、ささがきごぼう

ささがきは、ごぼうの香りを生かすための切り方。でも切り方だけでなく、洗い方も重要なのだそう。ベストなささがきに仕上げる方法を、洗い方から解説していきます。

1 ごぼうは縦ではなく、横にこすって汚れを落とす

ごぼうについた泥をたわしでこすって落とします。

「ポイントは、たわしをごぼうの上下に動かすのではなく、横にやさしくこすること。汚れだけをそっと落とすイメージです。縦にごしごしこすってしまいがちですが、それだとごぼうの横に沿って入っている筋目の中に汚れが入り込み、皮もむけてしまいます。ごぼうのほろ苦くて青々しい香りは皮にあるので、皮は極力残すことが大切」

2 左手に包丁、右手にごぼうを持って「カンナ」のようにスライスする

包丁をカンナのように使ってごぼうをささがきにしているところ

村井さんが教えてくれた切り方は、左手に包丁、右手にごぼうを持って薄く削る「カンナ」方式。両手が安定しない、という失敗の原因を解決するスタイルです。

左手はたたんだ布巾の上に置き、さらに包丁の刃先をまな板にのせることで、包丁の角度を固定。あとは刃先にごぼうを当てて、クルクル回しながら削っていくだけ。包丁の刃先が固定されるので、薄く削ったり、深く削ったり、といった削りムラが起こりにくく、一定の厚さをキープできます。
(手を傷つけないよう、刃先よりも先に指を出さないように気を付けましょう)

*それも面倒なときは……プロがおすすめする「斜め切り」

包丁でごぼうを斜め切りにしているところ

「カンナ方式でもちょっと面倒!」という場合は、斜め切りにするという手もあります。

「きんぴら=ささがきにしないといけない、と思われているかもしれませんが、斜め切りでもいいんですよ。ささがきよりも早いですし、ごぼうの味がしっかりと感じられます」

太めのごぼうなら縦に2つ割りにして、切り口が大きくなるように斜めに切るだけ。

「香りを重視したいときはささがきにして、それ以外は斜め切りにするなど、使い分けるといいですね」

【保存版】アク抜きなしが正解! 香り豊かな「きんぴらごぼう」レシピ(作り方)

カンナ方式で薄く切ったささがきで作る、ごぼうの香りが際立つきんぴらのレシピを紹介します。香りを残すためにアク抜きはせず、さらに炒めるときには蒸し焼きにして、香りを閉じ込めます。

1 アク抜きはせず、切ったらそのままフライパンへ

フライパンにささがきごぼうを入れているところ

フライパンにサラダ油を熱し、ささがきごぼうを水にさらさずに入れ、中火でさっと炒めて、全体に油を回します。

「アク抜きのために水にさらすとよくいいますが、最近のごぼうにはアクは少ないため、アク抜きの必要はありません。水にさらすとごぼうの香りが抜けてしまうため、切ったらそのまま加熱しましょう」

2 落としぶたをすると、香りが逃げず、しっとりふんわり

フライパンに落としぶたをしているところ

ささがきごぼうの上に落としぶたをして、弱火で2〜3分蒸し焼きにする。

「落としぶたは煮物に使うイメージがありますが、炒めものにも便利です。落しぶたをして蒸し焼きにすることで、ごぼうの水分と香りを閉じ込めてくれます。水分が飛ばないので水を加えなくても焦げ付かず、熱の対流もよくなるので早く火が入ります」

フライパンより小さい落としぶたをしているところ

「落としぶたは、材料をある程度覆うことができれば、フライパンや鍋よりも小さいサイズで構いません。落としぶたがない場合は、オーブンペーパーやアルミホイルで代用しましょう」

3 調味料はしょうゆとみりんだけ。さっとからめる程度でOK

フライパンでささがきごぼうを調味料をからめているところ

ごぼうに火が通ってしんなりとしたら、しょうゆ:みりん=1:1の割合で加え、中火で炒めながら絡めます。

「ささがきごぼうが片手ひとつかみ分(約60g)だとしたら、しょうゆとみりんは各小さじ1程度でOK。ごぼうの香りを楽しみたいので、ごく薄味に。しょうゆは薄口しょうゆがおすすめです」

香りの豊かさが圧倒的! ふんわり軽やかなきんぴらが完成

ささがきごぼうの完成

小山のようにふんわりと盛りつけられた、ささがきこぼうのきんぴら。食べると、口の中に青々しいごぼうの香りが広がります。きんぴら=甘辛しっかり味、のイメージを覆す、素材の風味が際立つ味わい。ふんわりした食感、豊かな香りがやさしく、いつまでも食べ続けられそうな飽きない味です。気の利いた一皿って、まさにこんな料理のことなんだ! と感じる美味しさでした。ごくごくシンプルなレシピなので、ごぼうをささがきにしたら、ぜひ一度試してみてくださいね。

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文: 白鳥紀久子

写真:矢野宗利
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