2018.03.27
辛子明太子の人気ブランド8銘柄を一挙食べ比べ。魚卵好きは必見! 【バイヤー解説付】
魚卵好きの皆さん、お待たせしました! 今回は辛子明太子の本場・福岡で人気の8ブランド、計15種類の辛子明太子を一挙にご紹介。白いご飯片手にお読みいただきたい、夢の食べ比べ企画です。
辛子明太子はファンが多い食品である反面、「違いがわかりにくい」のが悩ましいアイテム。
「どうやって選んだらいいかわからない」「値段が大事?それともブランド?」といった声にもお答えすべく、伊勢丹新宿店の生鮮担当バイヤー林真嗣さんと一緒に食べ比べします。
まずは「違いの見分け方」から解説してもらいました。
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辛子明太子、見極めポイントはこの3つ!
林さんによると、辛子明太子の味の違いを決める要素は下記の3つなんだそう。試食できないときや迷ったときは、パッケージの材料表やパンフレットなどを見てみるといいでしょう。
1)辛子明太子は主原料の「産地」をチェック!
辛子明太子の主原料はスケソウダラの卵。産地の多くはロシアやアメリカですが、一部のブランドは国産にこだわっています。さらには北海道の一部の地域で獲れたものしか使用しないブランドも。味わいは製造方法によりまちまちですが、迷った場合は「産地」にも注目すると選びやすくなります。
2)辛子明太子はブランドの個性が出る「調味液」に注目
各ブランドの個性が強く出るのが、スケソウダラを漬ける調味液。食塩や唐辛子のほかに、だしや日本酒などが使われています。高級な辛子明太子のなかにはこだわりの地酒を使用しているものもあり、上品な風味を楽しむことができます。
3)辛子明太子は「漬け込み時間」で口当たりが変わる
スケソウダラの卵を調味液に漬け込む時間はブランドによってさまざま。1〜2週間程度の場合もあれば、なかには160日以上じっくり漬けるブランドも。そのため、漬け込み時間の長さもブランドごとの違いを知るための参考に。漬け込み時間が長いほど、まろやかな口当たりになる傾向もあります。
「最近では、アイディアあふれる変わり種の辛子明太子も多数展開されています。いかや昆布など副原料と合わせたもの、ほぐした粒がチューブに入ったものなど。上記の3項目に加えて、各ブランドのオリジナル商品に注目してみても、お気に入りが見つけやすくなるかもしれません」
博多の名店、8ブランドを食べ比べ!
今回食べ比べをしたのは下記8ブランドの辛子明太子。いずれもそれぞれにファンがいる博多土産の定番です。記事の末尾には味の違いがすぐにわかるマトリクスを掲載しましたのでぜひ合わせてご覧ください!
- <稚加榮>辛子明太子
- <ひろしょう>辛子明太子
- <鳴海屋>北海道室蘭沖産辛子明太子
- <五口福>岩田屋オリジナル 博多 五口福 辛子明太子 一味
- <やまや>伝統無着色辛子明太子
- <福さ屋>北海道産無着色辛子明太子
- <福太郎>福撰辛子明太子
- <椒房庵>無着色辛子明太子 中辛
1)高い支持率でギフトに人気!<稚加榮>辛子明太子
味と食感のバランスがよく、常に安定した人気を誇る<稚加榮>。吟味された国内産スケソウダラの卵は粒の弾力がしっかりしていてプチプチした食感を楽しめます。昆布やかつおぶしといった馴染みのあるだしで味を調えられた辛子明太子は、最初はさっぱりとした味わいですが後からだしのうまみが口に広がります。
【ブランドからのおすすめポイント】
料亭のお客さまの声から生れた一品です。和食の職人が素材、製法、盛り付けまでこだわって作り上げた、料亭の名に恥じない「和食の一品としての明太子」をぜひ一度味わっていただきたいですね。
2)職人の目と手で素材を厳選<ひろしょう>辛子明太子
素材にこだわる<ひろしょう>は北海道の限られた海域で獲れたスケソウダラの卵のみを使用。それを職人がひとつずつ手作業で選別しており、原料への妥協がありません。独自にブレンドした唐辛子入りの調味液にしっかり漬け込まれた辛子明太子はピリリと鋭い辛さで、ご飯の甘みをしっかり引き立てます。
【ブランドからのおすすめポイント】
北海道産にこだわった高品質なたらこは粒立ちが良く、プチプチとした食感をお楽しみいただけます。上にのっているひろしょう特有の「日高産昆布」もオススメです。
3)うまみが強くクリーミー<鳴海屋>北海道室蘭沖産辛子明太子
職人が1腹1腹手作業で漬け込んでいる<鳴海屋>。昆布など他の食材と一緒に漬け込んだ辛子明太子など、バラエティ豊かなアイテムを展開しています。北海道室蘭沖産辛子明太子は室蘭沖のスケソウダラだけにこだわった<鳴海屋>の特別な一品。調味液にじっくり漬け込んであるため、プチプチ感よりも魚卵そのもののうまみが強く、クリーミーな味わいを楽しめます。辛さとコクのバランスがよく、噛むほどにうまみが溢れ出してきます。
【ブランドからのおすすめポイント】
鳴海屋の明太子の美味しさは、たらこの品質で決まります。工場長が現地へ赴き、厳寒の北の海で獲れたスケソウダラのたらこの中から、新鮮で張りのよい物だけを厳選しています。
三越伊勢丹オンラインストアで取扱いの<鳴海屋>明太子はこちら>>
4)純米大吟醸とあご出汁で漬け込んだ<五口福>岩田屋オリジナル辛子明太子 一味
福岡の辛子明太子を数多く取り扱う百貨店・岩田屋が手がけるオリジナルブランド<五口福>。お酒には純米大吟醸、出汁にはトビウオを使用した非常にうまみの濃い辛子明太子です。一味は唐辛子のはっきりとした存在感はあるものの、うまみの強さがそれを上回ります。アミノ酸のうまみがしっかり感じられ、ご飯とのマッチ度が非常に高い一品。ギフトにぴったりなパッケージにも注目です!
【ブランドからのおすすめポイント】
こだわりの「だし」が生み出す、辛いだけではない、熟成した明太子のうまみとコクをご堪能ください。箱の中にお入れした「本物の博多織」の本の栞で、少しでも博多を感じていただきたいです。
5)匠のタレに168時間漬け込んだ<やまや>伝統無着色辛子明太子
<やまや>は明太子を熟成させることで美味しさを追求。「伝統無着色辛子明太子」は福岡の名蔵「喜多屋」の純米大吟醸の香りを生かした調味液と匠のタレに168時間もの間浸けた贅沢な一品です。一般的に漬け時間が長くなるほどに粒感がなじんで、まろやかになりますが<やまや>の無着色明太子は粒の存在感がしっかり残っているのがポイント。腹のなめらかさがありながら、粒の食感も感じられるのが貴重な一品です。明太子特有の臭みがなく、辛味も塩味もまろやかなので、辛子明太子が苦手だという人でもきっと食べられそう。
【ブランドからのおすすめポイント】
福岡の銘醸蔵<喜多屋>の純米大吟醸を加え、深みのある味わいを生み出すことで、濃厚な気品のある味わいが特徴の辛子明太子です。
6)大ぶりの腹が美しい<福さ屋>北海道産無着色辛子明太子
<福さ屋>は数多のメディアに取り上げられており、知名度が高いのでご存知の方が多いのでは? 「北海道産無着色辛子明太子」は大ぶりの腹に形の整った粒が詰まった美しさが印象的な一品。食感は柔らかく、口に含むと魚卵がほどけていくようです。調味液の味バランスも秀逸。後から後から味の深みが出てくるため一口ずつ大切に堪能したくなります。
【ブランドからのおすすめポイント】
鰯を使った魚醤と香辛調味液を使うことでコクのある深い味わいを生み出しています。完熟した唐辛子を使用することで、キレのある辛さとうまみを引き出しました。
7)キリッとはっきりとした味わい<福太郎>福撰辛子明太子
色合い鮮やかで、味も鮮烈な一品。唐辛子やアルコールの味がキリッとしているので、そのまま単品で食べるだけでなく、調味料として料理に使っても存在感を発揮してくれそう。使い勝手の良い一品です。ちなみに<福太郎>の手がける辛子明太子味のおせんべい「めんべい」は手軽なお土産として大人気!
【ブランドからのおすすめポイント】
北海道産のたらこは卵の粒にハリがあり、魚卵そのものの美味しさが際立っています。「二度漬け」によってその魚卵のうまみを引き出し、調味液・唐辛子によって深いコクを生み出しました。
8)深みのある味わいがご飯との相性抜群!<椒房庵>無着色辛子明太子 中辛
<椒房庵>のコンセプトは「皇妃への捧げもの」。食べれば納得、上品で深みのあるうまみを堪能できます。実は辛子明太子だけを口に含んだだけでは印象が薄かったのですが、ご飯と合わせてみてびっくり! 噛めば噛むほどうまみが溢れ出してきます。粒が細かくクリーミーな食感なのにくどくなく上品な味わい。朝ごはんとして食べたら1日をご機嫌で過ごせそうです。
【ブランドからのおすすめポイント】
椒房庵は醤油屋がその始まり。調味液には自家醸造の醤油を用い、うまみ豊かな昆布だし、風味とうまみのバランスがいい唐辛子をブレンド。素材が引き立つ味わいを感じていただきたいです。
編集部とバイヤーが実食して作成! 辛子明太子マトリクス
まだまだある!8ブランドのバリエーションアイテム
ここまで食べ比べたのは、各ブランドを代表するプレーンな辛子明太子。ラインアップはまだまだたくさんあります。ゆず、昆布などフレーバーに工夫があるタイプ、イカや数の子などの食材を合わせたタイプなどさまざま。さらに7品を紹介します。
9)<稚加榮>辛子明太子・いか明太子詰合せ
食べ比べで紹介した<稚加榮>辛子明太子に、いか明太子を組み合わせたセット。コリコリとしたいか耳にバラした辛子明太子を和えたいか明太子は、噛むほどにいかの甘みと辛子明太子の辛さが混ざり合い、ずっとうまみを感じていられます。味の濃い卵巣の皮が剥いである状態なので、辛味はおさえられてまろやか。
10)<鳴海屋>辛子明太子
食べ比べで紹介した「北海道産室蘭沖産辛子明太子」とは原材料の産地などが異なるこちらは、価格と品質のバランスがよく、伊勢丹新宿店では最も売れているアイテム。九州の地酒を入れた調味液でしっかり漬け込んであり、辛味とアルコールの風味を強く感じられる辛子明太子です。食感は柔らかでしっかりした味なので、卵焼きなどの料理にも向いています。
11)<鳴海屋>三彩明太子
10)と同じプレーンの辛子明太子に、昆布、柚子と和えた辛子明太子がセットになった3種の詰め合わせ。昆布との組み合わせは、辛さも口当たりもマイルドになり、そのままお酒の席で活躍しそう。柚子入りは柑橘の香りがふわっと広がりとてもさっぱりとした風味。バイヤーも思わず「美味しい!」と笑みがもれました。「柚子ブーム」が起きているという外国人観光客にも好かれそうな一品です。
12)<鳴海屋>五彩明太子
<鳴海屋>三彩明太子にさらに無着色としその2つのフレーバーが加わったのが五彩明太子。無着色は通常の<鳴海屋>の辛子明太子よりも辛さがマイルドで、食感がしっかりしています。インパクトが強いのは「しそ」。口に入れた瞬間、しそのフレッシュな香りが広がります。さまざまなフレーバーを食べ比べられる辛子明太子の新しい可能性を感じられるセットです。
13)<鳴海屋>辛子明太詰合せ
<鳴海屋>辛子明太子に数の子明太、いか明太がセットになった一品。魚卵と魚卵と組み合わせる、ありそうでなかった組み合わせに驚かされる数の子明太は、ポリポリとした食感が強く長く口の中で楽しめます。いか明太はいかの食感が柔らかくご飯にのせて食べやすい仕様です。
14)<五口福>岩田屋オリジナル 博多 五口福 辛子明太子 七味山椒
食べ比べで紹介した<五口福>岩田屋オリジナル 博多 五口福 辛子明太子 一味との違いは、使っている唐辛子が一味か七味かだけなのですが、それだけでも随分味が異なるから驚きです。調味液の中の酒分をより強く感じられるのがこちらの七味。お酒好きならきっと好きなはず。<五口福>の辛子明太子は一腹が大きすぎないため、まるごと楽しむことが可能。ピンと張った皮の食感も楽しめます。
15)<やまや>無着色美味辛子明太子
食べ比べで紹介した<やまや>「伝統無着色辛子明太子」に比べると、調味液がさっぱりとしています。辛味がより強く、柚子の香りが上品な一品です。「伝統無着色辛子明太子」に比べると食感はやや柔らかめですが、全体の中ではプチプチ感は十分強い方。
見た目からは違いがほとんどわからない辛子明太子ですが、これだけ違いがあること、おわかりいただけましたでしょうか。記事を参考に、ぜひお気に入りの一品をみつけてくださいね!
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商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、岩田屋本館地下1階および岩田屋三越オンラインストアにてお取り扱いがございます。また、一部商品につきましては、伊勢丹新宿店本館地下1階=フレッシュマーケットにてお取扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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