2017.12.20
なんと全部1万円超え! 伊勢丹の高級日本酒・焼酎6選
洋酒と比べると、日本酒や焼酎などの和酒は比較的安価なイメージがありますよね。和酒で1万円以上と聞くと「高い!」と驚いてしまう人もいるのでは?
伊勢丹新宿店にはそんな驚きの価格の高級和酒があるんです! 高額な日本酒や焼酎は、一般的なものと比べて何が違うのでしょうか。気になるアイテムと、そのお値段の理由を紹介します。教えてくれたのは伊勢丹新宿店の和酒担当、倉友桐さんです。
日本酒編
手間ひまかけた特別な一本! <大信州酒造>「香月 古今」 21,600円
今回ご紹介するなかでも、2万円を超える金額で圧倒的な存在感を放つのが長野県の<大信州酒造>が手がける「香月 古今」。全国新酒鑑評会へ出品するために、蔵が特別に手がけた大吟醸酒です。酒造年度のなかで最も出来の良い仕込みを厳選し、さらに特に味や香りのバランスに優れているとされる「中取り」部分のみを使用。「無濾過斗瓶囲い」と呼ばれる手法で少量ずつ保管、冷温でじっくり熟成した後に出荷……と、すべての工程で最上の手間をかけた1本です。
「出品用に特別にしつらえられたお酒のため、非常に希少で、シリアルナンバーまで付けられています。その繊細で優雅な香りと味わい、やわらかな舌触りは、芸術の域。ハレの日を飾るのにふさわしい高級酒です」
最高品質の山田錦だけを使用!<本田商店>龍力 純米大吟醸 秋津 16,200円
人気シリーズ「龍力」の最高ランク「龍力 純米大吟醸 秋津」は、<本田商店>の「酒米」へのこだわりを極めた、とも言える1本。品質のよい酒米が採れる山田錦の名産兵庫県「特A地区」の中でも、毎年最高品質の山田錦を栽培する加東郡秋津市の生産者「都倉氏」が手がけた酒米のみを使用。有機肥料栽培に加え、米のうまみを増すために「稲木掛け」と呼ばれる伝統手法で天日乾燥させるなど、惜しみない手間が注がれた究極の酒米です。
「日本酒は、やはり米が命。一つひとつ手間をかけた米は、ほかにはない日本酒を生み出します。米のうまみを存分に引きだした純米大吟醸酒は、蔵の言葉を借りると『純米大吟醸にふさわしい芳醇な香りとまろやかな味わい』。大吟醸酒らしいフルーティさに加え、米のうまみも備えた複雑な味わいです」
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アッサンブラージュによる味の複雑さと気品<せんきん>「仙禽 醸」 12,960円
こちらも人気の高い「仙禽」シリーズ。その最高峰となる「仙禽 醸」は、異なる特徴を持つ原材料をブレンドする「アッサンブラージュ」というワインの手法を日本酒造りに取り入れたチャレンジングな1本。「山田錦」「亀の尾」「雄町」の3つの酒米をブレンドすることで、蔵の理想の味わいを追求しています。驚くのは、各酒米に合わせて磨きを変えていること。なかでも6割を配合する山田錦は7%まで磨き、雑味のない味わいのみを抽出。そこに35%の亀の尾、40%の雄町の個性を合わせ、ベストバランスを追求しました。
「山田錦、亀の尾、雄町の個性が絶妙なバランスで組み合わさった1本です。極限まで磨かれた山田錦は気品に溢れています」
「日本酒は、一般的には精米歩合の最も高い『大吟醸』にカテゴライズされるものが高くなる傾向にあります。なかでも4合(720ml)で1万円を超えるほどのものは、広く飲まれることが目的ではなく、コンテストへの出品のためや、蔵のアイデンティティを反映するために、制約に縛られずに原材料や製造方法まで蔵のこだわりが反映された特別な1本。生産量も多くは作れないため、自ずと価格が上がってしまうんです」
焼酎編
個性豊かな原酒をブレンド<老松酒造>麹屋伝兵衛 古酒(麦焼酎) 10,800円
大分県<老松酒造>の麦焼酎「麹屋伝兵衛 古酒」。30年以上熟成の原酒を始め、味わいや香りに特長のある複数の麹を、希少な樫樽で仕込んだ長期貯蔵熟成麦焼酎です。じっくりと熟成させることで角の取れた丸みのある味わいを生み出します。
「味わいは長期熟成によって原酒は荒々しさが抜けて、樽独特のバニラのような風味が感じられます。まろやかなうまみをぜひロックで感じてみてください」
いにしえの味を再現!<濵田酒造>なゝこ(芋焼酎) 10,800円
鹿児島県<濵田酒造>が手がける芋焼酎「なゝこ」。7つの「古(いにしえ)」にこだわり、伝統製法により再現したということから「七古」と名付けられたそう。手間をかけて造られた本格薩摩焼酎の風味は、古式有機原酒ゆえ。麹には、現存する日本最古の黄麹を、酵母は初代の分離酵母を使用。さらに江戸~明治時代に使われたものを再現した木桶蒸留器で蒸留し、100年前から継がれる甕で熟成……という徹底ぶりです。
「日本酒では定番の黄麹ですが、焼酎に使われるのは比較的珍しいんです。木桶で蒸留し、さらに甕で熟成した芋焼酎は、黄麹の広がりのある香りとまろやかさ、華やかさの特徴がしっかりと感じられる味わい。今では少ない本格薩摩焼酎を味わえる貴重な1本です」
「有機栽培 種子島紫芋100%」へのこだわり<種子島酒造>紫極(芋焼酎) 10,286円
原材料である紫芋にこだわった芋焼酎、その名も「紫極」。種子島紫芋は、同じ土地では2年に1度しか作れず、さらに収穫量も少ないという種子島の在来種。その希少な種子島紫芋をすべて自社で有機栽培し、原材料からブランドのアイデンティティを貫いています。麹米も完全有機栽培の新潟産コシヒカリを使用。仕込まれる焼酎の量はごく少量。それを甕でじっくりと熟成した1本です。
「甕による長期熟成で口当たりのまろやかさが感じられます。紫芋のフルーティな味わいを感じる、上品な後味が魅力です」
「焼酎も日本酒と同じく、原材料や製造工程などへのこだわりが価格に反映されていきます。特に長期間熟成された『古酒』が高くなる傾向にある点では、ウイスキーをはじめとした洋酒に通じる部分も。甕や樽を用いての長期熟成は、タンクでの貯蔵では見られない独特な風味を生み出すため、珍重されています」
高い理由を知って、蔵人たちに想いを馳せながら飲む和酒は、きっとまた格別な味わい。自分へのプレゼントにも、大切な人への贈り物にも最適な高級和酒、一度は手に取ってみては?
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