2017.09.13
ブーム到来の兆し!「クラフトジン」って、どんなお酒なの?
都内では専門店ができ、テレビや雑誌で特集が組まれるなどジワジワとムーブメントになりつつある「クラフトジン」。
「2016年に日本初のジン専門蒸溜所ができ、2017年7月には大手メーカーからも発売されるなど、酒造業界でもクラフトジンに注目が集まっています」
そう語るのは、約300種類の洋酒を揃える伊勢丹新宿店のグランドカーヴで商品担当をしている、池ノ内涼さん。とはいえ、日本では欧米ほどジン自体に馴染みが深くないためクラフトジンといわれても、いまいちピンとこない方も多いかもしれません。
そこで今回は、そもそもジンとは? という素朴な疑問からクラフトジンの魅力、今飲んでおくべき銘柄まで伊勢丹新宿店のグランドカーヴ担当者に聞きました。
そもそもジンってどんなお酒なの?
池ノ内さんによると、ジンには大きく3つの特徴があるそうです。
特徴① ベーススピリッツの原料はなんでもOK!
「たとえばラム酒ならサトウキビを使うといったように、お酒によって主原料は明確に決まっているのが一般的。対してジンのベーススピリッツの原料は、大麦やジャガイモ、米や果物などさまざま。『ベーススピリッツの原料は自由』なのが特徴なんです」
特徴② ジュニパーベリーが必須
「ジンの明確な決まりは、ジュニパーベリー(ネズの実)を必ず使うこと。ジンの語源も、ジュニパーベリーという名前にあるといわれています」
特徴③ 「ボタニカル」と呼ばれる香味成分を加える
「香り付けに、ボタニカルと呼ばれる薬草香味成分を使います。香りのベースとして使われることが多いのは、ジュニパーベリー、コリアンダー、アンジェリカなど。そこに、そのジンならではの個性を際立たせるため、さまざまなボタニカルを追加して香り付けを行います。ただし、ジュニパーベリー以外に何を使うかは主原料同様、自由なんです」
土地の個性を表現するボタニカルを使うのがクラフトジン!
従来のジンとクラフトジンの大きな違いは、こだわりぬいたボタニカルにあるのだそう。
「クラフトジンに共通しているのは、その土地を表現するボタニカルを使用している点です。たとえば、日本のクラフトジンであれば、柚子や玉露などの和の素材をボタニカルとして使うものが登場しています」
クラフトジンは、土地と関係の深い植物を使っているため郷土料理と相性がよく、炭酸で割れば食中酒にもなるのだとか。また、ボタニカルの香り自体を愉しむため、ロックで味わう飲み方もおすすめだそう。
カクテルなどで「混ぜて飲む」ことの多かった従来のジンと比べ、シーンに合わせてさまざまな愉しみ方ができるのがクラフトジンなのです。それでは、ボタニカルにこだわった今注目のクラフトジンを見てみましょう。
和の香り漂う、ブームの代表「季の美 京都ドライジン」
ベーススピリッツ原料:米
特徴的なボタニカル:柚子、レモン、玉露、生姜、赤紫蘇など11種類
日本初のクラフトジン専門の京都蒸溜所で製造された「季の美 京都ドライジン」は、和の素材にこだわったブームを牽引する1本。主原料としてお米を使い、伏見の名水で仕込んでいます。ボタニカルは、ジュニパーベリーやヒノキをベースに、柚子やレモン、生姜、玉露などを加え、和の香りを表現しています。
口当たりは非常にやわらか。口にふくんだ瞬間、柚子やレモンなどシトラス系のさわやかな香りが鼻を抜けます。その後、玉露のまろやかな甘みが舌に広がり、余韻にはヒノキの香りが。
「和食との相性がとてもよく、料理に合わせてさまざまな香りが立つという完成度の高さが特徴です。最初はぜひストレートで、本来の上品な香りを愉しんでいただきたいですね。これがジンか! とちょっとしたカルチャーショックを受けるはずです」
大手酒造メーカーが手がけた、桜香る「ROKU」
ベーススピリッツ原料:穀物
特徴的なボタニカル:桜、桜葉、煎茶、玉露など14種類
サントリーが製造した「ROKU」は、ジュニパーベリーやコリアンダー、シナモンなど、スタンダードな8種類のボタニカルをベースに、桜や煎茶、山椒など6種類の和素材を加えたクラフトジン。和素材のボタニカルは、香りが立つよう素材の特徴に合わせてひとつずつ個別に蒸溜するというこだわりが。
「王道の素材が生み出す軽やかな香りと、和素材の奥深い香りが融合した1本です。特に特徴的なボタニカルが桜で、まるで桜そのものを呑んでいるかのような心地いい香りを愉しめます」
本場・イギリス生まれの傑作「コッツウォルズ ジン」
ベーススピリッツ原料:小麦
特徴的なボタニカル:ラベンダー、グレープフルーツなど9種類
イングランドの中部に位置し、2014年に完成したばかりのコッツウォルズ蒸溜所で製造される「コッツウォルズ ジン」。高品質な小麦をスピリッツの原料とし、ベースのボタニカルにはジュニパーベリー、コリアンダー、アンジェリカの3つを使用。コッツウォルズ地方の名産であるラベンダーを含む6種類のボタニカルを追加することで、地域の個性を表現しています。
「初めに香った瞬間からラベンダーがフワッと広がり、シトラス系のさわやかさと見事に融合しています。ジンの本場イギリスで生まれたクラフトジンの傑作です」
今後、より大きなムーブメントになると言われているクラフトジン。ボタニカルに注目し、土地の味わいを感じながら飲めば、クラフトジンをもっと愉しめるようになるはずです。
催物のご案内/商品の取扱いについて
【催物のご案内】
六〜ROKU〜クラフトジンフェア
開催期間:2017年9月13日(水)~9月19日(火)
京都蒸溜所 季の美 クラフトジンフェア
開催期間:2017年9月27日(水)~10月3日(火)
伊勢丹新宿店本館地下1階=グランドカーヴにて、クラフトジンの魅力を発信するイベントを開催。9月27日(水)から期間限定で、ウイスキー樽で熟成させたという三越伊勢丹限定のクラフトジンも登場するので、この機会にぜひ、さまざまなクラフトジンを飲み比べてみてください。
【商品の取扱いについて】
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=グランドカーヴにてお取扱いがございます。
また、伊勢丹のワイン・洋酒サイト『Grande Cave Online』では、オンラインショッピングをはじめ、プロモーション・イベント情報など、旬なワイン情報をお届けしています。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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