2017.03.08
常識が変わるかも!最新のトマト事情をカゴメ社員が教えます
定番野菜の代表といえばトマト。近年、技術や品種の改良が進み「夏が旬」「トマトは冷蔵保存」など、これまで常識だと思っていたことがどんどん変わっているんです。そこで、トマトの最新事情について、カゴメでトマトの健康効果について研究を行っている相澤宏一さんと、メニュー開発を担当している金野(こんの)たかねさんに教えてもらいました!
①「トマトの旬は夏」でも1年中食べられる!
1年を通してスーパーに並ぶトマトは、ハウス栽培のものがほとんど。ハウス栽培のトマトはさまざまな工夫で作られており、出荷のピークや美味しさのピークは、夏を外して作られることが多いという考え方が主流です。一方、露地で栽培されるトマトの旬は真夏。7月の後半から8月のお盆明けにかけてが、露地トマトの旬になります。(相澤さん)
②赤みや甘さが足りないなら常温保存を
多くのトマトは畑で赤くなる前に収穫をされ、輸送の途中で「追熟」することで赤くなっていきます。野菜売場で買ってきたトマトを、なるべく赤く甘くしたいときには常温で保存してください。反対に、冷蔵庫の野菜室で保存すると追熟は抑えられます。(金野さん)
③栄養の吸収を考えるなら生よりトマトジュースがベター
トマトは生で食べるよりも加熱したほうが、リコピンなどの栄養の吸収効率がよくなります(※)。その理由は加熱によって細胞壁が壊されるから。ストレート果汁のトマトジュースも加工時に加熱していますから、生のトマトで食べるよりも効率がよいと言われるのはそのためです。昔は「加熱しすぎるとトマト臭さが出る」と言われていましたが、最新の技術でフレッシュ感は損なわれなくなりました。(相澤さん)
※参考:Gartner C. et al., Lycopene is more biioavailable from tomato paste than from fresh tomatoes, Am. J. Clin. Nutr., 66, 116-22 (1997)
④カゴメは約8千種類のトマトを保有している!
世界には約1万種類のトマト品種があるといわれていますが、カゴメでは約8千種類を保有しています。完熟すると赤みが強くなる品種や、うまみ成分であるグルタミン酸がとても多い品種など、トマトの用途ごとに栽培し分けているんです。ちなみに、傷があるものや形の悪いトマトが缶詰やケチャップに加工されると思われがちですが、それは間違い。(相澤さん)
⑤トマトジュースの「濃縮還元」って何?
トマトジュースには、採りたてのトマトを絞ってそのままジュースにする場合と、特殊な膜によって水分だけを取り除いて濃度を濃くする場合があります。トマトジュースに書かれた「濃縮還元」とは、こうして濃度を濃くしたものに水を加え、元のトマトの濃さまで戻したもののこと。ちなみにカゴメでは、トマトピューレは3倍濃縮、トマトペーストは6倍濃縮となっています。(相澤さん)
⑥世界で一番消費量が多い野菜はダントツでトマト!
国民ひとりあたりの年間トマト消費量は、世界平均が約20kgに対し、日本人はその半分以下の約8kg(※)。世界で一番トマトを食べる国は北アフリカのリビア。年間の消費量が国民ひとりあたり約150㎏にも及びます。2位はエジプトで約120㎏、3位はギリシャで約110㎏という順です。トマトをよく食べているイメージのイタリアは6位で、トマト消費量は年間60㎏ほど。また、野菜と果物を含めて、世界で一番消費量が多い野菜はダントツでトマト。その消費量は年間146百万トンとも言われ、2位はスイカ、そして、3位はタマネギという順に続きます。(相澤さん)
※参考:FAO(国際連合食糧農業機関)のデータより
⑦うまみ成分たっぷりのトマトは「出汁」になる?
トマトにはうま味成分である「グルタミン酸」が多く含まれます。トマトの消費量が多い地中海地方の伝統料理では、日本でいう「お出汁」のような感覚でトマトを使うので、必然的にトマトの消費量が増えるのです。台所にはトマトを煮込んで作られるトマトソースが常備され、多くの料理に使われています。(金野さん)
相澤宏一
カゴメ株式会社イノベーション本部 自然健康研究部課長。薬剤師、薬学博士。トマトを食べることと健康維持について科学的な解明を行っています。
金野たかね
カゴメ株式会社東京支社営業推進部営業企画課フードプランナー。新製品開発におけるメニューや、トマトを使った家庭料理の開発を行っています。管理栄養士。
催物のご案内
【催物のご案内】
ISETAN TOMATO FESTA
■開催期間:2017年3月8日(水)〜14日(火)
■開催場所:伊勢丹新宿店本館地下1階=フードコレクション(食品催物場)
高知県で2017年3月に開かれる「KOCHI TOMATO SUMMIT」のプレイベントとして、フードコレクションに伊勢丹が誇るトマト生産者が集い、伊勢丹ならではのトマトメニューが揃います。
<カゴメ>からは糖度11度のトマトジュース「スウィートルビー」を使ったスムージーやホットスープをご紹介します。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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