2016.10.01
豆の生産者や精製方法にこだわった、貴重なレアコーヒーを味わおう
今、空前のコーヒーブームです。ひと昔前までは「ブラジル」のように生産国でざっくりと選ぶことが一般的でしたが、近年は豆の産地や農園、コーヒーの実から種を取り出す精製方法にまでこだわった品質主義のコーヒーが人気を集めています。よく耳にする「スペシャルティ」「シングルオリジン」もコーヒーの「品」を追求する考え方なのです。
「スペシャルティのなかでもトップクラスになると、収穫を機械ではなく手作業で行ったり、あえて難しい精製方法にチャレンジしたりと、作り手の個性が表れます。流通量が少なく高価なものばかりですが、コーヒー好きなら一度は飲んでほしいです」と話すのは、<キャピタルコーヒー>伊勢丹新宿店の細川孝之店長。今回は細川さんが注目する稀少なコーヒーを教えてもらいました。生産地、生産者、精製方法に注目して比べてみましょう。
日本人が育てるこだわりの「ハワイコナ」
① ハワイコナ ナチュラル -山岸農園-
まずは日本でもファンの多いハワイコナから「ハワイコナ ナチュラル –山岸農園-」。生産者はなんと日本人の山岸秀彰さん。自ら畑に出て手摘みで収穫を行うのはもちろん、コーヒーの木に名前を付けるほど「コーヒー大好き」な人物が愛情込めて育てた豆です。精製はハワイでは珍しい「ナチュラル」という天日干しを採用。
「ハワイコナらしいすっきりとした味わいのなかに余韻が感じられます。ダークチョコレートのように、最後に甘みがふわっと浮き上がるところがいいですね。僕が最近はまっている豆です」
やや深煎りの一杯は、チョコレートやケーキなどのスイーツと一緒に。パンチがあるのでアイスコーヒーにするのもおすすめです。
② ハワイコナ -山岸農園- ピーベリー
同じく山岸農園のハワイコナからもうひとつ「ハワイコナ–山岸農園-ピーベリー」。ピーベリー(丸豆)とは、通常実のなかに2粒入っている豆(平豆)がひと粒しか入っていないもの。全体の収穫量の5%ほどしか採れない貴重な豆です。
「先ほどの豆と比べてコロコロしていますよね、これがピーベリーの特徴。平豆よりも焙煎しやすく、また、ひと粒しか入っていない分、味が凝縮されるといわれています。しっかりした甘みがあり、なおかつ後味すっきり。ハワイコナの王道を行く一品です」
雑味がない上質な味わいは、あえて「和菓子」と一緒に。餡の甘みを崩さない、繊細なマリアージュを楽しめます。
まるで紅茶!? まったく新しい「マンデリン」
③ マンデリン ルビー プレミアム ワハナロングベリー -ワハナ農園-
続いてはコーヒー通のなかでも人気の高いマンデリン。パンチの効いた味と苦味が特徴ですが、この「マンデリン ルビー プレミアム ワハナロングベリー –ワハナ農園-」は、従来の概念を覆す一品だそう。
「インドネシア最大手で世界的にも進んだワハナ農園が『これまでにないマンデリンを作ろう』とチャレンジしたのがこの豆。ロングベリーという細長い豆を使い、精製は水に浸けて洗い落とす、『ウォッシュド』で、よりすっきりした味を目指しています」
この新しいマンデリン、ひと口飲むと多くの人が「なにこれ?」と声を上げるそう。
「まるで紅茶のようだと多くの人が驚きますね。マンデリンなのにすごく澄んで上品。クッキーやスコーンと一緒に、ティータイムのように味わってください」
世界が注目する品種、別格のゲイシャ
④ パナマ エスメラルダ農園 ゲイシャ マリオ カーナバル(ウォッシュド)
最後はコーヒーの原種といわれる<ゲイシャ>をセレクト。2004年にパナマ国内の賞を受賞すると、そのフルーティーさと上質さで大ブレイク。世界で大人気の品種です。
「ゲイシャは栽培が難しいことで知られていますが、その分フローラルなアロマと柑橘系なフレーバーは別格。『ウォッシュド』で精製しており、驚くほどすっきりした飲み口に仕上がっています」(細川さん)
近年話題のゲイシャにピンとくるコーヒー通の人こそ、ぜひ飲んでほしいレアコーヒーです。
さらにさらにゲイシャのなかでも人気の逸品を紹介!
⑤ エスメラルダ農園 ゲイシャ サン ホセ(ナチュラル)
最後は「パナマ エスメラルダ農園 ゲイシャ サン ホセ(ナチュラル)」、100gで7,000円以上の価格は、高級豆で知られるブルーマウンテンのおよそ2倍。圧倒的な味に惚れ込んだ<キャピタルコーヒー>のバイヤーが、全生産量の約3割を買い付けたそうです。
「苦味がほとんどなくて、フルーティーだけどボディがある。そして赤ワインのようなニュアンスの『ワイニーさ』が魅力。はっきり言いますよ、これはもはやコーヒーじゃない(笑)。他にはない圧倒的な個性があるのです。普通のコーヒーに飽きた人、コーヒー好きな仲間とともに『ゲイシャを味わう会』などを開いてみてはいかがですか?」(細川さん)
地域や栽培方法にこだわりつくられた「スペシャルティコーヒー」。上質な個性を最大限に楽しむなら、ペーパードリップでお湯は少し低めの90℃前後、ゆっくり淹れるのがおすすめ。苦味や雑味を残して豆のうまみや繊細な甘みがより伝わるはず。日々のブレンドコーヒーもいいけれど、特別な日にはこだわりぬいたレアコーヒーの世界もぜひお楽しみください。
商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、2016年10月1日(土)から伊勢丹新宿店本館地下1階=シェフズセレクション/キャピタルコーヒーにて、お取扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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