2016.09.18
皿のサイズに合わせて野菜を作る !? TAKEI FARMのミニ野菜が面白い
野菜は旬に食べるのが一番! ですが、変わり種野菜を数多く栽培しているTAKEI FARMでは、あえて一般的な栽培スケジュールから植え付けや収穫のタイミングをずらす生産をしています。市場の野菜よりも高値で取引するため!? かと思いきや、実は理由はそこではないようなんです。では一体どうして? TAKEI FARMを訪れ、代表の武井敏信さんに話を聞きました。
大きさが変われば、「用途」が変わる!
「タイミングをずらして植え付けや収穫を行うと、一般的に流通している通常よりも小さい、ミニ野菜ができます。すると、野菜の『用途』が変わってくるんです」
例えば、カットしてから調理されることの多いにんじんや小松菜も、平皿にのる程度のサイズであれば丸ごとソテーして食べられるため、見た目のインパクトも味わいも変化するんだそう。
「小さくすることで、通常捨ててしまうような葉や根なども丸ごと美味しく食べられるようになります。カリカリに焼いた小松菜の根っこなんて、食べたことないでしょう? にんじんの葉っぱもミニサイズなら美しい形で天ぷらに。もちろん味も最高です!」
キュートなミニ野菜はサラダを華やかに
イチゴのようにかわいらしいこちらの野菜は、なんと紅芯大根(こうしんだいこん)。通常は冬に育てますが、あえて春に植えることでみずみずしくかわいらしい大根になるんだそう。
かじると果物のように甘い汁があふれ出します。サラダに加えればテーブルが華やぐこと間違いなし。レシピの幅も広がりそうです。
「いつもと違う定番野菜」がシェフの感性を刺激
そもそもTAKEI FARMがミニ野菜を販売するようになったのは、偶然の出来事がきっかけでした。
農地があまり大きくなく、野菜の生産量が限られているTAKEI FARMでは、提携先のレストランに毎日決まった量の野菜を出荷することに苦心していました。
ある日、まだ小さい状態の野菜を見て「このまま食べたら面白いかも!?」とひらめいた武井さん。思い切ってレストランに発送してみたところ、そのサイズの面白さにシェフが大喜び! その後もミニ野菜を求められるようになり、今では通常サイズを出荷すると「大きい!」と苦情がくるほどなんだとか。
写真は、南青山にあるフレンチレストラン「Prévenance H.Shizukai」のシェフ、静井弘貴さんが武井さんのミニにんじんを調理したひと皿。にんじんのニョッキに丸ごとにんじんのソテーをのせ、にんじんのソースをかけた、まるで芸術作品のような仕上がりです。
TAKEI FARMでは小さくても美味しく食べられる品種を追求しているため、ミニ野菜の品質は日々向上中。規格にこだわらず、その日にベストな状態になっている野菜を選んで収穫し、発送しています。
「野菜の調理方法は料理をするみなさんが決めること。私は野菜のポテンシャルを高めて出荷するのが仕事です」と武井さん。
作り手の感性を刺激し、食卓に驚きをもたらすTAKEI FARMの野菜。ミニサイズのにんじんや、大根のような未知の素材を前にし、「どう食べようかな……」と想像を膨らませることこそ、料理の醍醐味なのかもしれません。
取材協力:武井敏信
TAKEI FARM代表。「心動かす野菜」をコンセプトに、西洋野菜やミニ野菜の生産に取り組んでいる。多くのレストランシェフ、料理研究家に信頼されている。テレビ、雑誌などでも多く取り上げられる注目の存在。
商品の取扱いについて
記事で紹介した「TAKEI FARM」の野菜は、伊勢丹新宿店本館地下1階=フレッシュマーケットにてお取扱いがございます。
※天候などの事情により入荷がない場合がございます。
※一部取扱いのない商品がございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
Ranking
人気記事ランキング