2016.06.15
アーティチョークの基本の食べ方とレシピ。どうやって食べるか知っていますか?
年々認知度が高まり、グルメな人たちの間ではすっかりおなじみの食材となってきたアーティチョーク。6月ごろに旬を迎えるため、まさに今が食べごろです。
とはいえ、まだ参考になるレシピは少なく、自宅で調理するとなると「どうしたら良いのかわからない」という方は少なくないはず。また、調理したものが出てきた場合も、どうやって食べるの? と悩みがちです。そこで今回は、フレンチレストラン「Prévenance H.Shizukai」のシェフ静井弘貴さんに、誰でも簡単にできるアーティチョークの食べ方を教えてもらいました!
意外!? 食べられるのはガクの一部と中心のみ
店頭で売られているアーティチョークは花の蕾の部分。一般的な食べ方は、丸ごとゆでて、鱗のようなガクをむき(上記写真のように手でむく)、ガクの根元についている実を歯でこそげるようにして食べるというもの。でも実は一番美味しいのは花の芯の部分! 良質なものは花に近い茎の部分も食べられるんだそう。中心部分と茎を食べるときの下処理の方法を解説します。
<下処理の方法>
① 1枚ずつ手でガクをむく。
② 中心の白いつぼみが見えるまで、むく。
③ 茎に近い根元の部分は、ナイフでこそげるようにして、皮をむく。
④ 茎は厚めに皮をむく。
⑤ ガクを全部むいた中心部分に出てくるやわらかいつぼみ(工程②の写真で見えている中心部分)はナイフで切り落とし、花芯の部分についているふわふわとした部位はスプーンでかきだす。
⑥ 変色しやすいため、レモン汁を入れた水に浸しながら作業するとよい。好みの大きさにスライスして使う。
フライや煮込み料理ならホクホク食感を堪能できる
加熱して食べるときは、フリット(素揚げ)が定番! ホクホクとした百合根のような美味しさです。でも、シェフのおすすめは煮込み料理。なかでも「バリグール」と呼ばれる料理はフランスでは定番の一品で、さまざまな味付けで親しまれています。作り方は食べやすく切ったアーティチョーク、ベーコン、刻んだ玉ねぎを一緒に炒め、鶏のダシ汁で煮込み、仕上げに刻んだセルバチコを散らすだけ。ベーコンの香りとうまみがアーティチョークに移って、おつまみにもぴったりな一皿です。
実は、生でも食べられる!
フレッシュなアーティチョークは生で食べることもできます。もちろんこれがもっとも簡単な調理方法。
「鮮度が高いからこそできる食べ方です。日本で良質なアーティチョークが手に入ったら、ぜひ生で食べてみてください。今回はこれをカルパッチョにします」
作り方はごく簡単。下処理済みのアーティチョークの中心部分を薄くスライスし、オリーブオイル、塩、レモン汁を振りかけるだけ。あっという間にカルパッチョが出来上がります。
フレッシュなアーティチョークはたけのこのようなかすかな渋みを感じる大人の味。生のナスのような風味も感じます。塩とオリーブオイルの味が引いた後の微かな甘さと、軽い反発のある歯ごたえがクセになり、ついついと手が伸びる!
まだまだあったアーティチョークの驚愕の事実
今回のアーティチョークは、国内最大級のアーティチョーク畑を持つTAKEI FARMで朝一番に収穫したもの。安定供給に向けて試行錯誤を続けているTAKEI FARMでは、まだまだ日本ではあまり知られていないアーティチョークの生態が次々と明らかになっています。
種類によって成長スピードが全然違う!
手前のアーティチョークと奥のアーティチョークはどちらも植えて1年目のもの。種類によって生育のスピードが大きく異なることがわかります。たくましい生命力に圧倒され、畏怖すら感じます。
もちろん味もまったくの別物
種類によって異なるのは見た目や成長スピードだけではありません。味も大きく異なるのだとか。TAKEI FARMでは、届け先のシェフの好みに応じた種類を選んで出荷しているんだそう。
生命力にあふれ、頑強そうにみえるアーティチョークですが、ヨーロッパ原産とあって暑さには強くなく、旬は初夏の1カ月。美味しいアーティチョークを味わうためにはこの時期を逃さないように……!! 夏だけの大人の味のお楽しみ、今年はぜひご家庭で堪能してくださいね。
取材協力
武井敏信さん(写真右)
TAKEI FARM代表。「心動かす野菜」をコンセプトに、西洋野菜やミニ野菜の生産に取り組んでいる。多くのレストランシェフ、料理研究家に信頼されており、一番美味しい状態の野菜をパッケージで定期販売している。テレビ、雑誌などでも多く取り上げられる注目の存在。
静井弘貴さん(写真左)
南青山のフレンチレストラン「Prévenance H.Shizukai」オーナーシェフ。都内や南仏のレストランで経験を積み、帰国後にレストランをオープン。食材の味を最大限に引き出す料理を提供している。
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