2016.06.09
これぞ贅の極み! 高級マスカットを丸ごと包んだ和菓子「宝掌珠」
毎年5月になると、伊勢丹新宿店の和菓子店<賚果 源 吉兆庵>の店頭に並ぶ菓子「宝掌珠(ほうしょうじゅ)」をご存知でしょうか。クレオパトラが好んで食べていたといわれる「マスカット オブ アレキサンドリア」の実を、丸ごと一粒求肥(ぎゅうひ)で包み、「宝掌珠」の名にふさわしい手間ひまをかけて作られた至極の一品です。今回は「宝掌珠」の魅力と美味しさの秘密について探ります。
糖度とサイズで選りすぐったマスカットのみを使用
「店頭にこの『宝掌珠』が届くと、ああ、今年もまたこの季節になったのかと、心があらたまります」と語るのは<賚果 源 吉兆庵>伊勢丹新宿店・店長の関さん。シンプルなお菓子ゆえ、美味しさのポイントはフレッシュな穫れたてのマスカットを使うことに尽きるのだとか。
「宝掌珠に使われているのは、<賚果 源 吉兆庵>の母体である<宗家 源 吉兆庵>発祥の地、岡山県の特定地域で大切に育てられたマスカットです。専用のぶどう園で作ったものを選別し、一定以上の糖度と大きさのものだけを使うこだわりなんです」
時期ごとに増していく甘み、変化する味わい
「鮮度を落ちにくくするため、宝掌珠の中には種が入ったままになっています。召しあがるときは取り除いてください」
穫れたてのマスカットは求肥で包んだ後もわずかに「呼吸」をしているため、よく見ると求肥の表面にヒビが入っているのがわかるそう。また、この宝掌珠は毎月味わいが少しずつ変わるのだとか。
「5月の走りの『マスカット オブ アレキサンドリア』は、酸味がしっかりしているのが特徴。これが6月、7月になると、果実の甘みが強くなり、味わいがだんだん変わってくるんです。その繊細な違いを堪能するために、毎月購入される方もいらっしゃいますよ」
興味深いお話を聞き、1つ270円(税込)の宝掌珠をおそるおそる試食させてもらいました。
食べてみると、マスカットの実を皮ごと食べている実感はあまりありません。手作業で包まれたからこその、果実に密着した求肥のもっちりとした食感。ひとくち噛むと、口の中には鮮烈な酸味と芳醇な香りが広がります! そして、グラニュー糖の甘さと酸味が出合うことで、ぐっとマスカットの味わいが深くなりました。
「買ってからすぐ食べるのと数日経って食べるのでは食感が異なり、時間が経った方がやわらかく感じるはずです。やわらかくなった分、甘みも強く感じるとおっしゃる方が多いですね」
美味しさを最大限に楽しむなら、紅茶と一緒に
また,特に注目してほしいのがその「香り」だと関さんは言います。
「穫れたての果物ならではの鮮烈なマスカットの香りを楽しんでください。日本茶などを飲みながら食べる方が多いのですが、おすすめしたいのはストレートの紅茶。紅茶のなかにはマスカテルフレーバー(マスカットフレーバー)といわれる香りのものがあるくらいですから、『宝掌珠』との相性は抜群です。これからの季節はダージリンの水出しもいいですね」(関さん)
商品が出たばかりの時期は、個人で毎年楽しみにしている方々が、夏にかけては特別な訪問先への手土産としての購入も増えていくそうです。最高級マスカットを選別し、丸ごと一粒使った宝石のような和菓子。ぜひ一度味わってみてください。ちなみに秋になると、同じ梨をまるごと使った「梨宝果」も登場するので、そちらもチェックしてみては。
商品の取扱いについて
記事で紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館下1階=甘の味/賚果 源 吉兆庵にてお取扱いがございます。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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