2016.03.15
香りとコクが格段に変わる! シェフ直伝、料理酒使いこなし術
素朴な疑問すぎて恥ずかしいのですが、料理に入れる酒って一体何の意味があるんでしょうね。シェフや料理上手は、日本酒やワインなどさまざまな酒を上手に使って料理の味を格上げしているようなイメージがありますが、あらためて考えると、料理酒の正しい使い方って意外に知らないものです。今回は、そんな素朴な疑問を伊勢丹新宿店キッチンステージの柬理美宏(かんりよしひろ)シェフにぶつけてみました。
料理に酒を使う理由は3つ!
柬理シェフによると、料理で酒を使う理由は次の3つ。
① 肉や魚の臭みをやわらげる
② コクを与える
③ 香りを引き立たせる
なるほど、だから酒を加えた料理は、美味しいんですね。
もう迷わない! 種類別、料理酒の使い分け方
ワインや日本酒などさまざまな種類がある「酒」。それぞれを料理に入れたときの効果と、相性のいい料理を聞きました。
「酒の特徴に合わせて使い分ければ、料理の味がさらにランクアップします!」(柬理シェフ)
日本酒・焼酎
・米が原料なので和食との相性がいい
・クセがなく、料理に程よい甘みを与える
【こんな料理にピッタリ】
煮物、お吸い物の仕上げ、炒め物など
みりん
・テリ・ツヤをつけ、煮崩れを防ぐ
・料理にコクと甘味を出す
【こんな料理にピッタリ】
照り焼き、煮込み物のベースなど
赤ワイン
・華やかな香り、渋み、コク、酸味を与える
・こってりした料理と合う
【こんな料理にピッタリ】
ビーフシチュー、カレー、ローストビーフ、ミートソースなど
白ワイン
・香り、キレ、酸味、コクを出す
・鶏肉や白身魚、野菜、乳製品と合う
【こんな料理にピッタリ】
アサリの白ワイン蒸し、キノコのクリームパスタなど
ブランデー
・強い香りがあり、アルコール感が強い
・甲殻類と相性がいい
【こんな料理にピッタリ】
デザート、ソースの風味付け(アメリケーヌソースなど)
ちなみに、調味料コーナーなどに並ぶ調理用の日本酒は、飲用のアルコールではないため、食塩や酢が入っているものがほとんど。味付けが濃くなりすぎないように、注意が必要です。
日本酒を揚げ物に!? ちょっと意外な料理酒の使い方
煮物やお吸い物に使われる日本酒は、香りが豊かなので、意外にも揚げ物に合うのだとか! 柬理シェフに華やかな香りが後味にフワッと香るフリットの作り方を教えてもらいました。
「今回は、相性を考えて原材料が同じ米粉と日本酒を使いました。もちろん、普通の天ぷら粉でもOKです。」
魚介と野菜の日本酒フリットレシピ
材料
ふきのとう、グリーンアスパラ、しいたけ、白身魚、帆立貝柱、など……適量
[フリットの衣]
・米粉……50g
・ベーキングパウダー……小さじ 1/2
・日本酒……1/2 カップ
・オリーブ油……適量
[付け合せ]
レモン、イタリアンパセリ……お好みで
作り方
① 魚、帆立貝柱は食べやすい大きさに切る。
② ボウルに米粉、ベーキングパウダーを入れて、日本酒を少量ずつ加えて泡立て器で混ぜる。スプーンですくって、トロリと落ちるくらいのゆるめの状態に。
③ 鍋にオリーブ油を入れて180度に熱し、野菜類から②の衣をつけてカラッと揚げる。
④ 揚げたてのうちに塩をふり、レモンとイタリアンパセリを添える。
サクッとした食感の後に、日本酒の香りがふわりと広がり、初体験の美味しさに! 食感を出すために、少量のベーキングパウダーを加えるのがポイントです。
想像以上に簡単な、料理酒の使いこなし術。いつもの料理にさっとひとふりして、美味しさの違いを自宅で実感してみてください。
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