2016.02.07
赤と白でざっくり使い分け! リーデル店長のワイングラス選び方講座
ワインを楽しむなら「ワイングラス」は大切なアイテムです。しかし、ワイングラスにはたくさんの形、サイズがあり、どれを選んでいいか迷ってしまいますよね。それに、お酒によってグラスを使い分けるなんてレベルが高そう……。
そんなとき頼りになるのが、「デイリーワインを格上げ! リーデル店長が教えるワイングラスの選び方」で、グラス選びをレクチャーしてくれた<リーデル>伊勢丹新宿店店長の竹中信幸さん。ブドウの品種に合わせてグラスの大きさと形状のマッチングがあるという考えのもと、さまざまな形のワイングラスを取り揃える<リーデル>。今回は、ざっくりと白ワインか赤ワインの2択から解説してもらいました。
ポイントは「ボウルの大きさ」にあり!
左の小さなグラスが白ワイン向き、右の大きなグラスが赤ワイン向きです。形は似ていますが、サイズは縦横1〜2cmほど異なります。この差が今回の唯一のポイントです。
「見るべきは、ボウル部分の大きさです。ワインがボウル内で空気に触れる『呼吸空間』の差によって、香りや味わいに影響を与えるんですよ」
それでは、実際にワインを注いで比べてみましょう。
白ワイン→小さなグラスでフレッシュさを感じる
まずは小さいサイズの白ワイン向きグラスから。ワインの適性量は、グラスのボウルのもっとも膨らんでいるところから少し下まで(約1cm)。これで約100ccです。
「ボウル内に半分以上の『呼吸空間』を設けることで、白ワインのフレッシュな香りが中で広がります。スワリング(グラスを回す行為)して、香りを立たせてから飲んでください」
口に含むと、小さい飲み口から冷たい液体が舌の中心をスーッと「走り」抜けます。口内の心地よい流れが、白ワインの冷たくフレッシュな個性を引き立てているようです。
赤ワイン→大きなグラスで濃厚な香りを広げる
次は赤ワイン向けの大きなグラス。注ぐ目安は白ワインよりもさらに下。もっとも膨らんでいる部分より約3〜4cmほど下まで注ぐと、約100ccになります。
「ボウルが大きい分、先ほどよりもワインの『呼吸空間』が広いですよね。白ワインよりも飲むときの温度が高い赤ワインは、アルコールのボリューム感があるため、大きな空間でしっかり香りを広げることが重要。これによって赤ワイン特有の複雑な香りを楽しむことができるのです」
こちらもスワリングしてひと口。舌の上を「走った」先ほどとは異なり、口に含んだ瞬間にフワ〜ッと「広がり」ます。ボリューム感だけでなく、果実感や苦み、タンニンといった味の重なりがはっきりと見えるようです。
ワイングラス&ワインのルール
ワイングラスとワインの相性は、「合わない」組み合わせを試してみると一目瞭然。
「白ワインを大きなグラスに注ぐと、『呼吸空間』が大きすぎるために鼻まで香りが届かず、味も酸が強くなります。反対に赤ワインを小さなグラスに注ぐと、香りが十分に開かず、ツンとしたアルコール感が際立ちます。味も複雑さがなく、渋く感じられます」
グラスが反対になるだけで、白・赤それぞれの個性が消え、欠点が目立つ結果になりました。
「グラスを意識しないということは、毎日美味しくないワインを飲んでいるのと同じこと。そんな残念なことはありませんよね」と竹中さん。
同じワインでも、グラスのサイズが少し変わるだけでまったく別もののよう。グラスのパワーに驚きです。この違いを一度体験してしまったら、もう同じグラスで飲んでいた頃には戻れなさそう。
ワインの色でサイズを変えるだけのざっくりルールで、ワインの本当の味を楽しみましょう。
竹中店長のおまけアドバイス「正しいボトルの持ち方」
ワインボトルには大きく「なで肩」「いかり肩」の2タイプあり、それぞれ適した持ち方があります。
①重心が低い「なで肩」タイプは、底を持つと安定する。
②重心が高い「いかり肩」タイプは、ボトルの真ん中をつかむと注ぎやすい。
商品の取扱いについて
この記事でご紹介している商品は、伊勢丹新宿店本館地下1階=グランドカーヴ(ワイン)、伊勢丹新宿店本館5階=キッチンダイニングデコール(グラス)にてお取扱いがございます。また、伊勢丹オンラインストアでは、<リーデル>の一部商品をお取扱いいたしております。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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