老舗料亭、京風、中華、洋風・ホテル、三越伊勢丹バイヤーが教えるおせち選びのポイント

お正月に食べる祝いの料理「おせち」。カタログにずらりと並んだお重の画は圧巻で、シェフやお店の違いなどを見比べているだけでも楽しいもの。でも、いざ選ぶとなると、結局ボリュームや価格で選んでしまってはいませんか？　そこで今回は、好み・味・価格ともに大満足できるおせち選びのポイントを紹介します。

おせちのジャンルは大きく分けて4つ

バラエティ豊かな「おせち」ですが、実は人気のジャンルは「大きく4つ」なんだそうです。

「おせちのジャンルは大きく分けて老舗料亭、京風、中華、洋風・ホテルの4つです。この4つからまず絞っていきましょう」と語るのは、三越伊勢丹おせち担当バイヤーの新山田仁さん。

定番の商品が詰められた、「老舗料亭のおせち」と「京風おせち」に、シェフのこだわりが詰まった、「洋風・ホテルのおせち」、「中華のおせち」。なんでも、ジャンルを絞ってから選ぶと、満足度の高いおせちを選べるのだとか。各ジャンルごとの選び方を紹介します。

【老舗料亭・定番】
和食に造詣がある人も満足できる、本物の味

まずは、王道の老舗料亭のおせちから。老舗料亭のおせちは、長年の伝統から生まれた職人技術の集大成。あこがれのお店、気になっていた店をこの機会に選ぶのがオススメです。「老舗料亭のおせちは、和食に造詣が深い方でも満足できるおいしさです。本物の味を知る人にこそ味わっていただきたいおせちです」と新山田さん。

新山田さんが老舗料亭定番の人気店として紹介してくれたのは、日本料理の伝統を大切にしながら、新たな味を探求する『東京吉兆』。新年を祝う、由緒正しき日本の味です。料理人が心を尽くして手作りした生寿司や煮物には、職人の技が光ります。 

【老舗料亭・京風】
素材の味を活かした京料理も根強い人気

京風おせちは、名店の味をおうちにいながら堪能できるのはおせちならではともいえます。老舗料亭おせちの中でも特に人気だそう。その魅力は、素材本来の味を引き出した味わい。出汁を使い分けることで、生み出される繊細なおいしさが特徴です。

「去年は関東の料亭のおせちだったから今年は京風のおせちを、という風に関東のおせちと京風のおせちを毎年交互に変えて味の違いを比べるのも楽しいですよ」

そんな繊細な京風の味付けを楽しめるおせちのひとつとして新山田さんがオススメするのが、京都を代表する名所、平等院鳳凰堂の門前にある『竹林』。自家製からすみやじっくり丁寧に仕込んだアワビなど、味わい深い料理が顔を並べます。京都の名店らしい味付けのおせちです。

【中華】
ゴージャスなメニューが食べられる特別感

中華おせちの醍醐味は、なんといってもフカヒレ、北京ダックなど普段は食べることの少ないゴージャスな料理が詰められていること。華やかなメニューがもたらす特別感は、新年を迎えるハレの日にピッタリです。

「フカヒレ、北京ダックと食べごたえのある中華料理ですが、おせちにはあっさりとした料理も入っており全体のバランスが考えられているので、最後まで楽しめますよ」

特別感が感じられる一品として、新山田さんが教えてくれたのは、フカヒレを惜しげもなく盛り込んだ『ダイニズテーブル』のおせち。「モダン中華の草分け的存在で、日本人の味覚になじむ繊細な味わいの料理が評判です」

【洋風・ホテル】
世界で活躍するシェフが手掛けた珠玉の味わい

フレンチ、イタリアンなど世界で活躍するシェフが手掛ける洋風おせちは、気になるシェフの名前で選ぶのがオススメ。また、ホテルのおせちは、和風、洋食、中華すべてのジャンルがひとつのおせちに詰め込まれているので、どのジャンルも外せない……。という欲張りな悩みも解決してくれます。

「洋風・ホテルのおせちには、ローストビーフや生ハムなど、お子さまが喜ぶ料理がいっぱい詰まっているので、特にファミリーに向いています」

サルヴァトーレ・クオモ氏は、洋風おせちをプロデュースした有名シェフの1人。「本場ナポリの味を日本に広めた功労者であり、現在は、活躍の場を海外へと広げています。生ハムにキャビア、豪華なイタリアンおせちには、クオモ氏の感性が冴え渡ります。」

ジャンルによって、いろいろな楽しみ方があるおせち。それぞれのおせちの趣向をより深く知れば、あなたにピッタリの一品が見つかるはずです。

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