2015.10.17
ソムリエが解説! 今さら聞けない「イタリアワイン」の基礎知識&選び方
イタリアは、いわずと知れたワイン大国。アルプス山脈を付け根に地中海に張り出す長靴型の半島は南北約1000kmに及び、そのすべての地域、20州全土でワインが造られています。その土地土地に違った気候や風土が存在し、歴史背景もさまざま。それゆえ、イタリアワインは、驚くほどに種類が豊富です。その反面、わかりにくいという難点があるのも事実……。そこで、伊勢丹新宿店本館地下1階にある「グランド カーヴ」のソムリエ・吉良竜哉さんに、イタリアワインの基礎知識とビギナーでもトライできる愉しみ方を聞きました。
まず試すべきは、イタリア3大黒ブドウ品種
「イタリアワインのバラエティの豊かさは、ブドウ品種に現れています。土着品種が多く、その数は世界でも1、2を争うほど。しかもあまりブレンドを行わないため、ブドウ由来の特長的な味わいが愉しめます」。そんな豊富な種類を一度に理解するのは大変なので、まずは代表的なブドウ品種3つから入るといい、と吉良さん。
【イタリア3大黒ブドウ品種】
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北部=ネッビオーロ
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中部=サンジョヴェーゼ
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南部=アリアーニコ
「イタリアワインといえば赤ワイン。そして、イタリア半島を大きく3つに分けると、北部のネッビオーロ、中部のサンジョヴェーゼ、南部のアリアーニコというブドウ品種が浮かび上がります。これらが、イタリア3大黒ブドウ品種。イタリアワイン初心者はまずはこの辺りから試して、それぞれのブドウ品種や土地のイメージをつくり、そこから比較を愉しんでいくといいと思います」
間違いがないのは、受賞経験のあるワイナリー
では、実際にお店でイタリアワインを選ぶときのポイントは?
「1本1本のワインを見るというより、まずはワイナリーの質で選ぶといいですよ。昔からよく知られているワイナリー、数々の賞を受賞しているワイナリーなど、知名度や評価の高いところのものなら、失敗も少なく、安心して愉しめると思います」。そして、吉良さんが今一押しするワイナリーの1つが、トスカーナの名門「カステッロ・ディ・フォンテルートリ」。
「由緒ある造り手、マッツェイ家が手掛けるワイナリーで、イタリアの権威あるワイン評価誌『ガンベロロッソ』における最高評価の指標『トレビッキエリ』を、トスカーナ地方でもっとも多く獲得しています。天然の地形を生かしたセラーと最新設備を誇る醸造施設は、キアンティ地区で史上最も素晴らしいセラーと『デキャンター』誌で評されるほど。また、醸造家のカルロ・フェッリーニ氏も、イタリアワイン界を代表する人物です。まさに『カステッロ・ディ・フォンテルートリ』は、確固たる実力を兼ね備えた、イタリア屈指のワイナリーといえるでしょう」
セットで楽しみ、ワイナリーの哲学に触れる
カステッロ・ディ・フォンテルートリのワインいくつかを比較しながら味わうと、ワイナリーの特徴がより深く感じられる、と吉良さんは言います。吉良さんがおすすめするセット販売のワインを例に、それぞれの魅力を教えてもらいました。
本格的かつクラシカルな味わい「キアンティ クラシコ」
「右の2本の『キアンティ クラシコ』は、トスカーナ地方を代表するワインであり、このワイナリーの看板商品でもあります。代々受け継がれる伝統の技が注ぎ込まれた、本格的かつクラシカルな味わいは、一度試してみる価値ありです」
なめらかな口あたりの「バディオラ」
「それに対し、一番左の『バディオラ』は、よりモダンな仕上がり。なめらかな口あたりでイージーに飲めるので、幅広い方々に愉しんでいただけると思います」
フルーティな味わいが魅力「ベルグァルド ビアンコ」
「さらに、真ん中の『ジゾラ』と、唯一の白ワイン『ベルグァルド ビアンコ』は、シチリア産のワイン。南イタリアならではの、燦々と降り注ぐ太陽を思わせる、陽気でフルーティな味わいが魅力です」
最後に、ワイン好きな方は「キアンティ クラシコ」から、初心者は「バディオラ」から飲んでいくのが良いと吉良さん。
このように『カステッロ・ディ・フォンテルートリ』では、古さと新しさの両輪を生かし、さまざまなワインが造られています。セットで手に入れ、タイプの違うワインを飲み比べることで、歴史ある名門ワイナリーの哲学にも触れられそうです。
選び方がわかればもっと愉しくなるワインの世界。この機会にイタリアワインの魅力の扉を開いてみてはいかがでしょうか。
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